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2007年03月11日

石原慎太郎、同志を裏切った男

「同志を裏切った男」それは石原慎太郎都知事です。

「血の誓約」で結ばれた同志を、一番肝心な場面で裏切った。それが石原慎太郎なのです。

石原慎太郎が裏切った「同志」とは、自民党「青嵐会」の面々でした。いまでは「青嵐会」の名を聞くことも滅多にないので、以下簡単に説明します。

「青嵐会」は1973年に自民党内若手議員らによって結成されました。中川一郎(1983年に自死、鈴木宗男の政治的師匠)らを代表世話人として、自民党各派閥にまたがった31人のメンバーからなる政策集団でした。石原慎太郎はこの「青嵐会」の幹事長であり、「青嵐会」という名前も石原によって命名されたといわれています。

中川一郎・藤尾正行・渡辺美智雄・湊徹郎・玉置和郎を代表世話人とし、幹事長・石原慎太郎、座長・中尾栄一、事務局長・浜田幸一。この陣容からマスコミからは「極右」「タカ派」集団と評されていました。また、結成時には各人がナイフで指先を切り「血判」を捺《お》して同盟を誓ったことでも知られています。

「青嵐会」結成の動機となったのは田中角栄による「日中国交正常化」だといわれています。太平洋戦争終了後、中国は「国共内戦」を経て、毛沢東の「中華人民共和国」と蒋介石の「中華民国(台湾)」に分かれました。そして戦後の日本は「中華民国(台湾)」のみを正統な中国政府として認めていました。

けれども「日中国交正常化」により日本政府は「中華人民共和国」と国交を回復。同時に、それまで国交のあった「中華民国(台湾)」には断交を通告。これに対して「正義もクソもあったものじゃあない(浜田幸一)」と怒りを覚えた自民党議員たちが集ったのが「青嵐会」でした。

ところが、石原慎太郎は肝心かなめの瞬間に「青嵐会」同志をあっさり裏切ったのです。

1978年、福田赳夫政権(当時)によって「中華民国(台湾)」との平和条約が破棄され、「中華人民共和国」との平和友好条約が結ばれました。この平和友好条約を採択した「国会本会議」に先立って行なわれた「外交委員会」の採決で、石原慎太郎は「賛成起立」しました(明白な背信行為です)。自民党から共産党までの圧倒的賛成多数による可決に反対したのは、やはり「青嵐会」に所属していた中山正暉ただ1人。

その後行なわれた衆議院本会議に石原慎太郎は欠席(早い話が「敵前逃亡」ですね)。この衆院であくまで反対を貫いたのは林大幹・浜田幸一・中山正暉の3人のみ(ともに「青嵐会」)。参院では玉置和郎(「青嵐会」)・源田実の2人だけでした。初心貫徹した数少ない議員のひとりであった浜田幸一は著書『石原慎太郎くんへキミは「NO」と言えない』ぶんか社(1999、22頁)の中で次のように書いています。

 国民に選ばれた国会議員が、二国間の友好条約を決定する場に出席することなく、賛成・反対を表明しないことが正しいことであろうか? それは国民の判断に任せるしかない。だがしかし、ひとつだけ許せないことがある。
 石原くんはあらゆる場において「NOといえる日本になりたい」といっているけれど、それではなぜ、血判まで求めた青嵐会幹事長の彼が、本会議に上程される前の外務委員会において、日中友好条約に起立賛成したのだろうか?

「中華人民共和国」を「シナ、シナ」と呼び続け「対中強硬派」を演出する石原慎太郎。しかし、その石原は政治家としてもっとも大切な瞬間に尻尾を巻いて逃げ出していた! これは口達者な石原が百万言を費《つい》やしても決して否定できない「事実」です。日本国が存続する限り公式文書として「証拠」が保存され続ける石原慎太郎の「汚点」です。

常識的に考えて血判を捺しての誓約とは「命に代えても同志を裏切ることはしない」という約束でしょう。そして血判を要求したのは当の石原慎太郎幹事長だったのです。ところが「青嵐会」中心的メンバーであったはずの幹事長がこのていたらく。「とほほ」というしかない行状なのではありませんか? それとも石原にとって血判はマスコミ向けの「パフォーマンス」に過ぎなかったのでしょうか?

とはいえ。この「敵前逃亡事件」をもって「石原慎太郎完全否定論」を張るわけではありません。「意思が弱い」とか「小心」ということは、本人の努力ではどうしようもない場合が多いからです。かくいう私(喜八=中村順)自身が意思が弱くて小心者なので、じつのところ石原慎太郎さんには同情する部分があるのです(笑)。おなじような状況に置かれたら自分も(石原同様に)同志を見捨てて敵前逃亡してしまうかもしれない・・・。

ただ、これだけは言えますね。石原慎太郎は日本の首都であり1200万都市である東京の知事にふさわしくない。血判をもって命がけの同盟を誓ったはずの同志を、もっとも重要な場面で裏切るような男。リーダーとしての資質に決定的に欠ける人物。そんな石原慎太郎を東京都知事にしておくのは、都民・日本国民にとって途轍もないリスクを冒《おか》すことにほかならない。今後、都民・日本国民の命運がかかった大事の際、再び「敵前逃亡」する可能性が高いだろう石原慎太郎。彼を都知事に据えておくのは絶対にやめておいたほうがいい。

石原慎太郎さん、「タレント」の世界にお帰りください。


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投稿者 kihachin : 2007年03月11日 12:22

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