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2006年01月18日

『闇権力の執行人』

『闇権力の執行人』鈴木宗男

現在私(喜八)は鈴木宗男衆議院議員を強く支持しています。
政治家鈴木宗男を支持するようになるとは、1年前なら自分でも想像がつかなかったでしょう。当時すでに鈴木さんに対して同情的になりつつあったとはいえ、政治観がまったく異なると考えていたからです。

ところが思いもよらぬほど急速に時代は変化しました(しつつあります)。2005年夏、郵政民営化法案が参議院で否決され、追い詰められた小泉政権は「自爆テロ」的衆議院解散と「9・11」選挙を強行(ちなみにこの解散・選挙は複数の識者により憲法違反の疑いが指摘されています)。

衆院選で鈴木宗男さんの「新党大地」は「反・新自由主義」の姿勢を明確に打ち出してきました。しかも比例名簿第2位はアイヌ民族の民族問題研究者、多原香里(たはらかおり)さん、第3位が母子家庭に育ち不登校体験を持つ大学院生田中いづみさんです。かつてどのような市民派政党・革新政党でもなかったような布陣なのです。「もし辻元清美さんが政党を立ち上げたら同じような形になるのでは?」というのが第一印象でした。

新自由主義」をごく簡単に説明すれば、経済を「市場原理」にまかせ国家による介入を最小にしようという経済思想です。現在のアメリカ合州国では支配的なイデオロギーとなっています。「頑張った者が報われる社会の実現」といった、それだけをとればごく真っ当に聞こえるキャッチフレーズで喧伝されることが多いようです。

けれども実際には新自由主義政策が行き過ぎると、国民間に貧富の差が拡大し社会は不安定化してしまいます。2005年08月末、「ハリケーン・カトリーナ」に襲われたアメリカ合州国ニューオリンズを例に挙げれば、新自由主義下の社会がどのようなものになるのか分かっていただけるかもしれません。

行き過ぎた「新自由主義」は我々が暮らす社会を根底から荒廃させる危険が高いと私は考えます。ところが何ごともアメリカを範とすることの多い「小泉・竹中政権」は積極的に新自由主義政策を実現しつつある。「9・11」選挙で争点となった「郵政民営化」もそのひとつです。「郵政民営化」の次は「国民健康保険」の民営化が噂されています。

たまたま生まれた日本という国に私は強い愛着があります。日本がいい国であって欲しい。「愛国心」というようなことを大きな声で主張しようとは思いませんが、新自由主義的経済政策を野放図に進めようという者たちにはあくまで「ノー」と言いたいのです。

以下は『闇権力の執行人鈴木宗男、講談社(2006)よりの引用です。

「聖域なき構造改革」「小さな政府」というスローガンを掲げる小泉総理の改革路線は、弱者を切り捨て、強い者をより強くすることによって経済を活性化し、日本の国力を上げようというものである。これが新自由主義政策の本質だ。

 では、新自由主義政策を推し進めるとどうなるのか──。都市部の富裕層だけがより豊かになる一方、中小企業や地方在住者、年金生活者、低所得者、少数民族といった弱い立場の人たちはますます弱くなるのだ。

 その結果、格差社会が進むのは間違いない。そして、いちばん影響を受けるのは、次世代の子どもたちだ。どんなに能力があっても、豊かな家庭に生まれないかぎり、その能力を十分に発揮することのできない社会になるからだ。

ところで鈴木宗男さんが逮捕され拘置所に収監されていた頃、友人知人に次のようなことを話したことがあります。「ムネオ氏が将来国政復帰したら、権力内の『悪』をどんどん告発してくれないかな。彼が告発者になったら凄いことになるぞ」。これを聞いた人たちからは一笑に付されました。そもそも鈴木宗男が返り咲くことなどありえないし、万一復帰しても告発者になることなど考えられないというのです。当時としてはごく常識的な判断だったでしょう。

ところがです。かつての私の「願望を交えた空想」がそのまま「現実」化しているといっても過言ではないような状況となっているではありませんか。この事実に気づいたときは驚きました。

『闇権力の執行人』は過去に政権の中枢まで上り詰めた鈴木宗男さんによる「告発の書」です。外務官僚・政治家・学者といった「闇権力の執行人」たちの所業が実名入りで暴露されています。メディアでは「ムネオ vs. 外務省」といったように面白おかしく報道されていますが、その実はきわめて危険な「戦闘」が行なわれているのでしょう。「自分に同じことができるか?」自問自答してみたことがあります。想像するだけで腹の底から深々と冷え込んできて吐き気を催しました。

