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2005年06月28日

『実作俳句入門』

数ヵ月前から俳句を始めました。
インターネットで知り合った方から句会のお誘いをいただいたのがきっかけです。
それ以前には自分が俳句をひねることなど想像もしていなかっただけに、「摩訶不思議、まさに奇縁」と感じ入ることもしばしばです。

奇縁は他にもまだあります。
俳句を始めるにあたって、図書館へ行き「俳句入門」の類の書籍を何冊か借り出してきました。
中でも藤田湘子(1926-2005)という俳人の本が自分には一番合っているように感じました。

まったくの偶然なのですが、この藤田湘子さんは私が参加したインターネット句会の主催者郁摩さんの師匠でもありました(いつもお世話になっております)。
郁摩さんは藤田湘子先生が主催する俳句雑誌「鷹」で長年修行されていたのです。
そんなことはつゆ知らず、図書館で私は湘子先生の『実作俳句入門』(立風書房1993)を読み「これが一番自分に合っている」と感じていました。

きわめて残念なことに、私が俳句を始めてまもなく藤田湘子先生は亡くなりました。
短いあいだですが、藤田湘子さんは私にとって師匠の師匠、つまり大師匠ということになるのです(ちょっと強引ですが)。

以下は藤田湘子先生の『実作俳句入門』からの引用です。
大師匠の文章から学びつつ、俳句という「ゲーム」を堪能したいと思っています。

俳句をつくるのは、誰のためでもない、自分のためだ
極端ないい方になるかもしれませんが、俳句をつくるという作業は、自分の感動に叶ったリズムを考え、言葉を探し出すゲームと言っていいでしょう。
私は「季語のはたらき如何が、一句の成否の五割以上を占めるのだ」と、周辺の人たちに言っています。それほどに、五・七・五という短い言葉の中で、季語のはたらき、つまり季節感、想像力、安定感の果たす役割は大きいのです。
初学の人たちに共通する欠点は、対象のあれもこれもを全部一句の中に抱えこもうとすることです。握ったらはなさない、出すのは舌でもイヤだという欲張りです。
俳句ではだいたい過程を詠おうとしないほうがいい。過程を詠うと俳句は脆く弱くなります。現在只今のところをしっかり見つめて詠う。そうすれば過程はおのずから感じられてくるのです。
写生は俳句の基本です。それが目的ではなく、卓れた俳句をつくるための手段として写生を大切にしなければなりません。
時間を詠うな、空間を詠え
中八に平気でいる人で俳句が上達したためしはない
「孫」の名句はない

投稿者 kihachin : 2005年06月28日 20:22

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トラックバック時刻: 2005年07月04日 11:34

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トラックバック時刻: 2005年08月09日 10:31

コメント

私はヒネクレ者でして、喜八さんからお誘いを受けた時、とりあえず自分で決めた事は、
「基本だけおさえたら、あとは指南書を読まない」
という事だったのです(^^;
季語だけは、把握しないとどうしようもないので、これは、季語の本を買う事にしましたが(笑)。
もともと、気ままに写真をとるのが好きなので、私の作るのも、「写真」に近いような気がしています。
こんな、カンで作っていていいのかとか、たまに思う事もありますが、楽しいですね。

投稿者 とら : 2005年06月28日 23:00

とらさん、こんにちは~。

> 「基本だけおさえたら、あとは指南書を読まない」

それもまた楽しそうです。
「俳句=ゲーム」と考えると、いわゆる「攻略本」を見ないで挑戦するという感じでしょうか。
ただし、誤解を避けるために付け加えておきますが、俳句がゲームというのは、けっして軽んじている表現ではありません。日本語の膨大な語彙を駆使した非常に高度なゲームだと思っています。

> こんな、カンで作っていていいのかとか、たまに思う事もありますが、楽しいですね。

何をするにしても「楽しい」が前提になると思います。
「楽しくなければ何をやっても無駄である」と、かのスティーブン・キングも書いています!

投稿者 喜八 : 2005年06月29日 09:01

色んな事にチャレンジされているんですネ。
こう言うのは僕は苦手です。

五・七・五という短い言葉の中で、季語のはたらき、つまり季節感、想像力、安定感の果たす役割は大きいのです。

しかしナゼ五・七・五なのでしょうか?

投稿者 カリスマホームレス : 2005年06月29日 10:21

三上さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。

> しかしナゼ五・七・五なのでしょうか?

