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2006年07月23日

『「投資バカ」につける薬』

『「投資バカ」につける薬』山崎元

「投資バカ」につける薬』著者の山崎元(やまざき・はじめ)さんは1958年北海道生まれ。東京大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社。以後、信託銀行・証券会社・投資運用会社・シンクタンクなど12回の転職を経て、現在は楽天証券経済研究所客員研究員・マイベンチマーク代表取締役・一橋大学大学院非常勤講師。著書に『ファンドマネジメント』金融財政事情研究会(1995)、『お金がふえるシンプルな考え方』ダイヤモンド社(2001)などがあります。一口で言えば「証券投資のプロ」です。

山崎元さんによると「投資バカ」とは「投資について何も知らない人」のことではありません。むしろマネー雑誌などを読んで研究を怠らないような「意識の高い」人こそが「投資バカ」と呼ばれるべきなのだそうです。具体的には以下のような人たちです。

・・・などなど。かなりキビシイですね。

 生命保険や投資信託はもちろん、金《きん》投資からプライベートバンク、外貨預金に至るまで、いま日本の金融機関が提供している商品にはろくなものが見当たりません。なぜなら、そのほとんどは、顧客のお金を効率よく運用するという合理的なニーズを反映したものではなく、単に顧客の目先を変えさせたり、売り手の儲け(主に手数料など)を隠したりすることを目的に設計されているからです。

上記は『「投資バカ」につける薬』131頁からの引用です。投資信託・外貨建て金融商品・デリバティブ商品などを含むあらゆる「運用商品」は、収益を売り手と顧客で分かち合う構造になっています。売り手の儲けは買い手の損になるのであり、売り手と買い手の双方が儲かるようなケースはまずありません。

つまり「投資バカ」とはプロの売り手に「カモにされている」われわれ一般投資家のことなのです。

本来「プロの売り手」側の人間であるはずの山崎元さんは、これまでも売り手側のモラルの低さを指摘し続けてきました。信託銀行業界に蔓延する不法行為を匿名記事という形で内部告発した際は、それが転職する要因になったそうです。

歯に衣着せぬ人、妥協のない人、変わり者、一匹狼という印象の強い山崎さんですが、きわめて高い倫理観をお持ちの方だとお見受けしました。プロの売り手側から見れば、一種の「裏切り者」となるのかもしれませんが、一般投資家にすれば貴重な「味方」です。山崎元さんの著書とブログはとびきり有益な情報の宝庫だと私(喜八)は思います。

(『「投資バカ」につける薬』山崎元、講談社、2006)


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投稿者 kihachin : 2006年07月23日 20:06

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