【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« ダイエット(その5) | メイン | 03-25のトレーニング »


2005年03月22日

桶狭間とホリエモン

日本のビジネスマン、とくに会社経営者は自らを戦国武将に例えるのが殊のほかお気に入りのようです。故司馬遼太郎氏の絶大なる人気がいまだに衰えないのも、日本人男性における戦国武将好みのゆえかもしれません。そして数多(あまた)いる武将の中でも人気ナンバー1といえば昔も今も織田信長です。

ところで時間外取引という奇襲でニッポン放送株を大量取得したライブドア社長堀江貴文氏を桶狭間の織田信長に擬する向きもでてきたようです。となるとフジテレビ会長日枝久氏はさしずめ今川義元となるのでしょうか?

桶狭間の合戦で信長に惨敗を喫した今川義元は後世ボロクソに言われ続けてきました。が、実際には武将としての能力も高く、なおかつ深い教養をもつ一級の文化人だったそうです。となれば日枝さんもガッカリする必要はありませんね。

ところで桶狭間の奇襲を「卑怯だ」と批判する意見を私はいまだかつて一度も読んだことも聞いたこともありません。信長に批判的な立場をとる人たち(じつは私もそのひとり)でさえ桶狭間には好意的であるように思えます。

さて信長を称揚して飽くことのないビジネスマン・経営者たちがこぞってホリエモン氏をも褒め称えているかといえば・・・。そんなことはないようです。今回のライブドアの奇襲に対しては批判的な意見が少なくありません。

ホリエモン氏を批判する人たちは、桶狭間の信長も「卑怯だ」と判断する人たちなのでしょうね。そうでないと論理的に破綻してしまいますから。それにしては上述のように桶狭間の信長を批判する意見に接することがないのは摩訶不思議ではありますが(笑)。

ところで自分で戦国武将の話題をだしておきながら言うのもナンですけれど・・・。ビジネスマン・経営者が自らを戦国武将になぞらえるのは「ちょっと違うのでは?」と以前から私は思っているのです。

会社経営はれっきとした経済活動であります。すなわち会社経営に従事する人たちは商人(あきんど)です。反して戦国武将は大量殺戮をも躊躇(ためら)わない封建領主です(躊躇していたら自分が没落する)。商人たるべき現代のビジネスマン・経営者が大昔の封建領主を手本とするというのも珍妙な話です。

紀伊国屋文左衛門のような一代で巨万の財を成した豪商を尊敬し、先人のベンチャー精神や「粋」を学ぶというのだったら、よ~く分かるのですけれどね。


参考ページ


投稿者 kihachin : 2005年03月22日 20:41

« ダイエット(その5) | メイン | 03-25のトレーニング »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/374

このリストは、次のエントリーを参照しています: 桶狭間とホリエモン:

» 事実上の決着 from 微熱日記
FLが申し立てた保全抗告審で、東京高裁は抗告を棄却、地裁決定を 支持する判断を下しました。 LFは新株予約権の発行予定日を24日としていたため、差止め命... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年03月24日 13:31

コメント

『プレジデント』の功罪っていうこともあるんでしょうか。戦国武将に自らをたとえる企業人。なんだかあの雑誌が創刊されてから、そういうたとえが増えたような気がします。
それとも、「企業戦士」の原型を、「国民皆兵」に、明治時代あたりの、ちょっと間違っちゃった武士道を国民一般に適用した教育に求めるべきなのか。
なんとなく、根が深そうな気がするんですよね。
考えすぎでしょうか(笑)。

投稿者 とら : 2005年03月22日 21:52

とらさん、コメントありがとうございます。

> 『プレジデント』の功罪っていうこともあるんでしょうか。戦国武将に自らをたとえる企業人。なんだかあの雑誌が創刊されてから、そういうたとえが増えたような気がします。

その可能性は高そうですね。
『プレジデント』という雑誌はほとんど読んだことがありませんが、以前のガールフレンドの父親が記事になったとかで「読まされた」ことはあります(笑)。

> なんとなく、根が深そうな気がするんですよね。

「企業は軍隊に憧れている」という面はありそうです。
昨今も「本丸を攻める」とか「焦土作戦」なんていう軍事用語(?)が多用されていますね。
冷静に考えてみると、近世以降の軍隊は非常に官僚的な色合いの強い組織ですし、その点は多くの企業も同じですから不思議はないのかもしれません。

投稿者 喜八 : 2005年03月23日 11:50

喜八さん、こんにちは。

確かに日本の経営者(おっと、私もそうでしたか(^^;))は戦国大名、幕末の志士、帝国海軍の軍師に自らを例える傾向が強いですね。一つには、明らかに司馬遼太郎さんの小説の影響があるのは間違いないと思われます。司馬作品は(例えば『坂の上の雲』あたりは)デフォルトでビジネスマンの共通知識(?)になってしまっていることはあるかと思います。

ただ、ではどうして司馬作品が広く日本人に受け入れられたかと言うと、これは民俗学的な考察が必要かも知れません。つまり、商人に対する評価が非常に日本社会では低かったことと大いに関係があるのではないかと思うのです。「宵越しの銭は持たない」というような江戸町人の気風が関係しているのか、「お金に拘わることは卑しい」という固定観念が大きく反映しているのではないか、と思います。

そうなると「大義のために」滅私奉公することは美徳でも、堀江氏のようにM&Aでビジネスを拡大させていくやり方に対する反発があるのかとも思えます。

私の考えでは、確かにお金は必要ですし、資本主義社会で生きている以上、そのルールに則って活動することは別に卑しいことではないと思います。(その上で「お金こそ全て」と思うかどうかは個人の価値観の問題です。)むしろ「愛社精神」を発揚させて「滅私奉公」を強いるような一部の日本の大企業の体質の方に問題があると思っています。

話が大幅に逸れてしまいましたが(苦笑)、堀江氏はこの点について確かに一石は投じた、と私は見ています。

T.D.

投稿者 tropical_dandy : 2005年03月23日 14:40

tropical_dandy さん、こんばんは~。

> 司馬作品は(例えば『坂の上の雲』あたりは)デフォルトでビジネスマンの共通知識(?)になってしまっていることはあるかと思います。

ダイエット・メンバー(Diet Member、国会議員)にも「司馬遼太郎大好き」という人が多いと聞きました。『坂の上の雲』の人気などは凄まじいものがあるようです。私も以前読もうと思ったことがあるのですが、なんとなくピンとこなくて第1巻の途中でやめました。

> 私の考えでは、確かにお金は必要ですし、資本主義社会で生きている以上、そのルールに則って活動することは別に卑しいことではないと思います。

まさにその通りかと思います。
お金は何かということを考えたら、結局は「信用」ですからね。お互いに経済行為をなすには信用がなければどうしようもないし、信用そのものは卑しいとか尊いとかの評価の対象にはなりにくいでしょう。

> むしろ「愛社精神」を発揚させて「滅私奉公」を強いるような一部の日本の大企業の体質の方に問題があると思っています。

従来の日本で成功した経営者の多くがこのタイプではないかと思います。「経営の神様」といわれた人などは典型的な例でしょう。企業との一体感を幸福と感じる人にはいいのでしょうけれど、私は勘弁願いたいところです(笑)。

投稿者 喜八 : 2005年03月23日 20:58

http://worldwalker.ameblo.jp/day-20050505.html

ホリエモンの坊主頭の写真を入手! ↑

このページの一番下にUPされている

三木谷オーナーよりも 坊主頭が似合う ホリエモン

http://worldwalker.ameblo.jp/day-20050505.html

投稿者 読者 : 2005年05月06日 01:40