【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« 10-07~10-13の運動記録 | メイン | komichi さんのメッセージ »


2006年10月13日

『ワイルド・アパッチ』

バート・ランカスター in 『ワイルド・アパッチ』

映画『ワイルド・アパッチ(原題:Ulzana's Raid)』ロバート・アルドリッチ監督、バート・ランカスター主演(1972)について。

ストーリー》アメリカ先住民アパッチ族の指導者ウルザナが部下たちとともにアリゾナ州の「居留地」から逃亡した。ウルザナらアパッチ戦士たちは白人植民者を襲撃し、略奪・暴行・虐殺を繰り返す。アメリカ合衆国騎兵隊は、ベテラン斥候のマッキントッシュバート・ランカスター)の案内のもと、ウルザナたちの討伐に乗り出した・・・。

感想》原題の『Ulzana's Raid』は「ウルザナの襲撃」という意味です。『北国の帝王(原題:Emperor of the North)』(1973)、『ロンゲスト・ヤード(原題:The Longest Yard)』(1974)、『攻撃(原題:Attack)』(1956)など、「男っぽい」映画を撮らせたら天下一品のロバート・アルドリッチ監督作品。

アルドリッチが最盛期に撮った1本ですが・・・、いま観るとなんだかモヤモヤとした気分になります。「略奪・暴行・虐殺を繰り返すアパッチ」という設定が素直に受け取れないのです。「アパッチ戦士が狼藉を働いたのは歴史的事実かもしれないが、その前段階として白人による先住民大虐殺=ジェノサイドがあっただろう」と思ってしまう。

もっとも『ワイルド・アパッチ』の実質的プロデューサは、かのバート・ランカスターですから、「アパッチ=悪、白人=善」というような単純な図式の映画ではありません。それなりにバランスは取れています。が、「それでも・・・」と感じてしまいます。

この映画が製作公開されたのはベトナム戦争が泥沼化した時期です。そのためか「悪いのは有色人種=白人は悪くない」という自己正当化と厭戦的な気分が混じり合って、なんともすっきりしない作品に仕上がってしまったような気がします。

ただし、バート・ランカスターは(いつもながら)素晴らしい! 先住民女性とともに暮らす白人中年ガンマンを味わい深く演じきっています。バート・ランカスターはアクション派・肉体派俳優と評価されることが多いようですが、大変な演技派だし知性溢れる繊細な俳優であったと私(喜八)は思っています。


(『ワイルド・アパッチ』ロバート・アルドリッチ監督、1972)


関連ページ



投稿者 kihachin : 2006年10月13日 20:27

« 10-07~10-13の運動記録 | メイン | komichi さんのメッセージ »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/849

このリストは、次のエントリーを参照しています: 『ワイルド・アパッチ』:

» 新日本の建設 from 晴耕雨読
一、建設の目標 敗戦によって、日本はこの狭小な国土に八千万の人口を養わねばならなくなった。しかもそれは辛うじて生存を維持するのではなく、すばらしく健康な身体を... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月13日 21:42

» いまラジオが面白い(ただし限定・広島の人だけ) from 石橋を叩いても渡らないかも?
どこから仕事でどこまでプライベートなのかわからない日々に追われている毎日ですが、世相を入手するにもテレビを見る暇もない (ではなくて見ないか?)ので、ネットか移... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月13日 22:04

» 金大中前大統領の死刑廃止論 from 薫のハムニダ日記
先日、日本にいらっしゃるおぜう様から「本場の韓国料理を食べたい」と申し付けられましたが、あいにく、その時期は韓国の旧盆で、航空券も手に入らず、またおぜう様が宿泊... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月13日 22:12

» 「多数と匿名の暴力」に抗するためのメッセージ(2006年10月版) from 嗚呼、負け犬の遠吠え日記
 いわゆるコメントスクラムなど、ネットの特性を悪用し、自分の気にくわない言論をするサイトに集団で攻撃を加えるという、卑劣な行為を行う人たちが、現在でもあっちこっ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月14日 00:46

» 戸坂 潤 『日本イデオロギー論』 (岩波文庫青版) from Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen
 高校時代,書店で岩波文庫の新刊を漁っていると,不思議な題名の本に出会った。『日本イデオロギー論』? 読み進めると,どうも戦争中に書かれた本らしく,著者は治安... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月14日 20:27

» 金儲けと政権維持のための軍備・戦争を許して殺人鬼になるか否か、日本国民はその瀬戸際にいる。 from どこへ行く、日本。(安倍とマスゴミの動向に要注意!)
今回の北朝鮮の、本当にやったかどうかもわからない「核実験」によって、日本は、 「安倍政権=ナチス、マスゴミ=ゲッペルス宣伝相、北朝鮮国民・在日=ユダヤ人」... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年10月15日 03:30

» 有色人種の数を減らす白人 from 右派社民党公式ブログ
白人は発展途上国の予防接種に避妊薬を混ぜて人口が増えないよう画策しているそうですhttp://benjaminfulford.typepad.com/benja... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年03月27日 19:13