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2007年04月09日

さとう珠緒の『超教養』

『超教養』さとう珠緒

女優・タレントのさとう珠緒さんが好きです。

と言うと大方の女性から「えーっ!」と呆れられることが体験的に分かっています。
「やっぱり喜八の奴も女性の《くねくね媚び》に弱い、ありきたりのオヤジだったのか!」なんて決めつけられてしまいそうです。

あえて否定はしませんが(笑)。

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ただ、さとう珠緒ファンのひとりとして言わせていただきますと・・・。
さとう珠緒さんはあえて孤高の「ブリッコ(死語)」スタイルをつらぬいて、雑誌「週刊文春」の「女が嫌う女」ランキング1位を2年連続受賞しながら、したたかにタレントとしての生存戦略を実行しているのです(それもセルフ・プロデュースで)。

こういう「計算高さ」「したたかさ」も魅力なのですね。
いわば「悪女」の魅力。

悪女らしく、さとう珠緒さんは精神力も強靭です。
普通の神経の持ち主だったら、「女が嫌う女」の連覇なんてしてしまったら、「つぶれ」ますよ。
それなのに「私が『女に嫌われるタレント』に選ばれているのも、民主政治って感じがしますよねぇ」なんて軽く受け流している(『超教養』134頁)。

それで、さとう珠緒さんの新著『超教養』メディアファクトリー(2007)の話題です。
この本は「WEBダ・ヴィンチ」での「書評」連載をまとめたものです。
現在のところ、以下のページで一部を読むことができるようです。

 「さとう珠緒編集長のバカブックガイド

ところで・・・さとう珠緒さんは本当に「バカ」なのでしょうか?
どう考えても、そうは思えないのです。
逆に相当に聡明な人物であるように見えます(とはファンの「贔屓目」かもしれませんが・・・)。

たとえば『超教養』の中の以下のような文章を読んでみてください(46頁)。

 ところで "人生の経験地" はともかく、私は "人生の平均値" から遠ざかっていたいと思うんですよね。だって、平均値に近い人ってつまんないじゃないですか。

こういうことって、なかなか言えるものではないでしょう。
そして次のように続けます(48頁)。

 たぶん結婚という二文字だけであれこれいわれるのは、結婚が人生最大の平均値だからなのでしょう。

う~ん、さとう珠緒さんは素晴らしすぎる!

物事の本質をつかむ能力に優れているだけでなく、さとう珠緒さんは高い倫理観の持ち主でもあります。
たとえば「ギャグ・ハラスメント」の章(現在はWEBで読める)では、笑うに笑えない「低レベル」なジョークや「オヤジギャグ」を辛らつに批判した後、次のように書いています。

 でも、いちばんキツいのは、身体ネタ。昔、頭のいい男性と付き合っていたことがあったんですけど、彼は太っている人をネタにして笑う人だったんですよ。それを目の当たりにしたとき「この人、どういう神経してるんだ」と思えて、気持ちもサーっとひきました。だって、それをジョークだと信じていること自体が浅はかだもん。

やはり、さとう珠緒さんは素晴らしすぎる!

というわけで、いよいよ「さとう珠緒ファン度」を亢進(悪化?)させてゆく私(喜八)なのでした・・・。

一応結論めいたことがでたので、ここで終わりにしてもいいのですが、まだちょっと気になることがあります。
いわゆる「ゴーストライター問題」です。

芸能界にも出版界にもまったく縁のない私でも、いわゆる「タレント本」の多くがゴーストライターによって書かれていることは知っています。
さらに最近ではインターネットを通じて「執筆者」「ライター」といわれる職業の方々とも知り合いになったため、具体的な「ゴースト・ライティング」の話も聞いています。

以下は某ライター氏による証言です(本人の承諾を得て掲載します)。

 いわゆる文化人とかでも、(文筆業は別として)自分で書く人は非常に少ない。そういう「著書」のゴーストも、僕たち売れないフリー・ジャーナリストの貴重な収入源のひとつです。職業上の仁義にもとるので具体的には言いませんが、聞けば「うっそ~」と言うような人まで、ゴースト使ってますよ。
 文筆業でさえゴースト使う人があり、実は僕はある著名な評論家のゴースト・ライターをしたことがあります。彼は主に講演で食べてる人で、著書はすべてゴーストが執筆。むろんゴースト・ライターと言っても、かなり綿密に打ち合わせして、それなりの時間をとって聞き書きするなら、まあ「当人の著書」と言っても嘘じゃない(半ばは嘘だけど)。でもその評論家とは、僕は1度も会ってないんですよ。出版社の編集者とだけ打ち合わせして、その評論家が言いそうなことを考え、かなり適当に書きました。(適当と言ってもいい加減に仕事したわけじゃないけど)
 そのほか、大学教授のゴーストとかもよくやります。僕の方で取材までやることも多々、ですよ。むろん彼らは論文は自分で書くけど、一般向けの「解説書」や「エッセイ」なんかは面倒なんで、ゴーストに任せちゃうことが多いのです……。むろん中には、書くのが好きで、筆も立って、という人も少なくないですけどね。

なるほど、「ゴースト・ライティング」というのは、タレントに限った話じゃないんですね!
「文化人」「評論家」「大学教授」といった人々も「ゴースト」のお世話になりまくっている!
と一応驚いてはみせましたが(笑)、世の中というのは「そういうもの」なのかもしれません・・・。

だとしたら、さとう珠緒さんが(もし仮に)ゴーストライターに頼っていたとしても、目くじらを立てるような話ではないでしょうね。

またまた結論めいたものがでましたが、まだ少し気になることがあります。
もし「さとう珠緒編集長のバカブックガイド」の連載が「ゴースト」氏によるものだとしたら?
一見「バカ」を装ってじつはきわめて怜悧な文章を書いている、「超教養・ゴースト」氏は相当の実力の持ち主ではないかと推察できるのです。

こんな「ゴースト」氏の「正体」が気になりますねえ。
案外、意外の「超大物」が乗り出しているのではないか?
私はそんな気がしてならないのです(ほとんど妄想の域だとは思いますが・・・)。

もちろんファンとしてはさとう珠緒さんが実際に文章を書いたということを信じていますよ!
さとう珠緒さんは大変な教養と洞察力と倫理観の持ち主です。
こういう「神話」を信じて生きていくのが、ファンとしての至福でありますから・・・。


(『超教養』さとう珠緒、メディアファクトリー、2007)


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投稿者 kihachin : 2007年04月09日 20:22

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