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2005年12月05日

ナベツネ氏吼える!

この間竹中に会ったら、「木村剛とは手を切りました」と言っていましたよ。だからいま、僕は竹中とは仲がいいんだ(「渡邉恒雄に佐高信が迫る」より引用)。

引用文中「」は渡邉恒雄読売新聞グループ本社会長です。
竹中」は竹中平蔵総務・郵政民営化担当大臣。
木村剛」は木村剛株式会社フィナンシャル代表・エコノミストです。

講談社発行の月刊誌『現代』2006年01月号の対談記事「渡邉恒雄に佐高信が迫る」からの引用です。副題に「小泉君の本音、安倍君への注文」とあります。自他ともに認める「権力者」ナベツネ(渡邉恒雄)氏が思うがままに持論を開陳しています。

渡邉恒雄・竹中平蔵は誰もが知るビッグネームだと思いますが、木村剛という名前は聞いたことがないという方もいらっしゃるかもしれませんね。かつて小泉純一郎首相は竹中大臣に経済政策を「丸投げ」し、さらに竹中大臣は木村剛氏に「丸投げ」したという風評もあった有名エコノミストです。またブロガーとしてもその名を広く知られています。

この対談の中でナベツネ氏は木村剛氏のことを滅多斬りにしています。「市場原理主義者の罪」としてプロ野球オリックス・オーナー宮内義彦氏をバッサリ斬って捨てたのち、返す刀で「竹中の盟友だったコンサルタントの木村剛」と名指しで攻撃を開始します。

どうやら木村剛氏が金融庁の顧問であったとき、木村氏が社長を務める会社のホームページで「金融庁に不満があれば私のところにどんどん言ってください」と書いたのが、ナベツネ会長のお気に召さないようなのです。次々と厳しい言葉が発せられます。以下、引用文の発言者はすべて渡邉恒雄氏です。

金融庁顧問というのは国家公務員であるのに、その立場を利用しながら、自分の会社の利益に奉仕しているわけです(同記事より引用)。

そしてナベツネ氏は木村氏のホームページ記事をプリントアウトして小泉総理のもとへ持ち込みます。

これをちゃんと読めば、木村というのはこういう男だということがわかる。これで木村を引き込んだ竹中平蔵の人間もわかるぞ(同記事より引用)

小泉首相が総理大臣執務室で読みましょうと答えると・・・。

こんなもの総理大臣執務室で読む必要はない、便所の中で読め。その程度の野郎だ!(同記事より引用)

と凄まじいばかりの勢いなのです。そして冒頭の「この間竹中に会ったら、「木村剛とは手を切りました」と言っていましたよ。だからいま、僕は竹中とは仲がいいんだ」発言へとつながるのです。つまり木村剛が元凶であり、木村と手を切った竹中は悪い奴ではないという理屈です。

ナベツネ氏が問題としている木村氏のホームページ記事は私も読んだことがあります。なぜ「便所の中で読め。その程度の野郎だ!」とまで言われなくてはならないのか? 正直なところ、まったく分かりません。逆に「木村剛という人には誠意がある」と思ったくらいです。

こんなことも考えられます。読売新聞社という巨大情報産業の総帥である渡邉氏のもとには私ごとき一般人の与り知らぬ極秘情報の数々が集まっているに違いない。それらの情報から判断した上で木村剛氏を弾劾している可能性もある・・・。

でも、やっぱり木村剛という人はそれほど悪い人とも思えない。
木村氏の数々の著作を読み込んできた私はそう感じます。

たとえば『投資戦略の発想法 最新版』木村剛、アスコム(2005)は株式投資の入門書としては飛び切りの誠意を感じさせる一冊です。株ビギナーの射幸心をむやみに煽ることなく、株式投資とは何か? が淡々と解説されています。

資産と負債の一覧表をつくって自らの現状を知る。本業で頑張りしっかりとした収入を確保する。無駄遣いをしない。借金をしない。そして2年分以上の生活資金を貯めた後に株式投資を始めろ、というのです。なんとも「堅い!」ですね(笑)。

でも一般人の株式投資ではこの堅さがもっとも大切な要素となりそうです。自らの生活をコントロールすることもできずに、ローリスク・ハイリターンの甘い夢を見る者は、木村氏も指摘するように「早晩破綻の運命をたどることでしょう」から。

経済のことはちっとも分からないけれど株式投資には興味がある」という友人・知人(危ない危ない(汗))にはこの『投資戦略の発想法 最新版』を薦めることにしています。投資だけでなくごく初歩的な経済学の入門書としても読める本です。このような良心的な本を書く木村剛氏はきっと悪い人ではないであろう、と考える私は単なるお人好しの間抜け野郎なのかもしれませんが・・・。


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投稿者 kihachin : 2005年12月05日 20:07

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コメント

こんな記事もありますよ.

竹中平蔵のブレーン、木村剛に捜査の手がせまっとるらしい。
http://www.miyazakimanabu.com/politics/000114.php

投稿者 キムタコ : 2005年12月12日 23:21

キムタコさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

> 竹中平蔵のブレーン、木村剛に捜査の手がせまっとるらしい。
> http://www.miyazakimanabu.com/politics/000114.php

宮崎学さんの記事はすでに読んでおりました。
ナベツネさんの発言と合わせると「何かが起きている」ようですね。
この件は今後も注目していきたいと思っています。

投稿者 喜八 : 2005年12月13日 15:16