【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« 「ぬぬぬ?」さんの記事紹介 | メイン | 「国の最高法規」に対する不当な攻撃? »


2007年04月12日

佐藤・堀江・木村

フィナンシャル ジャパン

佐藤優・起訴休職外務事務官と堀江貴文・ライブドア元社長という意外な組み合わせの対談が雑誌「フィナンシャル ジャパン 2007年05月号」に掲載されています。メディアではしばしば「怪物」とも形容される異能の2人が縦横無尽に語り合う。読み応えのある対談です。

意外な組み合わせ」というのは、佐藤優氏がアメリカ式の「いけいけどんどん資本主義=新自由主義」を正面から批判しているのに対して、堀江貴文氏は「新自由主義の申し子」のような人物だからです。本来なら両者は話も合うわけがない・・・ように思うのですが、意外や意外、和気藹々とした雰囲気なのです。

長い対談の終わりに堀江貴文氏は、佐藤優氏のような人物に会ったのは初めてだということ、話ができてとても楽しかったことを素直に述べています。傲岸不遜といわれるあの「ホリエモン」にそこまで言わせる「ラスプーチン」佐藤優氏はやはり「凄い!」というしかありません。

ところで雑誌「フィナンシャル ジャパン」を発行しているのは、木村剛氏(株式会社フィナンシャル代表取締役社長兼CEO)です。佐藤優と木村剛。これまた意外な組み合わせです。「超」意外と言っていいかもしれません(堀江貴文・木村剛は、ぜんぜん意外ではありませんが)。

佐藤優氏は前述のアメリカ式「いけいけどんどん資本主義=新自由主義」には、それこそ命がけの姿勢で反対しています。逆に木村剛氏は小泉政権下で金融庁の顧問として活躍した経験をもっています。当時の木村剛氏は「新自由主義」陣営のエース的存在でした。小泉首相は竹中平蔵大臣に経済政策を「丸投げ」し、さらに竹中大臣は木村氏に「丸投げ」したという風評もあったほどです。

いわば佐藤・木村は経済思想の上では「敵」同士といっていい間柄です。なのに佐藤優氏が木村剛氏編集の雑誌「フィナンシャル ジャパン」に登場するのは、これで2回目(一度目はロングインタビュー)。さらに木村剛氏はラスプーチン佐藤氏のことを非常に高く買っているようなのです。以下は木村氏のブログ「週刊!木村剛」からの引用です。

 佐藤優氏には2回しかお会いしたことはありませんが、一芸に秀でた優秀な官僚であり、日本外交にとって戦力になる人材であることは間違いないと思います。彼の方向性が違うと思うのであれば、使わなければ良いだけの話。
 私は外交の専門家ではありませんが、下世話な嫉妬にトチ狂って、「有力な武器(=佐藤優)」を使うための工夫すらできず、叩いて追い出すという発想しかできない小市民的な外務省官僚が、厳しくしたたかに立ち回らなければならない外交の最前線において、日本のために有利に事を運ぶことができるわけがないということぐらいはわかります。
 「ニッポンを生きる!」さんが指摘しているように、「天才は絶対に自分から歩み寄らない」のかもしれませんし、組織には染まり切らない異能の士であるがゆえに使いにくいのかもしれませんが、国家の政策を担う方々には、「『決して歩み寄らぬ天才』を、だからと言ってその都度抹殺してはキリが無いし、何より不毛だ」ということぐらいはわきまえてもらいたいものです。

佐藤優・堀江貴文・木村剛は意外な組み合わせ。とはいえ、共通点もあります。それぞれが大変な能力の持ち主で、「超」がつくワーカホリック。さらには3人とも「権力」から睨まれた経験がある。佐藤・堀江の両氏は「国策捜査」に遭い現在も刑事被告人の身の上ですし、木村氏も一時は「逮捕か?」なんて心ない噂を流されたことがありました。

私(喜八)は佐藤優さんのことをブログを通じて応援し続けてきました(佐藤優・鈴木宗男関連記事)。そしてまた堀江貴文さんと木村剛さんにもエールを送ったことがあります。以下に「喜八ログ」アーカイブから「木村剛応援記事」と「堀江貴文応援記事」を掘り出してみます。

 (「木村剛氏、不透明な融資?」2006年01月08日)

