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2006年02月13日

佐藤優さんを応援します

当ブログは佐藤優さんを応援します。
「当ブログ」といっても記事の書き手は今のところ私(喜八)ひとりですから、正確には「私は佐藤優さんを応援します」です。

佐藤優さんは1960年埼玉県生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、1985年に外務省入省。三等書記官を経て国際情報局分析第一課主任分析官(現在は起訴休職中)。衆議院議員鈴木宗男さん関連の事件に連座し2002年05月に背任・偽計業務妨害の容疑で逮捕され、512日間にわたり拘留されました。2005年02月執行猶予付き有罪判決を受け即時控訴。保釈後に出版された『国家の罠』新潮社(2005)がベストセラーとなり、著者の佐藤さんも「情報の専門家」として一躍脚光を浴びることとなりました。

佐藤優とはいかなる人物なのか?
さらに解説をかさねてみます。

  • 外交官であり、スパイであり、学者でもある。
  • 鈴木宗男議員らとともに北方領土を「本気で獲りに行った」が、失敗した。
  • ロシアで政治家・官僚・実業家・学者・言論人・宗教家・公安関係者・マフィアなど広い人脈をもつ。
  • イスラエルのモサド、アメリカ合州国CIAなど各国の諜報機関とも連絡を取り合っている。
  • ロシア語・チェコ語・アルメニア語・アゼルバイジャン語・英語に精通。
  • 東京大学・モスクワ大学などで教鞭をとったことがある。
  • キリスト教徒(プロテスタント)である。チェコの神学者ヨセフ・ルクル・フロマートカ(1889-1969)の強い影響を受けている。
  • 無尽蔵のエネルギーをもつワーカホリック(仕事中毒)。
  • 手紙魔・メール魔(らしい)。
  • 酒はかなり強い。
  • 新自由主義な経済政策に反対している。
  • 排外主義的ナショナリズムに反対している。

ひとことで言えば「不思議な人物」です。日本の歴史を眺め渡しても佐藤氏のような人はあまりいないと思われます。「怪しい人」だとは言えるでしょう。なにしろ自ら「スパイ」を名乗っているのですから(笑)。スパイであるからには「腹黒い人」である可能性も高そうです。と同時に「誠実な人」であるようにも見えますし、子供っぽい部分もあるかもしれません。

私(喜八)が佐藤優さんを応援する最大の理由は彼が新自由主義的な世界観を強く否定しているからです。佐藤氏が軍師役をつとめると見られる鈴木宗男さんの最近の発言には「新自由主義に反対する」という意見表明が頻繁にはさまれます。これは佐藤優氏の思想に鈴木議員が深く共感していることの現れだと私は考えています。

ただし「新自由主義」というのはなんだか分かりにくいですね。経済学を学んだことのない方にはチンプンカンプンではないでしょうか。新自由主義とは手っ取り早くいえば「大企業や大金持ちがさらに儲けることを助ける思想」であり、アメリカ合州国から世界中に向けて発信され続けるイデオロギーなのです(もちろんいま現在も)。

国家はマーケット(市場)になるべく介入しない。市場のことは「市場原理」にまかせる。つまり強い者が弱い者を食い尽くす「弱肉強食」原理を認める。そうすれば市場は最高に効率的となり、すべてはうまくゆく(めでたしめでたし)。このような新自由主義イデオロギーに心を奪われている経済学者・エコノミストがアメリカや日本には少なくありません。

けれども新自由主義的な経済政策の有効性が現実のマーケットで証明されたことはありません。その意味では新自由主義は「あやしげな迷信」あるいは「悪意に満ちたプロパガンダ」と見なされても仕方ないシロモノではあります。実際に新自由主義的政策を推し進めると国民のあいだで貧富の差が極端に広がり社会はきわめて不安定なものとなる可能性が高いのです(アメリカ合州国はすでにそのような状態になっています)。

