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2006年02月06日

中国人の千円札

以前、近所に住んでいた中国人留学生たちと知り合い、友だちづきあいをしていたことがあります。1995年頃のことです。

彼らは根性がありましたね。昼間は大学(院)へ行って一所懸命に勉強する。夕方から深夜にかけて生鮮食品をあつかう流通倉庫などでハードな肉体労働。家に帰ってまた勉強。平均睡眠時間は4時間というぐあいでした。

学費・生活費を自分で稼ぎ、さらに故郷の家族に仕送りまでしていた人が多かったのです。学生といっても30代前半くらいの人が多かったので、体力的には相当にキツかったはずです。

1995年は阪神・淡路大震災の年でした。ある日、中国の友人たちと3人で町を歩いていると、街角で被災者のための募金運動が行なわれていました。それを見た中国人2人はためらうことなく、それぞれ千円札を募金箱に入れました。

喜八さん、貴方も募金しなくちゃダメだよ!」と激をとばされ、しかたなく(?)私も千円を寄付しました。彼らにとってその金額はけっして気軽なものではなかったでしょう。為替レートを考えると彼らの千円は私の1万円に相当したと思います。

じつは日本人と中国人は日常生活のなかでトラブルをおこすことは少なくありません。中国人とつきあってみて「やっぱり彼(女)らはダメだな」という日本人を何人も知っています(もちろん逆のケースもあるでしょう)。見た目は同じ「東洋人」なのに、多くの点で生活習慣が異なるため誤解を生じやすいのかもしれません。

近年、日中関係は急速に冷え込み「戦後最悪」とさえいわれるようになりました。かつて田中角栄元首相が切り開き、卓球選手たちが大いに貢献した「日中友好」時代がまるで夢のように感じられます。

けれども私は中国人を中国人だからという理由で悪くいう気持ちにはなれません。けっして楽ではない留学生としての生活の中、震災被災者のために千円札を募金に入れてくれた友人たちのことを思い出すと今でも熱いものがこみ上げてくるのです。


投稿者 kihachin : 2006年02月06日 20:35

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コメント

募金について・・最近私の周辺でも「知的障害者」と見られる方の訪問販売「ハンカチセット」で2000円で買ってくださいと少し高いですが寄付の積もりでと言います 車で何人か一緒に回っているようですが
私は買いません 基本的に市や町内を通じて

投稿者 わびすけ : 2006年02月06日 21:27

 今晩は。私も上記のような場合どうも進んで募金箱にお金を入れる気になれません。
 特に街路上の場合、募金の趣旨通りお金が使われるのかどうか瞬時には判別できないからです。
 私とて、職場などで素性のはっきりしている募金には協力やぶさかではありません。
 私も、人に対してその人が何国人だからといって最初から色眼鏡でみることはしません。何国人だろうと、人間には良い人と悪い人のどちらかだとおもいます。
 私事になりますが、私の弟の配偶者は上海の人です。とてもやさしく感じいいです。また従姉妹の子どもも中国でやはり上海の女の人と結婚しています。
 国籍や、人種ではなく気が合って一緒になる、自然でいいことだと思っています。

投稿者 蛾遊庵徒然草 : 2006年02月06日 22:25

わびすけさん、こんにちは~。
コメントありがとうございます。

たしかに募金運動は「怪しい団体」が行なっている場合も少なくないと聞きます。
真面目な団体であっても、募金総額の半分以上を自らの活動費として使う、なんて話もときどき聞きます。
この辺はちゃんと考えたほうがよさそうですね。

投稿者 喜八 : 2006年02月07日 13:14

蛾遊庵さん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。

> 私事になりますが、私の弟の配偶者は上海の人です。とてもやさしく感じいいです。また従姉妹の子どもも中国でやはり上海の女の人と結婚しています。

蛾遊庵さんは中国と縁が深いのですね!
私自身は新中国・親米・親韓国・親フィリピン・親キューバ・親ベトナム・親ナイジェリア・親スリランカ・親ロシア・親ドイツ・親ペルー・親ブラジル(以下続く)です。
もちろん上記の国の人「すべて」を無条件で好きだというわけではありません。
蛾遊庵さんもおっしゃられているように国籍に関係なく自分と気の合う人たちとお付き合いしていきたいと思っています。

投稿者 喜八 : 2006年02月07日 13:15

国籍だけでなく職業など肩書きだけで、その人のなりを見られてしまう事って多いですが、中にはしっかりやっている人もいるのですから、その人の中身を見て、お付き合いしていく事が国籍に関係なく、みなさんで仲良くやっていくためにも必要なのかもしれませんね(*^_^*)

