【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« 「とくらたかこさんは日本の本当のお母さん」 | メイン | 皆さんに応援して欲しい「雑誌」 »


2007年07月05日

「しょうがない」は悪魔の言葉

晴天とら日和

 人気blogランキング ランキング投票をお願いします

久間章生氏が防衛大臣職を辞任しました。

「水たまりに落ちたイヌは叩かない」が私(喜八)の信条ですので、久間章生氏に「追い討ち」をかけるのは控えておこうと思います。ただし、ほかの方が「久間をとことん追い込む!」と言うのでしたら、けっして止めません。どんどんやってください。

私からはひとつだけ久間章生氏に「アドバイス」を送りたいと思います。これは政治的立場や思想の違いを超えた赤心よりの忠告です。

久間さん、あなたは「出家」されて、広島・長崎の原爆で亡くなられた全ての方の冥福を祈ることに専念されたほうがよろしいでしょう。政治活動からは綺麗に身を引かれて、余生を死者の鎮魂にささげられたほうがよいと思います。

あなたの「原爆投下はしょうがない」発言は多くの人の憤激を買ったが、それら「生者」の怒りよりは「物言わぬ死者」たちの怒りのほうが遥かに恐ろしいと私には思える。いまのようにヘラヘラと反省の色も見せずにいれば、原爆や空襲で命を落とした無数の死者たちの激烈な怒りを一身に受けることになる。

それがどんなに悲惨な結果を招くことか、想像もつかない。悪いことは言いません。一刻も早く仏門を叩き、出家されたほうがいいですよ。戦争という愚行の中で非業の死を遂げた人々。彼ら彼女らが安らかに眠れるよう、全身全霊を込めて祈られたほうがいい。

「この人は今後どのような生き方(死に方)をするのだろうか?」。私は息を呑むような思いで、久間章生氏を見つめています。

ところで、今回の久間冒涜発言に限らず「しょうがない」という考え方は、とんでもないもの、それこそ悪魔の思想ではないかと私には思えます。先にも書きましたように「水たまりに落ちたイヌ(久間)を叩く」意図はありませんが、あくまで一般論として「しょうがない」を考えてみます。

まず、以下に「~はしょうがない」の文例をつくってみました。


原爆投下はしょうがない。

民間人を標的にした無差別爆撃もしょうがない。

赤ちゃんや母親が焼夷弾で焼き殺されてもしょうがない。

東京大空襲を初めとする日本の焦土化作戦の立案者であるカーチス・ルメイに、日本政府が勲一等旭日大綬章を授与したのもしょうがない。

従軍慰安婦はしょうがない。

強制連行はしょうがない。

南京虐殺もしょうがない。

ナチスによるホロコースト(ユダヤ人皆殺し)はしょうがない。

ソ連による日本兵シベリア抑留はしょうがない。

イラクにおける米軍の劣化ウラン弾使用はしょうがない。

日本に米軍が60年以上にわたって駐留しているのもしょうがない。

沖縄県に大きな負担をかけるのもしょうがない。

「アメリカ様」にひたすら追従するのもしょうがない。

自衛隊員の戦死者がでてもしょうがない。

自衛隊員が他国民を殺害してもしょうがない。

人間が戦争をするのはしょうがない。


以上のように、いくらでも「しょうがない」を続けることができます。戦争や軍隊にまつわることばかりでなく、「経済格差が固定化されるのもしょうがない」「ワーキングプアが生じるのもしょうがない」「ネットカフェ難民もしょうがない」「餓死者がでてもしょうがない」といった経済版「しょうがない」も、これまたいくらでも続けることができます。

ひとたび「しょうがない」と口にしてしまえば、すべての現状は「あるがままに」肯定されることになりがちです。状況がどんなに不公正で過酷なものであっても「しょうがない」の一言が発せられれば、改善の機運はとたんにしぼみ、「まあ、こんなものだろう」という諦め気分に取り付かれてしまう。

「~だから、しょうがない」。為政者にとって、これほど都合がいい言葉もないでしょうね。「年金記録が消失してもしょうがない」「サラリーマン増税をするのもしょうがない」「『アメリカ様』に貢ぐのもしょうがない」「平和憲法を放棄して、戦争をする(させられる)のもしょうがない」「無能者が首相の座についているのもしょうがない」・・・。

