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2007年03月26日

福祉とは?

福祉とは?」とは、ずいぶん硬いタイトルです。
じつはこれ、三十数年前、中学3年生だった私(喜八)が「校内弁論大会」に出場したときのスピーチのタイトルなのです。

このごろは生徒学生時代のことをよく思い出します。
なにかの拍子に過ぎ去りし日々のエピソードが非常なリアリティをもって蘇る。
で、人知れず滂沱《ぼうだ》と涙を流したり・・・。
やっぱりトシのせいなのでしょうか(笑)。

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ところで、15歳の少年がなぜ「福祉とは?」なんて糞真面目な演題を選んだかというと、これには「伏線(?)」があります。

中学3年生の私は校内「福祉委員会」の委員長をつとめていました。
自分でなりたくてなったわけじゃないですよ。
担任のE先生(女性)から「喜八くん、あなたがやりなさい」と一方的に宣告されて、就任したのです。
ずっと後にE先生から聞いたところでは、当時のY校長先生から「喜八にやらせなさい」という「ご指名」があったそうです。

当時の私は「校則」を無視して「長髪」にしていました。
と言っても「格好いい長髪」なんかではありません。
ただもう無闇に髪の毛を伸ばすだけの「むさくるしい長髪」。
そして気に喰わない相手はすぐにぶっ飛ばすという粗暴性の持ち主でした(ただし、女子生徒や下級生は殴りません)。
で、ついた仇名《あだな》が「原始人」。
そんな厄介な生徒だったのです。

Y校長先生と担任のE先生には「責任ある立場におけば、粗暴な喜八少年の行ないも改まるだろう」というような教育的配慮があったのでしょうね。
それで私がマトモな生徒になったかどうかは自信がありませんが、学校の文化祭でバザーをやったり、正月には市内の高齢者に年賀状をだしたり、清掃活動をやったり、わりとマジメに活動はしました。

ところで弁論大会の演題を「福祉とは?」にしたのは、担任のE先生の提案だったと記憶しています。
まず私が原稿を書き上げて、国語科の教師だったE先生に見てもらう。
するとE先生が「書き出しはいいけれど、結論が弱い」というような大まかな感想を言う。
それで書き直す。また感想をもらう。書き直す。
こんなことを何度か繰り返して「決定稿」となりました。

校内弁論大会当日。
結果からいうと「優勝」でした。
それはそうでしょう。
ほかの「弁士」たちが優等生的タテマエ風味の弁論をしているのに比べて、こっちは「本気」ですからね。
一般生徒投票を多く獲得しての優勝でした。

(※この辺は「自慢」になっていますが、なにしろ三十年以上前の話ですから、ご勘弁ください)

そのときの弁論の骨子を大雑把に言うと、「福祉やボランティアとは可哀相な人たちに親切にしてあげることではありません。福祉はなによりも自分自身のためのものなのです。いま元気に暮らしている中学生の私たちも、いつなんどき不自由な状態に陥るかは分からない。福祉を充実させるということは私たち自身が安心して暮らせる社会を築くということなのです」。

中学3年生で、誰に教わったわけでもないのに、これだけの意見が言える。
なんと利発な少年なのでしょう!
と今更ながら我ながら驚くのです(またまた自慢・・・。汗)。

ただし!

利発な少年はその後ちっとも進歩することなく現在に至りました(ありがちな話ですね)。
現在ブログで書いている文章などを冷静に自己評価するなら、中学3年のころの自分に比べて格別進歩しているとは言い難い。
それどころか、退歩している部分も少なくなさそうです。
森巣博氏風にいうなら「チューサン階級」、すなわち中学3年生並みの知力の持ち主が現在の私であります。

それはさておき(笑)。
「福祉は可哀相な人たちに親切にしてあげることではない」という福祉観は、前・宮城県知事浅野史郎氏の福祉観とそっくりです。浅野さんという方は、きっと小中学生のころから優等生を通していたに違いなく、問題生徒だった私にしてみれば「天敵」のような存在なのですが、妙に親しみを覚える。
それは福祉というメガネを通した世界観に共通のものがあるからでしょう。

またまた中学生時代に話は戻ります。
校内弁論大会に優勝した私は○○県△△地区の弁論大会に駒を進めるはず、だったのですが・・・。
実際に参加したのは校内弁論大会では2位・3位だった男女の生徒でした。先生がたの「お気に入り」の優等生たち。

やはり、先生がたにしてみれば「原始人」のような問題生徒を校外に「露出」したくはなかったのでしょうね。
露骨に排除されたからといって、私も別に腹を立てたりはしませんでしたよ(笑)。
小学生のころから「そういうこと」には慣れっこでしたから。
ただ、「自分が参加したなら賞を取れたかもしれない」とは思いました。
言い忘れていましたが、優等生くんたちは「賞」にかすりもしませんでした。

「喜八に福祉委員長をやらせなさい」と指令をだしたY校長先生は、私が卒業した数年後に亡くなられました。
学区内ではもっとも学力があるとされていた県立高校への進学が決まった私に、「おめえは○○高校に行っても福祉をやるだ。分かったな!」と嬉しそうに声をかけてくれたY校長先生の姿を思い出します。
担任だったE先生は二十数年後に別の学校の校長に就任されました。
おふたりとも懐かしくもあり有難くもある「恩師」です。


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投稿者 kihachin : 2007年03月26日 17:15

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