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2007年07月21日

サヨナラ、殿様政治(1)

麻生太郎


麻生外相失言「アルツハイマーの…」

 麻生太郎外相は19日午後、富山県高岡市内で講演し、日本と中国のコメの価格差について「(日本では)標準米の一俵は1万6000円ぐらいだが、中国では7万8000円(で売られている)。7万8000円と1万6000円はどちらが高いか。アルツハイマーの人でもこれぐらいは分かる」と発言した。対中コメ輸出の利点を分かりやすく説明し、奨励する趣旨とみられるが、近年急増しているアルツハイマー病患者や家族に対する配慮を欠いた不適切な発言。安倍内閣では、柳沢厚労相の「女性は産む機械」発言が大問題となり、久間章生前防衛相が米国の原爆投下をめぐる「しょうがない」発言で引責辞任したばかりだけに、度重なる閣僚の不適切発言として野党が追及する可能性もある。麻生氏は同日深夜、都内で記者団に「発言の一部に不適切な表現があった。おわび申し上げたい」と述べ、陳謝した。

 (「日刊スポーツ」2007年7月20日紙面から)

「5代目世襲政治家」麻生太郎殿の「いつもながら」の失言です。

この方の場合、これまでにも「失言・暴言」が多々ありました。これで何度目か分かりませんが、いちいち取り上げるのも面倒になってきますね(それが狙いなのか? 笑)。とりあえず、インターネット辞典「Wikipedia」の「麻生太郎」項目から、主だった「失言・暴言」をピックアップしてみます。

  • 2003年5月31日、東京大学学園祭において「創氏改名は朝鮮人が望んだ、日本はハングル普及に貢献した」と述べた。
  • 被差別部落出身の野中広務に対し差別的発言をしていたのではないかと疑惑がある。魚住昭『野中広務 差別と権力』によると、麻生が過去に「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」という旨の差別的発言をしたとして、2003年9月の麻生も同席する自民党総務会において、野中広務に批判された。
  • 総務大臣在任中の2005年10月15日、この日に開館した九州国立博物館の開館記念式典での来賓祝辞の中で「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにはない」と発言。
  • 2006年1月28日、名古屋で行われた公明党議員の会合で、「英霊は天皇陛下のために万歳と言ったのであり、首相万歳と言ったのはゼロだ。天皇陛下が参拝なさるのが一番だ」と述べた。
  • 2006年7月8日に広島市内で行なった公演で、北朝鮮がミサイルを撃ち、主要国が重大な関心を持ったことについて、「金正日に感謝しないといけないな」と発言した。
  • 2007年3月21日、長崎県時津町で講演。日本独自の中東和平外交として、ヨルダン渓谷の開発を進める「平和と繁栄の回廊」構想に触れ、「米国人にできないことを日本がやっている。日本人というのは信用がある。青い目で金髪だったら多分駄目よ」と述べた。「われわれは幸いにして黄色い顔をしている。そこ(中東)で搾取をしてきたとか、ドンパチ、機関銃撃ったとか一回もない」と語った。

なにしろ沢山あるのでコピーするだけでも疲れます。なお、ほかにもまだありますから、興味のある方は「麻生太郎」項目を参照ください。

こうやってみると、麻生太郎氏のいわゆる「失言・暴言」は悪意によるものではなさそうだという印象があります。特定の効果を狙ったプロパガンダという要素は少ないのかもしれない。どちらかと言えば、根本的な教養の欠如による軽はずみな発言ではないかと私は思います。

麻生氏自身にしてみれば「なぜ、これがダメなの? なんで?」が本音ではないでしょうか。だから、おなじような「失言・暴言」を何度でも繰り返してしまう。自分でも「どこがダメか」分かっていないのだから、自重しようもないのでしょうね。