戦争に話を戻せば、戦争を回避するためには最大限の努力をするべきだし、なんとしてでも虐殺がおきないように叡智《えいち》を結集させるべきだと思う。「平和の構築」は政治家や官僚に「おまかせ」しておけば済むというものではなく、すべての人間に課せられた義務だと私(喜八)は考えます。また、それくらい本気で取り組まなければ、世界の平和を維持することはできないのでしょう。

「原爆投下はしょうがない」という愚かしい発言を咎められても、反省の色も見せず、ヘラヘラ笑う。これは、「しょせん人間などは同類殺しが好きな糞袋」「人類の過去・現在・未来などゴミ溜めにすぎない」「核戦争により人類は絶滅してもしょうがない」と公言するにも等しい暴挙、反人類的行為だ。

「冷戦」終了後も全面核戦争の可能性はゼロになったわけではありません。依然としてアメリカ・ロシア両国には数千もの核ミサイル基地が存在し、「非常時」が来たら即座に「敵」を核攻撃する24時間体制がとられている。全人類はそのような状況下を生きているというのに、我が国の前・防衛大臣殿は「原爆投下はしょうがない」とのたまった。まさに狂気の世界の話です。

「しょうがない」からは何も生まれない。「しょうがない」は究極のニヒリズム。少なくとも、人の命がかかっているときに「しょうがない」と口にするのは最低最悪の行ないだと自覚するべきでしょう。戦争と平和について考えるとき、「しょうがない」は余程のことがない限り口にしてはいけない「悪魔の言葉」なのだと私(喜八)は思います。

(※トップの画像は「晴天とら日和」さんよりお借りしました)


人気blogランキング ランキング投票をお願いします

皆様の声援に心より感謝します


関連ページ

安倍晋三内閣 問題点まとめ集

(※バナーはぶいっちゃん製作のものをお借りしました)


投稿者 kihachin : 2007年07月05日 12:07

« 「とくらたかこさんは日本の本当のお母さん」 | メイン | 皆さんに応援して欲しい「雑誌」 »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/1537

このリストは、次のエントリーを参照しています: 「しょうがない」は悪魔の言葉:

» 安倍政権はアメリカのポチ・・ from お玉おばさんでもわかる政治のお話
小池百合子さんはやはり、ニュースの一面を飾ってる・・・ 彼女の政界での仕事ぶりの中にジュゴンのお話は一行も出てこない。 着ていくお洋服を気にしてらしたけど・... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 14:45

» 「辺野古が大変なことに」…戦争への準備が進められる from dr.stoneflyの戯れ言
 ここのとこの辺野古のことを記事にしてない。  強く訴えなければ……、と、気は焦る。  けど、はたして、本当にエントリーしていいのだろうか?  非常に中途... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 17:25

» 北朝鮮問題:コイズミもアベシも人の心を弄ぶような政治利用するのはいい加減にせぇよ! from 晴天とら日和
アラ? どうしたの? 日本は拉致問題が解決しないと「援助」等はしないって、誰かさんが●●の一つ覚えのように言ってたんじゃぁ〜ありませんか!!!!! 何... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 21:01

» ブログやHPを規制する法制度がつくられようとしているのになぜメディアは報道しないのか〜パブコメその2 from 情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)
 「あなたのブログやHPに規制をかける法制度が定められようとしている〜1人ひとりがパブコメを送ろう!」(←クリック)で、ブログやHPの規制が定められようとしてい... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 22:00

» 偏西風来たる from そいつは帽子だ!
「原爆の使用が終戦をもたらし、連合国側の数十万単位の人命だけでなく、文字通り何百万人もの日本人の命を救ったという点では、ほとんどの歴史家の見解は一致する」 ロバ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 22:35

» 冗談はよし子さん! (^^;) from Die Weblogtagesschau laut dem Kaetzchen
 寝る前に美爾依さんのブログ「厚生労働省の年金検索ソフトに重大欠陥? 」を読んでいたら,とんでもない話が書いてあった! 何と,ウイルスが巣食ったソフトを4万人... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月05日 23:38