最近は日本でも「勝ち組・負け組」という二分法が大流行ですね。また「経済格差」もにわかに注目を浴びています。これらは新自由主義的な考え方と密接な関係がある言葉です。「郵政民営化」もアメリカの新自由主義勢力が日本につきつけた「無理難題」ですし、アフガニスタンやイラクで無法な侵略戦争を行なうのも新自由主義政策の「当然の帰結」だといえるでしょう。世界は新自由主義に蚕食され続けています・・・。

このように世界を根底から荒廃させる危険のある思想(新自由主義)に断固とした反抗の姿勢を見せる佐藤優氏。非常に高い能力と胆力をもった佐藤氏は反・新自由主義陣営にとってはまさに心強い味方「グレート・ウォーリアー」なのです。それで私は佐藤氏を強く支持するのです。ある意味で佐藤優氏は市民社会にとっての「宝」であるということができるでしょう。

ところで佐藤優氏自身は新自由主義的弱肉強食の社会でも充分にやっていける人なのですね。彼ほどの能力と実績があれば「評論家・識者」として荒稼ぎするなどいとも簡単なことでしょう。表向きは日本やアメリカの権力者を批判するようなポーズをとりながら、本質的な部分では権力に迎合する。テレビ出演して名前と顔を売りこみ、企業や業界団体などが主催する講演会を精力的にこなして(1回ごとに)数十万~数百万の講演料を懐に入れる(佐藤氏は非常に能弁です)。さらには定収入を確保するためどこかの私立大学教授の地位を確保しておくといいかもしれません(笑)。

以上は経済効率から見て「最適」と思われる「文化人ビジネスモデル」です。が、佐藤氏がこのような道をとることはありえないでしょう。つまり佐藤優氏は「損得」で動く人間ではない。かく考えるほどに私は佐藤氏に信頼を寄せています(期待しすぎかも?)。当ブログは今後も佐藤優氏を応援し続ける予定です。


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投稿者 kihachin : 2006年02月13日 20:39

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コメント

全然関係ない内容ですが,佐藤勝さんと内橋克人さんで少し共通するものを感じたので,TBさせていただきました.

投稿者 はじめの一歩 : 2006年02月13日 22:24

こんにちは、はじめまして。
数ヶ月前より、勝手にリンクさせていただいています。
佐藤優氏は、今最も興味のある人物です。
もう惚れてます。笑

投稿者 おごんち : 2006年02月14日 08:56

はじめまして。
宮崎学さんのメルマガ直言つながりでTBさせていただきました。
もしだめだったら消してくださいね。

投稿者 ゆうたま : 2006年02月14日 11:54

はじめの一歩さん、はじめまして。
コメントとトラックバックをありがとうございます。

偶然ですが内橋克人さんの本を最近何冊か読みました。
『もうひとつの日本は可能だ』光文社、『経済学は誰のためにあるのか 市場原理至上主義批判』岩波書店などです。
内橋克人さんの新自由主義批判は鋭いですね。
内橋さんから学ぶところはまだまだありそうです!


投稿者 喜八 : 2006年02月14日 17:18

おごんちさん、はじめまして。

> 佐藤優氏は、今最も興味のある人物です。

同感です!
ただし私は惚れてはいません(笑)。

今後ともよろしくお願いします~。

投稿者 喜八 : 2006年02月14日 17:19

ゆうたまさん、こんにちは。
コメント&トラックバックありがとうございます!

