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2005年07月31日

薬袋

薬袋

わびすけさん(注:女性です)から薬袋の写真を送っていただきました。
最初見たときは「幽霊か?」なんて思ってしまいました(季節にはあっているようですけれど・・・(笑))。

以下はわびすけさんの文章です。

今回は岐阜県に有る「くすり博物館」で撮った物です。
ここは薬草園もありますが、この写真は薬を袋に入れて天井につるして乾燥させて保存する、昔の方の知恵が詰まっています。
子供の頃「越中富山の薬売り」が持ってきてくれる紙風船はとても楽しみでした。

(以下ふたたび喜八)
越中富山の薬売り」。
残念ながら、私は遭遇したことがありません。
子供のころ、祖母(現在92歳で健在)の家に行くと、「富山の薬売りにもらった」という紙風船がありましたから、当時は一般家庭に普通にまわってきていたのでしょう。

その後、社会人となってから、勤務している会社に「富山の薬売りさんが来る」と聞いたことはあります。なんでも総務部で常備している救急箱の薬を定期的に補充に来るという話でした。が、実物の薬売りさんに会ったことはありません。なんでも「ライトバンに乗った普通の営業の人」であったそうです。

このごろ再評価されている民俗学者の宮本常一(1907-1981)は富山の薬売りとよく間違われたと聞きます。
以下、ノンフィクション作家佐野眞一さんの著書『宮本常一が見た日本』(NHK出版、2001)から引します。

宮本は七十三年の生涯に合計十六万キロ、地球をちょうど四周する気の遠くなるような行程を、ほとんど自分の足だけで歩きつづけた。その旅はのべにして四千日におよび、泊めてもらった民家は千軒を超えた。一生の七分の一は旅から旅の毎日だった。よごれたリュックサックにコウモリ傘をつり下げ、ズック靴で歩く姿は、しばしば富山の薬売りに間違えられた。

その昔、富山の薬売りさんは薬をつめたリュックサックを背負って全国をまわっていたのだろうと想像できます。テレビやラジオがない時代、1年に1回(数回?)やってくる薬売りさんがもたらす「外の世界の情報」はさぞかし輝いていたことでしょうね・・・。


投稿者 kihachin : 2005年07月31日 13:16

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実は、医者にかかるのが嫌いなのだ。 なぜって、他人に体をいじられるのがなんだか怖いんだよな。 具合が悪くなったら(滅多にそんなことはないけど)、寝る、喰う、... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2005年08月03日 23:48

コメント

生薬は、乾燥させて保存するというのが世界の常識だったのかな。
私はドイツ、ハイデルベルク城内の薬学博物館を見学した事があります。やはり、薬とする植物は天井からつるして干していたとあり、また、日本の薬酒問屋の箪笥そっくりな、小さいな引き出しがたくさん並んだ、薬やスパイスを入れるためのチェストが展示されていました。
富山の薬売り。実はうちにも、「普通の営業マンのような」富山の薬売りさんがまわってきます。車で来ますが、凄く重そうなトランクをふたつ持ち込み、薬箱の中身を入れ替えてくれるのです。最近は昔ながらの漢方薬(?)のようなのはなさげだったのですが、
「とらさんとこは、胃腸薬って使わないですか?」
「正露丸か毒消し丸だったなあ。西洋の薬はキライで」
というと、
「実は、今でもこういうのがあるんですよ」
と、「はらぐすり」と書かれたものを出してきました。
赤い小さな錠剤になっていますが、なんとなくレトロでした(笑)。

投稿者 とら : 2005年07月31日 14:05

とらさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

> ドイツ、ハイデルベルク城内の薬学博物館

おぉ! 名前を聞くだけでも歴史の重みを感じさせます。
なんだか妙に行ってみたくなりました。
薬学に興味を感じたことなどないのに・・・。

> 富山の薬売り。実はうちにも、「普通の営業マンのような」富山の薬売りさんがまわってきます。

とらさんは現役の「富山の薬売り」さんとお付き合いがありますか!
「凄く重そうなトランクをふたつ持ち込み」の部分の描写に強烈な臨場感を覚えます。
「はらぐすり」は、とてもよく効きそうですね。私はクスリ嫌いなのですが(アレルギーがでることが多いので)、「はらぐすり」だったら、安心して服用することができそうな感じがあります。

