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2007年06月02日

政治とカネ(2)

昨日(06-01)のエントリ「政治とカネ」でも触れましたように、2008年アメリカ大統領選に名乗りを上げている米国民主党バラック・オバマ氏は庶民からの小口献金を主として巨額の資金(2500万ドル)を集めることに成功しました。そのため「米国史上初の黒人大統領誕生」が現実味をおびてきました。

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オバマ氏の成功の秘訣は「徹底的なインターネット利用」です。ネットで政治資金を集めるだけでなく、現実の政治集会への参加を呼びかける。入場チケットが「25ドルから100ドル」という有料の集会に多くの支持者が馳せ参じる。ネットと現実をリンクしたのが「オバマ式」です。

ここで、政治家が小口の個人献金を「広く浅く」集めるのは是か非か? ということを考えてみます。

一瞬で答えがでました(笑)。「是」でしょう。有権者からの「浄財」である個人献金をたくさん集めるのは、選挙で「票」を集めることと原理は一緒です。有権者は「この人なら世の中をよくしてくれる」という期待を込めて、「一票」を投じ「おカネ」を寄付するのです。その意味において個人献金はいたって民主主義的な行為だと言えるでしょう。

それでは、日本の政治家がオバマ氏のようにインターネットを利用して、多額の政治資金を集めることは可能か? 可能でしょうね。もちろん、その政治家の力量の差により集められる金額にはかなりの差が生じるとは思いますが。辻元清美さんなら(その気になれば)相当な額を集められるのではないかということは昨日のエントリに書きました。

献金の集め方、ネットと現実をリンクする方法などは、それこそ「バラク式」を真似すればよいのです。バラク陣営がとった方法を徹底的に研究して、日本の事情に合った部分を取り入れていけばいい。バラクという先行する成功例があるのだから、後は「やるかやらないか」だけです。

いわゆる「金融の自由化」により、おカネの受け渡しも容易になってきました。各銀行のサービスもかつてのような「横並び」ではなくなり、一定の条件が揃えば「振り込み手数料ゼロ円」ということも多くなってきました。それこそ100円・1000円といったカンパを振込み手数料なしで行なえるのです(参考ページ「振込み手数料をゼロに!」)。

このように、現在は「能力」と「やる気」さえあればインターネットで巨額の政治資金を集めることができる時代になっています。もちろん、すでに多くの政治家がネットでのカンパを呼びかけていますが、集金作戦を組織的に徹底的に行なっている陣営はまだ現れていないようです。とはいえ、いずれ近いうちに「バラク式」を真似する人が日本にも現れるでしょう。

そこで、次の段階を考えてみます。もし、多額の政治資金を集めることに成功したら? そこに危険はないのだろうか? 陥穽《かんせい》があるのではないか?

これは確実に「ある」でしょうね。一般論として、おカネは人の心を狂わせます。巨大な資金が集まれば、その分、危険も飛躍的に高まるでしょう。以下にその危険を「外部の危険」と「内部の危険」の2つに分けて考えてみます。

「外部の危険」
大きなおカネがあるところには、危険な団体・個人が集まってきます。彼ら彼女らは言葉巧みにおカネの管理者に接近し、あわよくば「甘い汁」を吸おうとするでしょう。管理者は大変な誘惑にさらされることになります。
また昔から「でる杭は打たれる」と言われるように「嫉妬」の要素も無視できません。「ビッグマネー」はすなわち「ビッグパワー」。巨大な政治資金の持ち主は、他の政治家からマークされることになり、足をすくわれる可能性も劇的に高まるでしょう。

「内部の危険」
大金があれば、それを使いたくなるのは当然です。つまり誘惑が多くなる。しかし、有権者からの寄付を個人の欲望のために使ってしまえば、その時点でその政治家(またはスタッフ)は「終わり」です。集まった政治献金はそれこそ1円にいたるまで有効に使われなければならない。こういった自己抑制・欲望のコントロールができる者だけが、巨大政治資金を扱えるのです。

小口の個人献金を「広く浅く」集めるためには「おカネを集めるプロ」が必要になります。今後は日本でもこの種のプロが増えてゆくのかもしれません。しかし、おカネはただ集めるだけではいけません。多額の政治資金を集めたら、その資金をきちんと管理し、かつ有効に使わなければならない。となれば「おカネを管理するプロ」と「おカネを使うプロ」も必要になってくるでしょう。

昔から有力政治家には「金庫番」と呼ばれる人がいて、おカネの管理をしていたようですが、これはどうも「個人芸」的な要素が強かったようです。今後は、おカネを集め・管理し・使うという一連のプロセスを「個人芸」ではなくて組織として公明正大に行なう必要があると思います。

こうなってくると、たとえ巨額の政治資金を集める潜在能力があったとしても、敢えてその道は取らず「清貧」で行くという選択肢も見えてきます。おカネは巨大な力の源泉ともなるが、管理や使い方を間違えれば、とんでもない厄災のもとにもなり得る。その意味では、必要以上のおカネを集めることをせず、小額のカンパ、無償ボランティア、割り勘に頼る「市民派」的な政治活動はきわめて合理的な手法です。

多額の政治資金を集め、それを公正に管理し有効に使うという困難な道を選ぶか?

それとも、そこそこの政治資金で「おカネのかからない」政治活動を行なうか?

両者は「どちらかが正しい」というものではないでしょうね。どちらも「正しい」し、どちらも「誤る」可能性はある。特に前者の「多額の政治資金を集め」る方法を選んだ場合は「危険がいっぱい」だと覚悟しておくほうがいい。「それでも自分はその道を選ぶ」というのは本人たちの自由だし、また、世の中にはそういう人もいなければならないのだと思います。もちろん、「清貧」路線の政治家も必要です。数の上ではこちらの多い方がいいかもしれません。


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投稿者 kihachin : 2007年06月02日 11:05

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