植草一秀先生のことは私もひそかに応援しています。
「あの事件」はどう考えてもおかしいですね。
以後よろしくお願いします。m(__)m

投稿者 喜八 : 2006年02月14日 17:20

喜八さんTBありがとうございます。「佐藤優さんを応援します」とてもいい佐藤さんの照会文ですね。
講演会の後佐藤さんがどなたかにメールアドレスを書いて渡していましたが、ちょっと「私にも教えてください」とはいえませんでした。そうですかメール魔ですか。残念。
ところで、
「新自由主義的な経済政策の有効性が現実のマーケットで証明されたことはありません」の部分ですが、私の考えでは「社会のありかたを経済性や効率という単一軸でしか判断せず、それは規制を排して市場の見えざる手にゆだねるのがいい」という原理的市場主義=新自由主義は「最大多数の最大幸福を実現しているか、人間を幸せにするか」というような根本的価値観で判断・批判すべきもので、「マーケットで証明される」のではないように思えます。マーケットではwinner takes allでハゲタカが有効性証明済みなのでしょう。
内橋克人氏、森田実の時代を斬るで読者からのメールで紹介されていましたが「すり替えられた規制緩和」の文言でネット検索すると、
岩波ブックレット458
「規制緩和 何をもたらすか」の全?文章が出てきます。
98年のものですが大変参考になるおもしろい文章です。
ただ、内橋氏は別のところでもう一つの道という言い方で市民主義的なもの?を提唱されているようですが、私は森田氏や菊池英博氏(文藝春秋3月号)のような公共事業必要論のような力強さが必要とおもいます。

投稿者 日暮れて途遠し : 2006年02月14日 21:25

喜八さん、こんばんは。
TB有難う御座います。
私も佐藤優さんにはかなり期待しています。
人物的にも興味深く、著書も面白かったですね。
元を正せば喜八さんの紹介で本を買ったのがきっかけですね。
有難う御座いました。
今後もその動向を私も追っていこうと思います。

投稿者 田舎の神主 : 2006年02月15日 00:04

日暮れて途遠しさん、こんにちは
コメントありがとうございました。

> 「新自由主義的な経済政策の有効性が現実のマーケットで証明されたことはありません」の部分ですが、私の考えでは「社会のありかたを経済性や効率という単一軸でしか判断せず、それは規制を排して市場の見えざる手にゆだねるのがいい」という原理的市場主義=新自由主義は「最大多数の最大幸福を実現しているか、人間を幸せにするか」というような根本的価値観で判断・批判すべきもので、「マーケットで証明される」のではないように思えます。マーケットではwinner takes allでハゲタカが有効性証明済みなのでしょう。

おっしゃる通りです。
当該の箇所は私も執筆中に「なんだかヘンだな?(論旨が曖昧)」と感じていました。
「市場原理派の人に突っ込まれるかな?」とも思っていました。
今後もし突っ込まれたら日暮れて途遠しさんの論考を使わせていただきます(笑)。

佐藤さんがメール魔というのはウワサです。
私自身が確認した事実ではありません(私も佐藤さんのメール・アドレスは知りません)。
日暮れて途遠しさんが直接本人に訊けば教えてくれるのではないでしょうか。

> ただ、内橋氏は別のところでもう一つの道という言い方で市民主義的なもの?を提唱されているようですが、私は森田氏や菊池英博氏(文藝春秋3月号)のような公共事業必要論のような力強さが必要とおもいます。

内橋克人さんは「オルター・グローバリゼーション」の考え方に共鳴されているようです。
↓参考文献です。内橋さんの本で紹介されていました。

『オルター・グローバリゼーション宣言 もうひとつの世界は可能だ!もし…』
スーザン・ジョージ著
杉村 昌昭訳
真田 満訳
税込価格 : \2,100 (本体 : \2,000)
出版 : 作品社
サイズ : A5判 / 329p
ISBN : 4-87893-682-7
発行年月 : 2004.8

投稿者 喜八 : 2006年02月15日 12:11

田舎の神主さん、こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
ブログはいつもしっかり拝読させていただいています。

佐藤さんの言葉で印象的だったのは「いまは『右』と『左』で争っているようなときではない」「日本の国にとっていいことは何でもやろう」です。
アメリカ合州国の「忠実なエージェント」小泉・竹中政権がのさばっているかぎり、細かい(?)違いは棚上げにして共闘していきたいと思っています。

投稿者 喜八 : 2006年02月15日 12:13