その辺にいる「普通のオッサン」であれば「この程度(?)」の発言はたいした問題にもなりませんが(?)、麻生太郎氏は「普通のオッサン」ではありません。現在は要職中の要職である外務大臣を務められているし、過去にも「政界のサラブレッド」として要職を歴任してきました。やはり、「こんな失言・暴言はダメ!」と言うしかありません。

ところで、いま「麻生太郎」項目を読んで初めて知ったのですが、麻生太郎氏は学習院大学政経学部政治学科を卒業後、米国スタンフォード大学大学院、英国ロンドン大学政治経済学院に留学されていますね。う~ん、これは抜群に素晴らしい学歴です(「卒業」ではないかもしれませんが・・・)。ちょっと前に「根本的な教養の欠如」なんて書いたのは大間違いだったかもしれない。

でも、麻生太郎氏がこれまで残してきた「失言・暴言」の履歴は、どう見ても「根本的な教養の欠如」の現れとしか思えない。もし麻生氏が真の教養の持ち主であれば恥ずかしくて口にできませんよという発言の数々・・・。だとしたら全てを承知の上で悪意のこもったプロパガンダを展開してきたのか? しかし麻生氏はそれほど邪悪な人物なのだろうか? やはり「無教養」説のほうがしっくりくるのです。

なにはともあれ。こんな「失言・暴言」キングの麻生太郎氏は今のところ「ポスト安倍」第一候補という評価を得ているのだそうです。そして、ご本人も「やる気満々」なのだとか。今回の「アルツハイマー」発言も安倍総理の「足を引っ張る」作戦ではないかという観測もでているようです(麻生氏はそこまで「ワル」ではないと、私は思いますが・・・)。

それにしても「3代目世襲政治家」小泉純一郎氏の後継者が、やはり「3代目世襲政治家」の安倍晋三氏。そのまた後を継ぐのが「5代目世襲政治家」麻生太郎氏! になったとしたら、これは凄い話です。

もしかしたら「明治維新」で「士農工商」の身分制度が廃止されたというのはまったくの錯覚であったのかもしれませんね(笑)。我が国における「殿様政治」の伝統は脈々と受け継がれ、いよいよ「平成元禄」で百花繚乱と咲き乱れることとなった! 今後は「政治家の息子・娘に生まれないと、政治家になることはできない」時代がやってくるのかもしれません。

(※もちろん、そんなことになったら「日本はオシマイ」でありますが・・・)

なんとなく我々日本人は「政治家の息子(娘)が親の跡を継ぐのは当たり前」と思い込んでいます。しかし、こんな「日本の常識」は実は「世界の非常識」ではないか? と疑ってみる必要がありそうです。

当ブログではお馴染みの「起訴休職外務事務官」佐藤優氏が在モスクワ日本大使館で勤務していたころ、日本から来た政治家の誰彼を「○○議員のお父様はかつての大臣△△氏で、××議員のお父様も国会議員でした」とロシア人に紹介したそうです。ところが、親しいロシア人から「あれはやめたほうがいい」と忠告されてしまいました。「北朝鮮とおなじような政治文化を持つ国だと思われてしまう」というのが、その理由でした。

なるほど! たしかに北朝鮮の「将軍様」は父親の金日成氏から首領の地位を譲り受けた、れっきとした「世襲政治家」ですね。そして、日本でも「3代目世襲政治家小泉純一郎」から「3代目世襲政治家安倍晋三」のリレーが白昼堂々と行なわれている。確かにこれでは「北朝鮮大嫌い」な皆様が「日本と北朝鮮は違う!」と口角泡を飛ばして力説したとしても、説得力はない。外国人から見たら「おなじような国」と映ってしまうでしょう。

というわけで「そろそろ、殿様政治にはサヨナラしませんか?」というのが私(喜八=中村順)の提案です。ただし、長くなってきたので次回「サヨナラ、殿様政治(2)に続く」ということにします。


 「世襲政治家一覧


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投稿者 kihachin : 2007年07月21日 20:46

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