木村剛さんという人は小泉総理・竹中大臣と並んで新自由主義を代表する人物として世間では理解されているようです。その意味では新自由主義批判者の私にとっては「敵陣営の人」であるのかもしれません。けれども私から見る木村氏は小泉・竹中の両氏とは「ちょっと違う」という印象があります。
小泉さんと竹中さんは「話しても分からない人」です(おそらく)。総理は「話しても理解できない人」。大臣は「理解はできるが話は聞いてくれない人」でしょう(すみません、偏見です)。それに対して木村氏は「話せば分かってくれる(かもしれない)人」のように見えるのです。また小泉さん竹中さんが「徹頭徹尾非情な人」であるのに対して木村氏は「どこかお人好しな人」だという感触があります。
そのため今回の木村剛さんの身に降りかかった災難を「いい気味だ」と眺める気持ちにはなれません。かつて鈴木宗男さん・佐藤優さん・辻元清美さんがやられたように、木村さんも「国策捜査」の対象になってゆくのだろうか? これはあくまで私の妄想に過ぎないのですが、可能性はゼロではなさそうです。
木村剛さん、どうぞご用心ください。
今回の朝日新聞の報道は「戦争」の始まりを告げるものなのかもしれません。
もし「戦争」だとすれば、ご武運を祈ります。

 (「負けるな! ホリエモン」2006年09月04日)

ところで「新自由主義反対!」の私が「新自由主義のシンボル」ともいえるホリエモンを応援するのは変ではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
私は社会全体が新自由主義に大きく傾くのには反対ですが、個人が新自由主義的に生きるのは本人の自由だと思っています。
これは「日本が共産主義社会化するのには反対だが、個人が共産主義を信奉するのはその人の自由」であるのと同じことです(同様に個人が「ネットウヨク」であることもその人の自由だと思っています)。
ホリエモンのような「人材」を無闇に叩いて追い落としてしまうのはあまりにモッタイナイ。
我々の暮らすこの社会をより良くするために、一生懸命働いてもらったほうがいいと思うのです。

佐藤優・堀江貴文・木村剛さんたちのような有能かつ「やる気満々」な人たちを皆で袋叩きにして潰してしまうようなことがあったら、それこそモッタイナイ! 仮に彼らに問題があるとしたら、行政的指導なり何なりを受けてもらった上で、またバリバリと働いてもらえばいい。そのほうが我々の社会全体にとってもずっとトクですよ! ということを声を大にして言いたいですね。


関連ページ


投稿者 kihachin : 2007年04月12日 20:11

« 「ぬぬぬ?」さんの記事紹介 | メイン | 「国の最高法規」に対する不当な攻撃? »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/1301

このリストは、次のエントリーを参照しています: 佐藤・堀江・木村:

» 私の秘書としての仕事への誇り from 村野瀬玲奈の秘書課広報室
この秘書課広報室の仕事だけじゃ生活が成り立たないので仕方なくやっている生活費稼ぎのバイト(笑)が今とても忙しい時期なのだけど、もちろん私も少しの時間でも見つけて... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月12日 21:22

» メロディ的総括 from あんち・アンチエイジング・メロディ
ボランティアとして動いた私ならではの、都知事選の総括というか、感想を述べてみたい。昨日も書いたように、体験がホット過ぎて論理的な分析が出来るわけではないので、あ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月12日 22:05

» 国民投票法案。ヤナこった!(3)・アベシにはほとほと、・・・<最新情報アリ> from 晴天とら日和
< 全 国 紙 > ◆朝日新聞2007年04月11日13時03分 国民投票法案 与党、13日の衆院通過目指す 自民、公明両党の幹事長、国会対策委員... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月12日 22:48

» 国民投票法案。ヤナこった!(4)・アベシにはほとほと、・・・(最終) from 晴天とら日和
今度は、 「ヒヨルなよ!」って強く思う ★民主党 2007/04/11 3野党国対委員長会談 国民投票法案の審議続行要求で一致 ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 00:02

» 原子力発電所 本当に安全なのか?(終) from 関係性
  副題:アメリカの石油軍事戦略を映し出す映画「ブラッド・ダイヤモンド」  世界中に戦火の種を蒔き、イラクの戦争泥沼化にアメリカの石油軍事戦略が見えている。そこ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 09:16

» いわさきちひろ・高齢出産共産党員画家 from うみおくれクラブ
 都知事選後の新聞で、たいていの日本人が、名前を知らなくても、その絵は、一度や二度は見たことがあるだろう、画家いわさきちひろの、発禁処分になった、初期の作品が見... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 11:39

» いわさきちひろ・高齢出産共産党員画家(2) from うみおくれクラブ
「赤旗」の『少子化』記事番外編 自主独立の40代女性 -- 2005/03/19 .. いわさきちひろ 〓 自主独立の40代女性 -- 2005/0... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 11:40

» いわさきちひろ美術館の印象 from うみおくれクラブ
 ゆみちゃんは、息子出産後、世田谷区の「いわさきちひろ美術館」に行きました。  行く前に、美術館に、障害者用の駐車場があるか、問い合わせの電話をしたのですが、 ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 11:41

» 2年前のシンタロウ「ババァ発言」判決 from うみおくれクラブ
 2年前には、例の石原「ババァ発言」についての、東京地裁判決が出ています。  石原都政3期目の始まりに、メモリアル的に、また今後も厳しい目を向けていくために、何... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年04月13日 11:42