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2007年04月17日

佐藤優さんの護憲論2

佐藤優「直言」プロフィール


雑誌『世界』2007年05月号掲載の佐藤優(起訴休職外務事務官)による記事「山川 均の平和憲法推進戦略――「新たな共同体」を遠く望んで」から「護憲」に関する部分を引用します。

まずは佐藤さんが自分の「立ち位置」を宣言する部分(205頁、引用文中「筆者」は佐藤優氏)から。

筆者は護憲論を支持する。しかも現行憲法の条項には一切、改変を加えてはならないと考えるかなり硬直した護憲の立場に立つ。

それは何故かといえば(206頁)。

 日本国憲法は共和制を想定していない。あくまでも立憲君主制である。しかも、大日本帝国憲法第七三条の「将来此ノ憲法ノ条項ヲ改正スルノ必要アルトキハ勅命ヲ以テ議案ヲ帝国議会ノ議ニ付スヘシ」という改正手続きに基づいて、制定された憲法である。宮沢俊義の一九四五年八月に日本がポツダム宣言を受諾した時点で国家体制に根本的な断絶が生じたとの言説(「八月革命説」)は一面的だと思う。形式、手続きは内容と不可分一体の関係にある。大日本帝国憲法の改正手続きを踏まえたという事実が、明治憲法と現行憲法の間の連続性を示すもので、その根本が現行憲法第一条から第八条までで定められた天皇の規定なのだ。護憲の基本は、この天皇制を擁護するということなのである。「何かを守る」という運動はその本質からして保守的な運動なのだ。現行憲法第一条から第八条を含む現行憲法を擁護しようという運動は、言葉の本来的意味からいって保守的で、天皇制擁護なのである。

つまり佐藤優さんにとって「護憲は天皇制擁護」なのですね。これは論理的に非常に明瞭堅固な「護憲論」だと思います。そして私(喜八)も最近では同じような考えになりつつあります。

以前から素朴な疑問がありました。「『護憲派』も第9条だけでなくて象徴天皇制(第1条から第8条)と合わせて『現行憲法厳守!』と言えば恐ろしく強力な憲法擁護論となるのに・・・」。正直なところを言えば、第9条のみを強調するのは「つまみ食い」的な印象もあります。

現在の私は「憲法愛国主義」の方向を模索しています。日本国憲法という「土台」の上に国際協調的かつ平和主義的な愛国主義を構築する。と同時に「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であ」る皇室は断固擁護し応援する。したがって佐藤優さんとおなじく「現行憲法の条項には一切、改変を加えてはならない」という立場をとる「かなり硬直した護憲派」です。


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投稿者 kihachin : 2007年04月17日 12:32

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