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2005年04月10日

『ギャザリング』

『ギャザリング』

映画『ギャザリング(原題:The Gathering)』ブライアン・ギルバート監督(2002)について(2005-03-26 DVD 鑑賞)。

ストーリー》アーサー王伝説とロック・フェスティバルで有名なイングランド南西部サマセット州グラストンベリーGlastonbury)の丘陵で2人の若者が惨死する。地下の古代教会跡に転落するという不幸な事故だった。この教会はキリスト像が背後を向くという特徴をもっており、紀元1世紀に創設された後、中世の黒死病(ペスト)流行時に人の手により埋められたものらしい。

地下教会の遺跡が調査されつつあるころ、アメリカからの旅行者とみられる若い女性キャシー・グラントクリスティーナ・リッチ)がグラストンベリーで交通事故に遭う。死亡しても不思議のない状況下、奇跡的にキャシーは軽症だった。しかし彼女は一時的に記憶を失っていた。

交通事故の加害者カークマン一家の住むライム・コート(Lime Court)にキャシーは滞在することになる。ここはかつて虐待された子供たちのための施設であった歴史をもつ古い屋敷だ。

カークマン家の2人の子供たち(マイケルエマ)と親しくなったキャシーは、ライム・コートでの生活を楽しむようになる。が、不思議な幻覚をたびたび見るようにもなってゆく。幻覚はマイケルの運命と密接な関係があるらしい。

それと同時に灰色の服を身につけた奇妙な男女(Gathering)がグラストンベリーの街に現れ、キャシーにつきまとうようになる。何か忌まわしいことが起きるらしいという予感が強まるなか、キャシーはマイケルを守り抜くことを誓う・・・。

感想》主演のクリスティーナ・リッチに尽きます。クリスティーナ・リッチのファンなら彼女の存在感ある演技を満喫できるでしょう。そうでなければ「いまひとつ物足りない映画」となるかもしれません。

クリスティーナ・リッチに最初に注目したのは『アダムス・ファミリー(原題:The Addams Family)』バリー・ソネンフェルド監督(1991)でした。モンスター一家の小学生の長女ウェンズデー役。いまなら「ゴスロリ」と表現されるかもしれない古風な黒服、真っ白な顔に黒髪の少女には不思議な魅力がありました。

その後『キャスパー(原題:Casper)』ブラッド・シルバーリング監督(1995)のキャット役で再会。「大きくなったな~」と思いました。まるで久し振りに会った親戚の少女を見ているような感覚です(笑)。『アダムス・ファミリー』でも『キャスパー』でも「ちょっと(かなり?)変わっているけれど可愛い女の子」役がぴったりでした。

その後のクリスティーナは『スリーピー・ホロウ』『アイス・ストーム』『私はうつ依存症の女」と快進撃を続けると同時に、子役から大人の女優への脱皮に成功しました。現在ではハリウッド若手俳優のなかでも独特のポジションを占める実力派女優と目されているようです(ただし本格的に演技の勉強をしたことはないのだとか)。

『ギャザリング』でのクリスティーナ・リッチは顔の線が鋭角的になり「大人になったな~」という印象です。小柄ではあるけれど体格はよくて「ベンチプレスが強そう」とも思いました。特典映像のインタビューでは撮影中に共演のヨアン・グリフィズと一緒にジムに行ったという発言もありました。

劇中、サイモン・カークマン(マイケルとエマの父親)とルーク司祭の会話に「アリマタヤのヨセフ」とでてくるのは実在した人物です。キリスト処刑後に総督ピラトに願ってキリストの遺体を引き取り埋葬したと聖書に記述されています。

イングランドの古い伝説ではアリマタヤのヨセフはキリスト処刑直後にキリストを貫いた聖槍を持ってブリタニアに渡ったとされているようです。この聖槍は「ロンギヌスの槍」とも呼ばれています。ロールプレイングゲームでは「ロンギヌスの槍」は強力なアイテムとしてたびたび登場しますから、名前に聞き覚えのある方も少なくないでしょう。