鈴木宗男さんが凄まじいばかりの闘志の持ち主であることは疑いようがありません。あっせん収賄の容疑で逮捕されブタ箱に437日間ブチ込まれる。進行性の胃癌が見つかり手術。母親の逝去(父親は宗男氏が20代のころに他界)。私自身が同じ体験をしたら、もうすっかり縮み上がって「負け犬」となり、一生浮かび上がれないかもしれません・・・。

ところで本書『闇権力の執行人』には外務省職員(休職中)佐藤優さんの手が入っているように思われます。佐藤優さんの著書『国家の自縛』との共通点が多いのです。そもそも現在の鈴木宗男さんの行動には佐藤優さんの「影」が常に付きまとっているという印象があります。「質問主意書」を利用した外務省告発などはその最たるものでしょう。

現在の鈴木・佐藤の両氏はおそらく「生死をともにする同志」的関係にあるのでしょう。彼らのような危険な男たちを「敵」として戦いたくはないものだ。心からそう思います。

(『闇権力の執行人』鈴木宗男、講談社、2006)


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投稿者 kihachin : 2006年01月18日 20:42

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コメント

 1月25日(水)

 喜八さん、今晩は。昨日は私の「ライブドア・ショック」(その3)にコメントいただきありがとうございました。
  
 上記、ご紹介のあった「闇権力執行人」面白そうですね。読みたくなりました。
 しかし、このところ買っては来るのですが余りにも毎日刺激的な事件が打ち続きそちらに気をとられて、積読ばかりになってしまいます。
 読んだら、またコメントいたしましょう。

 
 

投稿者 蛾遊庵徒然草 : 2006年01月25日 00:40

蛾遊庵さん、こんにちは。
『闇権力の執行人』は非常に興味深い本ですよ。
鈴木宗男さんの「戦い」をマスメディアは「ムネオ vs.外務省」の「私闘」のように過小評価しているようですが、実際には日本の将来を占う意味でも重要な戦闘だと私は認識しています。

投稿者 喜八 : 2006年01月25日 12:23

 喜八さん今晩は。

 今、「ライブドア・ショック」にやられた!(その5)を書き終えたところです。

 そこで一息、炉辺酒をやりつつ、ちょとお伺いしてみました。

 お勧めの「闇権力の執行人」いよいよ面白そうですね。

 アマゾンで注文するとしますか。
 
 ではおやすみなさい。

投稿者 蛾遊庵徒然草 : 2006年01月25日 22:59

蛾遊庵さん、こんにちは。
「ライブドア株注文、買いが売りを上回る」というニュースが流れていますね。
私も買いを入れてみようかなという気に一瞬なりました(笑)。
上場廃止が実際にあるかどうかがポイントになりますが、インサイダー情報を握っているヤカラが暗躍しているのでは? と疑っています。
やはり素人は手をださないほうがよさそうです。
当分、株は「お休み」ということにします。

投稿者 喜八 : 2006年01月26日 13:57

喜八さん、はじめまして!

鈴木氏の本読みました。。
読む数日前に彼の講演を聴く機会があったのですが、確かに少しずつ彼に同情するようになりました。
現在の外務省の体たらくぶりを実名入りで告発されると、今の状態でこの「国」の外交は大丈夫なんだろうかって考えてしまいます。
「保身」を第一に考える人間に本物の外交は出来ないと思いますね。

投稿者 オギノフ : 2006年01月27日 14:28

オギノフさん、はじめまして。

> 現在の外務省の体たらくぶりを実名入りで告発されると、今の状態でこの「国」の外交は大丈夫なんだろうかって考えてしまいます。>「保身」を第一に考える人間に本物の外交は出来ないと思いますね。

鈴木・佐藤コンビの告発は凄いですね。
「もし自分があのように批判されたら・・・」と想像すると冷や汗が流れます。
批判された方たちは「夜も眠れずメシも食えず」といった状態ではないでしょうか(よほどの胆力があれば別ですが)。
また批判を受けた側からも「窮鼠猫を噛む」的な反撃があるでしょうから、鈴木・佐藤コンビだってうかうかしてはいられません。
考えれば考えるほど危険な戦いです・・・。

投稿者 喜八 : 2006年01月27日 15:53

こんにちは。トラバありがとうございます。
本当に鈴木さんのような政治家にはがんばってほしいなと思います。

投稿者 わらべ : 2006年03月12日 15:31

わらべさん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
今後もムネオ氏を勝手連的に応援していきたいと思っています。
今後ともよろしくお願いします!

投稿者 喜八 : 2006年03月14日 13:19