» 原爆はなぜ日本に落とされたのか from にほん民族解放戦線^o^
               ※画像は“長崎に投下された原爆のキノコ雲(松田弘道氏撮影) アメリカの高官によると、原爆投下が「何百万もの命を救った」んだとさ。... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月06日 01:07

» 現代日本の「反動的モダニズム」 from 人工樂園
 教育基本法改正に示されるような,安倍政権の「戦後レジームからの脱却」あるいは戦前レジームへの回帰(ここで思い描かれえている「戦前」がどこまで歴史的事実に基づい... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月06日 01:40

» 安倍晋三と金正日の敵対的共生関係? from 嗚呼、負け犬の遠吠え日記(新館)
 最近ネットで次のような噂が流れている。    「参議院選挙直前に北朝鮮拉致被害者の誰かを帰国させて、安倍政権の支持率上昇と参議院選挙の大勝利を狙うという策... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月06日 07:09

» 安倍「しょうがない内閣」 from Dendrodium
今朝のテレビで、支持率の事を言われた安倍総理が、 「私は支持率の為に政治をしているわけではありませんから」と突っぱねたシーンがあった。 安倍総理は一体何の為... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月06日 11:46

» 従業員は会社の宝だ from 無党派日本人の本音
お詫び昨日の私のブログで引用した世論調査の表が間違っていたので、修正しました。経緯は私が6月30日のブログで引用した数字と、後日の読売の解説記事の数字とが変わっ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月06日 15:57

» 身近なところから一歩ずつ from はじめの一歩
というのをずっとサブタイトルにしてブログを書いています.手抜きだなぁと思いつつ, [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月07日 20:47

» 一党支配からの脱却の為に from 無党派日本人の本音
参院選がいよいよ間近になってきた。昨日は出身地域や特定団体の為に働くと言う候補者を選ぶのも良いが、それより日本の為に頑張る人を選んだらどうかと言う提案をした。今... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月08日 12:01

» 赤城大臣の月も今宵限りか from 津久井進の弁護士ノート
 赤城徳彦農水大臣の事務所経費疑惑が急浮上しています。  「赤城の月も今宵限りか」 とは,国定忠治の名セリフですが, 国定忠治という名前のとおり, ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月08日 15:51

» 参議院選の選挙に行く前に from 無党派日本人の本音
参院選の目の前して、年金問題、久間さんの失言、赤城さんの事務所経費の問題で、マスコミを賑わせている。<<扇千景さんの批判>>然し、安倍さんの主導による強引な参議... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月09日 16:19

» [ゴーログ] 「しょうがない」はしょうがない? from 週刊!木村剛 powered by ココログ
 皆さん、こんにちは。木村剛です。「喜八ログ」さんが、久間氏の「しょうがない」発 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月10日 08:45

» 外資ファンドまた敗退 from 無党派日本人の本音
<<ステイールの敗退>> 読売新聞のブルドックの買収防衛策、東京高裁も「適法」判断 (7月10日2時29分  読売新聞)によれば、 米系投資ファンド... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月10日 16:45

» 絶えない家族間の殺傷事件 from 無党派日本人の本音
前々から思っていたのだが、家族間の殺傷事件が絶えない、特に少年による犯罪が目立つ。資料によれば、 少年が家族を殺傷する事件は後を断たない。警察庁によると、平成1... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月11日 11:41

» 赤城大臣の詳細 from NewsをNetで
スイスの赤城農相 適正処理強調スポーツニッポン赤城徳彦農相は11日、訪問先のジュ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月12日 14:27

» 何故米軍が日本に駐留しているのか from 無党派日本人の本音
<<米軍の日本駐留>>このブログを見て頂いている皆さん、何故米国が占領依頼に日本に駐留しているのかお考えになったことがおありでしょうか。このことについて米軍が沖... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月14日 15:34

» 安倍首相の二枚舌、米紙の社説 from 無党派日本人の本音
7月14日、米国の新聞の中から「Japan」で検索しているうちにワシントン・ポスト の Shinzo Abe's Double Talk と言う社説に... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月15日 06:39