映画『ギャザリング』では記憶喪失の主人公キャシーとは何者か? という謎もストーリーの軸のひとつになっています。以下に伏線となっている部分を指摘しておきます(キーボード操作「Ctrl + A」で「すべてを選択」として、画面を暗転させることにより読むことができます)。


■ 以下ややネタバレです ■


  • 救急病院の場面、ストレッチャーで搬送中のキャシーの手の動き。

  • キャシーは紹介される前からマイケルとエマの名前を知っていた。

(『ギャザリング』ブライアン・ギルバート監督、2002))


投稿者 kihachin : 2005年04月10日 08:44

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トラックバック時刻: 2007年12月11日 21:26

コメント

喜八さん、TB有り難うございます。いやあ~すっごい分かり易くてポイントを押えたレビューですね。参考にしたいくらいです、ホント。

でも、同じ映画でもいろんな人の感想見るのって楽しいですね。人によって違うのを改めて感じます。特にキング・アーサーとかパイレーツ・オブ・カリビアとかでは、正反対の感想が多かったし。他人の感想見ると、捉え方・感じ方で自分が気付かなかったことを教えてくれたり、理解が深くなりますね。更に興味も湧くし。

ロンギヌスの槍かあ・・・。私だとエヴァに出てくるやつとか、ヒットラーが病的に愛着を持っていた聖遺物というのが浮かんできました。キリストの脇腹を刺したものですから、まさにイエスの血がついたおり、お宝なんでしょうね・・・。

あっ、またお邪魔させて頂きま~す(笑顔)。

投稿者 alice-room : 2005年04月10日 13:25

alice-room さん、コメントありがとうございます。m(__)m
過分のお褒めの言葉・・・。恥ずかしい限りです。
alice-room さんのような充実したブログを目指して、私もボチボチ行こうと思います。

> ロンギヌスの槍かあ・・・。私だとエヴァに出てくるやつとか、ヒットラーが病的に愛着を持っていた聖遺物というのが浮かんできました。

以前、どこかで「今世紀最大のオカルティストであるヒトラー」という意味の文章を読んだことがあります。
ヒトラー関連も alice-room さんがブログで取り上げてくださるのを楽しみにしています・・・。
なんて勝手に注文をつけてはいけませんね。(^_^;)

投稿者 喜八 : 2005年04月11日 12:07

こんにちは。
話しをけっこう忘れちゃってました(^^;)
伏線の部分も記憶があいまいなので
また観たくなってきましたよ

投稿者 だにい : 2005年04月11日 13:40

だにいさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ぜひもう一度鑑賞してみてください。
クリスティーナ・ファンのだにいさんなら(?)楽しめること請け合いです!

投稿者 喜八 : 2005年04月12日 12:18

はじめまして、TB有難うございました。
仰るとおり、この映画はクリスティーナ・リッチにつきますね。
お話的には殆んどワン・アイデア・ストーリーだと思いますが、お金があれば最後の仕掛けにもっと説得力のある演出が出来たのではと思うと残念です。

投稿者 clint_columbo : 2005年04月13日 21:24

clint_columbo さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

冷静に振り返ると、たしかにお金のかかっていなさそうな映画です。
クライマックスの場面も普通の○○と△△ですからね(笑)。

投稿者 喜八 : 2005年04月14日 15:09

はじめまして。
ダン役のヨアン・グリフィスファンサイトIOANGRUFFUDDdotCOMのRurameiです。
「ギャザリング」がWOWOWで初放映されますので、TBさせていただきました。

どうぞよろしく~♪

投稿者 Ruramei : 2005年06月24日 17:47

Ruramei さん、はじめまして。
トラックバックありがとうございました。
ヨアン・グリフィスさんというのは若いのに風格があって、いい俳優さんですね。
出演作は『102』と『ギャザリング』を観ていますが、まるで別人のようでした。演技力があるのでしょう。
こちらからもトラックバックを送らせていただきます~。

投稿者 喜八 : 2005年06月24日 20:35