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2007年06月17日

「新党大地」多原かおりさん

多原香里

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新党大地」公認候補の多原香里《たはらかおり》さんは大変に興味深い経歴の持ち主です。多原さんの著書『先住民族アイヌ』(2006)から略歴を引用してみましょう。

多原香里(たはら かおり)
1972年北海道札幌市生まれ。1995年北海道教育大学岩見沢校小学校教員養成課程卒業。1997年先住民インターンシップとして国際連合人権高等弁務官事務所に勤務。先住民族関連の国連作業部会の事務局スタッフに加わりながら、国連システムや国際法・国際人権法を学び、ILO(国際労働機関)での研修を行う。2001年フランス国立社会科学高等研究院入学(アイヌ民族近現代史専攻)。2005年修士課程修了。現在、同博士準備課程在学中。

そこに突然「新党大地」代表の鈴木宗男氏が現れ、猛烈な熱意で多原かおりさんを政治の世界に勧誘します。ムネオ氏の誠意にほだされた多原香里さんは「新党大地」の副代表に就任し、現在は参院選での議席獲得を目指して奮戦中です。つけられたニックネームが「女ムネオ」とは、いささか可哀相なようではあります(笑)。が、これは本家ムネオ氏の「親心」と見るのが妥当でしょう。

多原香里さんはアイヌ民族出身でアイヌ民族の歴史の研究者です。ジュネーヴの国連人権高等弁務官事務所でインターンとして勤務した際、世界中の先住民族の人々と知り合いました。そして現在でも連絡を取り合っています。こうしたネットワークを持つ多原さんは、おそらく日本ではかなり珍しい存在だと思います。

そんな多原かおりさんが国政の場に進出することは、国際社会において日本という国が取り得る選択肢を大いに増やすに違いない。鈴木宗男氏と(強力な同盟者である)佐藤優氏はそう考えたのでしょう。真にダイナミックで壮大な戦略です。日本にもこんな「絵図」を描ける者たちがいるのかと、一種の興奮を覚えます。

(※以下、先住民族と北方領土に関する記述は鈴木宗男・佐藤優著『北方領土「特命交渉」』(2006)の受け売りです。同書159-162頁)。

先住民族と言っても、我が国ではピンと来ない人も多いかもしれませんね。けれども、近年の国際法の世界では過去の帝国主義の歴史を検証し反省する動きが強まっています。そして、元々その土地に住んでいた人々である先住民の権利を大切にしていこうという考え方が強くなっています。これは法律学上の「学説」に留まりません。いまだ日本・ロシアのあいだで解決を見ない「北方領土」問題においても強力な「武器」にもなり得うる筋の話なのです。

現在も帰属に関する交渉が継続されている「北方四島(歯舞諸島・色丹島・国後島・択捉島)」。この地には元々アイヌの人たちが住んでいました。もし、先住民であるアイヌ民族が北方四島の返還を要求するのなら、これは国際社会でも支持される言説になる可能性が高い。そして日本とロシアの両国が先住民族アイヌの権利をお互いに認め、人権や文化面から北方領土問題を議論するのなら、問題解決のいとぐちになる可能性も高まるはずです。

言うまでもなく、先住民族はロシアやアメリカなど世界中の多くの国々に存在します。もし日本国が先住民族であるアイヌの人々の権利を認める姿勢を示せば、他の国々とも価値観を共有することになります。そして日本が「道義国家」であることを世界中にアピールすることにもなる。日本は名誉と尊厳を重んじる国なのだ、と。

ところで、鈴木宗男さんは以前から先住民族問題に理解が深かったわけではありません。それどころか2001年07月02日東京で行なわれた外国特派員協会(主催)の講演で「私は(日本は)一国家一言語一民族と言っていいと思う。北海道にはアイヌ民族というのがおりまして、嫌がる人もおりますけれども、今はまったく同化されている」と発言して、「北海道ウタリ協会」を始めとする複数の少数民族団体から強硬な抗議を受けた「過去」があります。

その鈴木宗男氏が今ではアイヌ民族出身の多原かおりさんを「新党大地」副代表に向かい入れて、党として真正面から少数民族問題と取り組んでいる(国会で質問主意書によりアイヌ問題に関する質問を何度も提出しています)。そんなムネオ氏のことを「変わり身が速い」と揶揄する方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし「良い方向」に変わるのなら、速ければ速いほどいいでしょうと答えるしかありません。

自分の誤りを素直に認め、その後はアイヌ民族の名誉と尊厳を守るために奮闘する鈴木宗男氏。「話せば分かる」鈴木宗男氏。こんなムネオ氏は(見かけとは違って。笑)相当に柔軟な思考ができる政治家なのでしょう。かの佐藤優氏がムネオ氏と「ともにヴァルハラまで」と表現できるような強力な同盟者であり続けるのも、この辺りにも理由がありそうです。

学問の世界から政治の世界に転じようとしている多原かおりさん。もしかしたら、その姿は頼りないものに見えるかもしれません。けれども多原香里さんには鈴木宗男と佐藤優という「超」強力な味方がついています。故・中川一郎氏の秘書を振り出しに後に国会議員となり、政界のあらゆる部分に精通した鈴木宗男氏。無尽蔵とも見えるエネルギーと知力を持ち、世界を相手に思想戦・情報戦を繰り広げる佐藤優氏。この2人が多原香里さんを強力にバックアップしています。そして多原香里さん自身も楚々とした外見からは予想もつかない「タフな」女性なのです。

「新党大地」の多原香里さんが国政の場、国際交流の場で活躍されることを強く望みます。
喜八ログ」は多原かおりさんの政治活動を応援します。


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投稿者 kihachin : 2007年06月17日 12:11

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