» マニフェストの読み方 from 無党派日本人の本音
参院選もいよいよたけなわになってきた。それでなるべく公平な書き方を心がけているつもりだが、その為に判り難いこともあると思うが判読して頂きたい。この種のブログをお... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月16日 11:31

» 旧日教組の教師の話 from 無党派日本人の本音
私は昨日のブログの「マニフェストの読み方」で地方分権について書いた。書いている内に、地方分権→自主的な学校運営→日教組の連想から私の知人の旧日教組の先生の話をし... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月17日 11:37

» 政治と戦争(歴史に学ぼう) from 無党派日本人の本音
選挙で候補者を選ぶ際に皆それぞれの基準を持っていると思う。少なくともそれが他人や属する団体の強制で無い限り民主主義の原則から言えば当然の事だ。しかし、その基準に... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月18日 12:24

» 私の安倍さん評(2) from 無党派日本人の本音
最近マスコミやブログ上で安倍さんの批判に対する批判が厳しくなっている。然しその中には今回の社保庁の年金問題のように、政権与党である自民党の責任ではあるが、必ずし... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月19日 16:08

» 貧乏人は不幸か from 無党派日本人の本音
7月18日の夜は珍しくテレビの梯子をした。<<末期癌の患者の幸福度>><末期癌の女性>18.55から毎日放送の「愛と生命と涙の全記録」余命1ケ月の花嫁、乳ガンと... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月20日 16:13

» 9条で国が護れるのか from 無党派日本人の本音
参院選を前にして護憲を前面に出して戦っている政党がある。中には9条を名前に取り入れた政党まで現れている。 参院選を前にして、9条問題にについて前に書いた改憲論... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月21日 13:01

» モンスターペアレンツ(理不尽な父兄) from 無党派日本人の本音
7月21日の読売新聞の理不尽な親に苦慮…学校の苦情対応外注、10教委で試行へ によると、とんでもない父兄への対応に遂に文科省も乗り出しようだ。理不尽な要求に各地... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月22日 07:41

» 朝日新聞と社民党 from 無党派日本人の本音
<<たかじんのそこまで言って委員会>>7月22日「たかじんのそこまで言って委員会」を見た。メイン・テーマは「日本の誇り」。出席者はレギュラーの他に、元共産党の筆... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月23日 11:45

» 社保庁職員がスケープ・ゴート? from 無党派日本人の本音
私の属する英字新聞輪読会の資料で珍しく社会保険庁の組合員の側に立った記事があったので紹介する。なお既知の記述も多いのでその範囲は抄訳、それ以外はなるべく詳しく訳... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月24日 17:04

» 地方都市を見直そう from 無党派日本人の本音
団塊の世代の人達の大量退職にの時代になってテレビなどで余生を如何に過ごすかに関連していろいろな報道がされている。田舎に引っ込んで蕎麦を打つ、または自給自足の生活... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月25日 18:15

» 柏崎刈羽原発事故について from 無党派日本人の本音
<<原発批判>>柏崎周辺で起こった地震による原発の事故についてマスコミやブログでの批判が盛んだ。私は昔、装置産業の工場の保全を担当した経験から、原発側の立場にな... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月26日 16:04

» 親の要求で悲鳴を上げる教師 from 無党派日本人の本音
7月27日、NHKの九州向けで「親の要求で悲鳴」の放送があった。そこでは困った親の新しい例として、・不登校中の子供が行ったゲーム代を支払え。・子供が朝寝坊なので... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月28日 15:35

» 自民党大敗の分析 from 無党派日本人の本音
参院選で自民党大敗が明らかになった。これについては、私の7月19日の私の安倍さん評(2)でも書いが、選挙前ということもあり、安倍さんの政治手法について絞って書い... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月30日 15:47

» 民主党へ(1)勝因の分析 from 無党派日本人の本音
念願の参議院第一党になられておめでとうございます。しかし民主党としてはこれからがむしろ正念場だと思いますので、次の私の意見についてご参照願います。 <<民主党... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年07月31日 10:41

» テロ特措法反対の小沢さん from 無党派日本人の本音
米国大使に対して、テロ特措法反対の態度を貫いた小沢さんに対して、喝采しているブログもいるようだ。これに対して8月9日付読売の社説では、小沢VS米大使 政権担当能... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年08月11日 14:44