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2007年02月15日

天木直人氏は「左」か?

天木直人のブログ

それは違うでしょう。って、いきなり結論ですが(笑)。

少なくとも、私(喜八)から見た天木直人(あまき・なおと)元レバノン大使は「左」ではありません。伝統保守の立場から政権批判・米国追従批判を行なっている人、「日本憂国右派」のひとり、が天木直人氏ではないでしょうか。

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何故こんなことを言うかといえば、しばらく前に「保守主義者」を自認する知人の「天木直人氏はどう見たって『左』だよね」という発言を耳にしたからです。瞬時に「それは違う」と思いました。私の判断するところでは「天木直人氏はどう見たって『右』」なのです。

仮に「権力を批判する者はすべて『左』である」という理屈が成り立つのなら、故・三島由紀夫氏や野村秋介氏も「左」ということになってしまいます。いくらなんでもそれはおかしいですね。 友好ブロガーを例にとれば、山崎行太郎さんや三輪耀山さんも「左」? そうではないでしょう(笑)。

権力を批判する人に「左」というレッテルを貼り付けて弾圧し、その言論を封殺する。こういうやり口があることはよく知っています。70年ほど前の日本でも大流行した手法です。その結果がどうなったかは皆さんよくご存知ですね? 中学・高校の歴史教科書を大雑把にでも読めば、言論封殺がいかに「この国のありかた」を歪めたかはっきり分かります。

天木直人さんに話を戻しますと、正直なところを言うなら、私(喜八)は天木さんが(ちょっとだけ)苦手です。私のようなだらしなくて適当な人間からは、天木氏は真面目過ぎるように見えてしまうのです。なんだか一種の威圧感を覚えてしまうのですね(汗)。

けれども天木直人さんが正真正銘の「義人」であることは疑っておりません。日本の歴史に確実に名を残す「義挙」をなした人。これが天木直人氏だと思っています。

2003年のイラク戦争開戦前後、駐レバノン日本国特命全権大使であった天木直人氏は川口順子外務大臣(当時)および全在外公館にイラク戦争に反対する意見を書き綴った公電を送信。これを理由に外務省大臣官房長から詰問を受け、竹内行夫外務事務次官(当時)の署名入り「勧奨退職」を通告される。

イラク戦争に際して公然と反対意見を述べて職を辞した日本の官僚・政治家・公職者はいったい何人いるのでしょうか? 私は天木直人氏しか知りません(私が知らないだけで他にもいるのかもしれませんが)。

トニー・ブレア首相が米国の武力行使を積極的に支持したイギリスでさえ、閣僚の辞任が相次いだのです。それが我が国においては小泉純一郎首相(当時)が手放しで米国支持を表明したのを始め閣僚は誰も彼も「米国追従」以外の選択肢など思いもよらぬとばかりの醜態をさらすのみ。日本人のひとりとしてあれくらい恥ずかしかったことはないですね。

それだけに天木直人氏が大使の職をかけて「イラク戦争反対」の声を上げたという事実を知ったときは驚きました。もちろん「嬉しい驚き」でした。「日本人ここにあり!」と誇らしい気持ちにさえなりました。

天木大使が「イラク戦争反対」の声を上げたのは、第二次大戦開戦前夜に「六千人の命のビザ」を発行して約6000人のユダヤ人の生命を救った在リトアニア日本領事館領事代理・杉原千畝(すぎはら・ちうね、1990-1986)の業績に比肩されるべき行為でしょう。後世の日本人は「天木直人というレバノン大使がいた」という歴史的事実を大いに誇りに思うようになるはずです。

杉原千畝・天木直人の2人の外交官は日本が世界に誇るべき「義人」です。しかし、両人ともに外務省から「石をもて追われるごとく」に放逐された。杉原千畝氏が亡くなってから20年以上経った現在でも杉原氏の業績を矮小化し貶《おとし》めようという言説が後を絶たない。外務省周辺から生じるそれらの買弁・売国的言説に惑《まど》わされず、杉原千畝・天木直人の業績を正しく評価することは、歪んだ「この国のありかた」を正してゆく作業の重要な一端となる。私はそう確信しています。


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投稿者 kihachin : 2007年02月15日 12:18

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