投稿者 ぞう : 2006年02月07日 13:52

今日の夕方のニュースを見ていても、マスコミは、中国や韓国への悪感情を助長させようとしているとしか思えません。
国会であれだけBSE問題や耐震構造偽装やライブドアの野口さんの自殺のことや皇室典範のこと等々の質問が続き、自民党に都合の悪いことだらけだったのに、小泉首相が靖国への参拝を心の自由だと言っていることしかとりあげないなんて。おかしいですね。
私のまちの大学にも中国からの留学生が多いのですが、日本語も上手で、大変優秀な方が多いです。

投稿者 とくら : 2006年02月07日 20:03

喜八さん、こんにちは。
我が職場は、中国どころか、かな~り多国籍化しつつあります。
彼らが最初に入り始めた10年前位は本当にトラブル多発でしたが、ここ数年、少子化にますます拍車がかかってますし、ほんとうに彼ら無しでは職場は運営できない状況です。
最近の傾向として、中国からは18歳とか20歳とかで日本に来る子が多いため、言葉だけでなく感覚的な溶け込みも早いのですね。
その上ハングリー精神まである彼らを見るにつけ、日本人の同世代君たちが不甲斐なく見えてしまう今日この頃です…

投稿者 かむかむわんわん : 2006年02月08日 11:35

こんにちは。いろんなところをたどってこのページに来ました。今北京に住んでます。中国人留学生の話、いいですね。
何よりも、まだまだ中国人に対する偏見が多く、中国人とコミュニケーションを取ろうとしない日本人が多い中で、10年前に既に中国人留学生と交流を持ってらっしゃったという事に感銘を受けました。

実際に中国で仕事をしてみると、彼らは本当にお金に対する執着心がすごい。しかし一方で、上記の募金の話にあるように、とっても人情味が厚い人達だと思います。

こうやって日常の小さな事からも、お互いの国の誤解が解いていければいいですよね。

投稿者 masako : 2006年02月09日 12:42

ぞうさん、こんにちは! (^_^)/

> 国籍だけでなく職業など肩書きだけで、その人のなりを見られてしまう事って多いですが、

「趣味」で判断されてしまうことも少なくないですね。
たとえば筋力トレーニングをしていると「マッチョ志向で見栄っ張り、男尊女卑主義者で頭はカラッポ」なんて思われることが多いような気がします。
とはいえ最後の「頭はカラッポ」以外は私には当てはまりません(笑)。
もしかしたらエアロビクスダンスやバレエをしている男性も偏見の眼で見られることが多いのではないでしょうか?

投稿者 喜八 : 2006年02月09日 13:52

とくらさん、こんにちは~。
近隣諸国、しかも東洋人同士がいがみあってもトクなことはまったくないと思うのです。
トクするのは「ジャパンハンドラーズ」だけでしょう。
「分割して統治せよ」
植民地支配のもっとも基本的な原則です。
こんな単純な手にひっかりたくはありません。

投稿者 喜八 : 2006年02月09日 13:53

かむかむわんわんさん、こんにちは~。
コメントありがとうございます。

外国人労働者が必要不可欠という職場は増えていますね。
うちの近所の小さな鉄工所でも主力は南米やフィリピンからきた若者たちです。
仕事が非常にキツイのでハングリー精神と体力のある外国人しか耐えられないのだそうです。

> その上ハングリー精神まである彼らを見るにつけ、日本人の同世代君たちが不甲斐なく見えてしまう今日この頃です…

日本もまた次の世代になると猛烈にハングリーで怒れる若者が出現するような気がします。
いまの日本の経済政策は意図的に「下層階級」をつくっていますからね(これはアメリカの「猿真似」です)。
でも彼ら彼女ら「下層階級」がいつまでも黙って耐えているとは思えません。

投稿者 喜八 : 2006年02月09日 13:57

masako さん、はじめまして。
北京からの書き込みですか! ありがとうございます。

> 実際に中国で仕事をしてみると、彼らは本当にお金に対する執着心がすごい。しかし一方で、上記の募金の話にあるように、とっても人情味が厚い人達だと思います。

いろいろな国の人と接してみて思うのは「やはり東洋人同士は(比較的)気楽だな」ということです。
そのほかにも南米の人(特に先住民系の人)やスリランカの人もなんとなく親しみがもてます。
北米の白人は「俺が俺が」という感じの人が多くて疲れます。
なんて人種差別的発言かもしれませんが・・・(汗)。

今後ともよろしくお願いします~。

投稿者 喜八 : 2006年02月09日 13:58