本当に何故なんでしょうね?(笑)
日本の定型詩は長歌から和歌へ、連歌から俳句へと徐々に短い形が主流となってきたのだと思います。これはウォークマンがだんだんと小型化したのと似ているのではないかと思っています(どこかで聞いたような意見ですけれど)。

五音と七音の組み合わせが心地よいというのは、おそらく専門家の研究があるのでしょう。が、一般人の我々は「それが心地よいから」と素直に受け止めておくのがいいだろうと思っています。

投稿者 喜八 : 2005年06月29日 12:05

喜八さん、まさしくそんな感じですよ。
攻略本を見ないでゲームする!
どきどきですが、楽しいんです。
そういえば私は、(ゲーム機用の)ゲームをする時も、なるべく攻略本は見ないでやるたちです(笑)。
先に進めなくなると、見ちゃうんですけれども。

投稿者 とら : 2005年06月29日 22:18

ブログ駆け出しの私としては、イヤハヤ圧倒されるブログです!何百人ものアクセスがあるサイトって驚くのみ!でも私は私でいきます。つたない我がブログ、読んでくださって感謝です。

投稿者 yamayuri : 2005年06月30日 00:58

とらさん、こんにちは~。

> そういえば私は、(ゲーム機用の)ゲームをする時も、なるべく攻略本は見ないでやるたちです(笑)。

私は意志が弱くて、すぐに見てしまいます。
まだ行き詰る前から・・・。(^_^;)
ゲーム攻略本というのは、学校時代の「アンチョコ」に通じるものがありますね。小・中・高校時代はアンチョコはまったく使わなかったのですが、大人になってからゲームで使っています(笑)。

投稿者 喜八 : 2005年06月30日 12:14

yamayuri さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

> 何百人ものアクセスがあるサイトって驚くのみ!

いえ、それは誤解です。(^_^;)
この「喜八ログ」の読者数は多めに数えても1日あたり20人くらいだと思います(本館の「ウエイトトレーニングを楽しむ」はもう少し多いようですが)。

ブログの内容も我ながらショボイと思います(謙遜ではありません。残念ながら(笑))。

yamayuri さんのブログは他の人が書けないような記事ばかりです!
写真のレベルも高いですね。
以前、お仕事で写真を撮られていたのかな~? と思っています。

投稿者 喜八 : 2005年06月30日 12:20

喜八さんが俳句もやられるとは、素晴らしいです。
スポーツと俳句、なんか文武両道というか、晴耕雨読というか、もっとも喜八さんは雨の日でも室内トレーニングを
やっておられると思いますが・・・

「中八に平気でいる人で俳句が上達したためしはない」

は、実は私は「加藤まひと」という名前(うーん限りなく本名というか、本名よりも本人を特定しやすいなぁ)で川柳をやっているのですが、はじめて作って毎日新聞の万能川柳に載ったのが「迷い道近道見つけるチャンスかも」と、見事に中八でした。なぜか、最初の間、できる川柳の句は中八ばかりで、なぜ五・七・五というよりも、なぜ初心者は中八に流されやすいのか、ということがいまだに疑問です。あのコメディアンのレギュラー(二人組)の♪あるある探検隊 も八・五のリズムの繰り返しだし、八・五というのがけっこう身に染みたリズムなのかもしれません。

投稿者 マーヒー : 2005年07月05日 01:14

マーヒーさん、こんにちは。
トラックバックとコメントありがとうございます。

俳句はひょんなキッカケから先日始めたばかりです。
実際に自分で作句してみると、まったくうまく行かないものですね。駄句ばかり続々と生産しています(汗)

ちなみに上の記事で「俳句をひねる」はダメなようです。
「ひねる」のは通人ぶった半可通のやることのやることなのだとか・・・(大汗)。

> なぜか、最初の間、できる川柳の句は中八ばかりで、なぜ五・七・五というよりも、なぜ初心者は中八に流されやすいのか、ということがいまだに疑問です。あのコメディアンのレギュラー(二人組)の♪あるある探検隊 も八・五のリズムの繰り返しだし、八・五というのがけっこう身に染みたリズムなのかもしれません。

これは興味深い話ですね。もしかしたら川柳には川柳のリズムがあるのかな? なんて思ったりもします。
藤田湘子さんは「中八厳禁」だったようです。できるものなら、ご本人に理由を問い合わせてみたいところです(笑)。

投稿者 喜八 : 2005年07月05日 14:13

もう1ヶ月も前にトラックバックして頂いたようで、ありがとうございます。全然気づかずに申し訳ありません。私は俳句はずぶの素人で読むに耐えないものですが、母がこれまで蓄積したものを本にでもしてあげたいのですが本人も嫌がりますのでとりあえずブログにしております。これからもよろしくお願いします。

投稿者 ギャラリー俳句 : 2005年09月07日 09:58

ギャラリー俳句さん、はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。

お母様は本格的に俳句修行をされているという印象です。
とはいえ私自身はごく最近に俳句を読み始めたヘボに過ぎませんけれど。
ブログで俳句を発表するというのは、とてもいいアイデアですね。私もいつか真似してみたいと思います(おそらく10年後くらいになると思います・・・)。

今後ともよろしくお願いします。

投稿者 喜八 : 2005年09月07日 19:54