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2006年11月12日

『虚像に囚われた政治家小沢一郎の真実』

『虚像に囚われた政治家小沢一郎の真実』平野貞夫

長年にわたり「自他ともに認める、小沢一郎の「側近」、あるいは「参謀」」を務めてきた平野貞夫(評論家・元参議院議員)による小沢一郎論です。

小沢民主党代表といえば「豪腕」「傲慢」「強引」「わがまま」といったネガティブ・イメージが付きまとってきましたが、『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』を通読すると、そういった小沢一郎像がはたして真実だったのか、大いに疑問に感ぜられてきます。平野が描く小沢は東北人らしく頑固一徹で「世渡りの下手な性格」ではあるけれど、同時に「話せばわかる男」でもあるのです。

この「話せばわかる」ということを平野貞夫氏はかなり重要視しているようです。平野の政治的師匠ともいえる故・前尾繁三郎のことも「前尾議長は「話せばわかる」タイプだった」と評しています(『昭和天皇の「極秘指令」』平野貞夫、講談社、2004、184頁)。ちなみに前尾繁三郎は「憲政史上最高の名議長」「昭和天皇がもっとも信頼した政治家」と言われた人物です。

とはいえ平野貞夫による「話せばわかる」は一般的な意味とはちょっと(かなり?)ずれているかもしれません。上っ面を撫でるような一通りの「話せば」ではない。真っ向から大激論を展開し時には大喧嘩をしてお互いに裸になってぶつかり合うことが、平野による「話せば」なのです。本書『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』にも、小沢・平野の喧嘩口論のエピソードが幾度となく登場します。

小沢一郎は大激論や喧嘩をしても、相手の言い分を理解して納得がいけば、後を引かずにさっぱりと水に流せる性格であるらしい。そればかりか自分から(目下の)喧嘩相手に気をつかって関係を修復するようなこともするというのです。小沢一郎は「ぶつかり合った後に胸襟を開くという、人間として当たり前のことができる男」。いずれにせよ、何度も本気で喧嘩をしながら「兄弟のような付き合い」を続ける小沢・平野の関係は羨ましい。

虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』を読んで強く感じたのは、「小沢一郎・平野貞夫は本気の本気だな」ということでした。来年(2007)の参院選に向けて、それこそ命懸けで「政界再編」を仕掛けている。現在の小沢民主党は「万年野党」に甘んじて見せ掛けのファイティング・ポーズをとる政党ではありません。

55年体制」以降、あまりに長期間にわたって政権交代がなかったことが日本政治を極度に劣化させてきた。「このままでは、日本の行く末は暗澹たるものだ」ということを誰よりも熟知している小沢一郎と平野貞夫。この2人が政権交代に向けて愚直なまでの大攻勢を実行している・・・。当分のあいだ小沢・平野からは目が離せません。



(『虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実』平野貞夫、講談社、2006)


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投稿者 kihachin : 2006年11月12日 20:18

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