投稿者 喜八 : 2005年07月31日 17:37

ハイデルベルク城内の博物館は、なかなか魅力的です。
観光地として有名な場所ですが、薬学博物館は、さほどの見物客でもありませんでした。
他に見るべき観光スポットがたくさんあるからなのでしょう(^^;
昔、薬草を煮詰めたりした作業室なども保存されていました。

ところではらぐすりですが、5月でしたか、ちょっと腹痛を起こしたため、飲用してみました。普段薬をあまり用いないというのもあるのかもしれませんが、よくききましたよ。
子供の頃にうちにあった「毒消し」もどこかで扱っていないかと思っています。
小さな丸薬を10個近くざらざらと飲むのが、なんだか面白かったのです>毒消し

投稿者 とら : 2005年08月01日 19:37

こんにちは。
おもしろい写真ですね。
ところで「富山の薬売り」は岡山が発祥の地だという説があるみたいです。
てほんとなんでしょうか?

投稿者 ハル : 2005年08月02日 11:37

とらさん、こんにちは~。

> ハイデルベルク城内の博物館は、なかなか魅力的です。
> 観光地として有名な場所ですが、薬学博物館は、さほどの見物客でもありませんでした。

「穴場」というわけですね。いつか行く機会があったら、訪れてみることにします。
このごろの私はどうにも出不精になって、海外どころか国内旅行もサッパリという状況です。これではいけませんね・・・(汗)。

> 子供の頃にうちにあった「毒消し」もどこかで扱っていないかと思っています。

「毒消し」ですか!
もしかしたら江戸時代からのロングセラー商品かもしれませんね。
そういう奥ゆかしい薬を家に常備しておきたいものです。

投稿者 喜八 : 2005年08月02日 17:15

ハルさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

> ところで「富山の薬売り」は岡山が発祥の地だという説があるみたいです。

それはまったく知りませんでした・・・。(^_^;)
富山と岡山、たしかに名前は似ていますね(そういう問題ではないかもしれませんが)。
そこでインターネットで調べてみたら次のページを発見しました。

「富山売薬の起源」
http://www.toyama-net.com/drug/body/toyama021.html

> 全ての始まり・・・
富山藩主前田正甫公が、備前岡山の万代常閑を招き、富山の松井屋源右衛門に製法を伝授することになる

本当に岡山が起源となっていました!
ハルさん、よく知っていましたね~。

投稿者 喜八 : 2005年08月02日 17:23

こんばんは。
ほんとだったんですね。びっくり!(書いててなんですが)
「富山の薬売り」が岡山と関係があるってのは確か山陽新聞社発行の「不思議発見岡山の謎!?」て本に書かれてました。
ちなみにこの本は岡山県内以外では手に入らないと思いますけど。
この本読んだ時は「ふーん」と思っただけで、ろくすっぽ読んでなかったです。富山の薬売り自体昔の話だと思ってたんで。
今でもいるんですね。
ところで岡山は薬局、ドラッグストア多いですよ。

投稿者 ハル : 2005年08月04日 01:00

ハルさん、おはようございます。

> ところで岡山は薬局、ドラッグストア多いですよ。

そうなんですか!
きっと薬学の伝統がある地域なんですね。
競争も激しくて、クスリが安く買えるとか?(笑)

ところで『フライト・オブ・フェニックス』の DVD がいよいよ発売されますね。
レンタル店にでたら、早速借りてこようと思っています。
アンソニー・ウォンもしっかりチェックしますよ!

投稿者 喜八 : 2005年08月04日 05:25