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2007年01月05日

『アメリカの日本改造計画』

佐藤優氏

ノンフィクション作家関岡英之さん編集の『アメリカの日本改造計画』に佐藤優起訴休職外務事務官と関岡英之氏の対談が掲載されています(同書32-60頁)。この対談から佐藤優氏の発言を以下に引用します。

まずは佐藤氏が「「親米保守」という概念が日本で成り立つかどうか」と提起して自らその設問に答えている部分です(同書36-38頁、引用文中「」は佐藤優氏)。

結論から言いますと、私は親米保守という考え方は、非常に特殊な事情のもとにおいてしか成り立たないと思います。それは東西冷戦です。冷戦期には旧ソビエト連邦という現実的脅威が存在した。その後、時代が根本的に変化したにもかかわらず、いまだに日本は冷戦時代の思考法で動いています。

次は「「親米保守」の自己矛盾」という小見出しの後の考察(38頁)。

 冷戦期には、ソ連や中国の共産主義が日本に浸透し、日本の国体を破壊するかもしれないという現実の脅威がありました。共産主義はイデオロギーですから、対抗イデオロギーとしての反共主義があります。その反共主義を担保していたのがアメリカの存在です。この回りくどいメカニズムを前提としたうえで初めて「共産主義の脅威があるのだから、反共主義の中心であるアメリカと手を握る」というロジックで「親米保守」が成り立ちうるわけです。

そして部分的な結論(39頁)。

 日本の保守なら、本来「親日保守」でなければならない。アメリカにおける保守なら、親米保守しかありえないんです。同様に、中国では親中保守、ロシアでは親露保守。

「まったくその通り!」と叫びたくなるような論理展開ですね。
さすがはラスプーチン佐藤優!

ところが、日本には「とにかくアメリカ様にひたすら従っていれば間違いなし」とでも言いた気な「親米保守」が溢れ返ってます。「米国が一番、日本は二番」保守とでも呼べばいいでしょうか(言うまでもなく「蔑称」です)。彼ら彼女らが本物の「愛国者」であるとはどうしても思えない。

もちろん本物の愛国者である「親日保守」日本人も存在します。しかし、どうも「親日保守」は主流に成りえていないような気がする。それどころか「冷や飯を喰わされている」のが実情ではないでしょうか。そして「米国が一番、日本は二番」保守がやたらに幅を利かせている。なんともねじれ切っているのが我が祖国日本の現状ではないか(とほほ)。

佐藤優氏と関岡英之氏の対談は内容がみっしり詰まっている上にボリュームもたっぷりですから、ぜひとも『アメリカの日本改造計画』を手にとって読んでみてください。そのほか本書には以下のようなコンテンツが含まれており、なんともお買い得な一冊となっています。

ただし、謎の憂国者 さんも以前おっしゃっていたように『アメリカの日本改造計画』には「一部に左派系思想の方々にとってアレルゲンとなる文章も含まれて居ますr のお勧め書籍)」。そこのところは「人生いろいろ。意見もいろいろ」と大らかに受け止めるのが cool な大人のやり方かと(笑)。「右」も「左」もノンポリも共存できるのが健康な社会というものでしょう。仮に「100%右」あるいは「100%左」なんて国があったら、おっかな過ぎます。

(『アメリカの日本改造計画』関岡英之編、イースト・プレス、2006)


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投稿者 kihachin : 2007年01月05日 20:04

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