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2007年09月18日

『参議院なんかいらない』

『参議院なんかいらない』村上正邦・平野貞夫・筆坂秀世

元・参議院議員、平野貞夫氏と村上正邦氏の発言を『参議院なんかいらない』幻冬舎新書(2007)より引用します。やはり元・参議院議員で郵政民営化担当大臣・内閣府特命担当大臣・総務大臣を歴任した竹中平蔵氏に対する痛烈な批判の部分です。

平野 竹中平蔵はまずかった。しかも参議院議員を辞めてしまった責任は大きい。
村上 あんなのを入閣させてはいけなかった。
平野 安倍首相が八方塞がりになっているのは以前の自民党プラスアルファ路線にするのか、それとも小泉-竹中路線でいくかで股を裂かれているからです。
村上 独自色でいけばいいんです。独自路線を打ち出せるブレーンを作るべきです。
平野 独自色なんてないでしょう。竹中の参議院議員辞職は、参議院にとっては大問題です。自分勝手というか、それ以上に議会制民主主義の最たる破壊者です。国民に選ばれ、議員になったのに、それを自ら放棄するとは。
村上 竹中は意識としては、国民ではなく小泉に選ばれたと思ってるんだよ。だから平気で国民を裏切れる。
平野 彼の学んできた学校教育、家庭教育は一体どうなっているんだと憤ります。人間としてどうなっているのか。人間失格だと言いたい。私はかつて竹中に向かって「あなたは曲学阿世だ」と言ったら真っ青になっていたが、ある学者に「あなたはまだ甘い」と言われました。「竹中は曲学とも言えない。もっと悪い」と。参議院を自分の収入か面子か、あるいは特殊な事情があったのか知らないが道具に使った。
 こんな人間が議員を辞めた今でも、日本の有識者として講演したり発言するのは不条理だね(笑)。

平野貞夫氏は衆議院事務局に33年間勤務した後、参議院議員を2期12年務め引退。自他ともに認める、小沢一郎民主党代表の「側近」「参謀」として知られています。至誠と老獪を同時に持ち合わせた、一筋縄ではいかない人物です。

村上正邦氏はバリバリの右派、伝統保守政治家です。かつては「参院の天皇」という異名をとるほどの政治的影響力をもった自民党所属議員でしたが、「KSD事件」により議員を辞職。いまも裁判で戦われています。

この2人に「日本共産党ナンバー4」と目されていた筆坂秀世氏(現在は離党)が加わった鼎談本が『参議院なんかいらない』です。タイトルこそ「いらない」となっていますが、実際には参院を真の「良識の府」とするための大改革案が縦横に語られています。

上の引用文で示される竹中平蔵評には、諸手を挙げて賛成します。「あんなのを入閣させてはいけなかった」「自分勝手」「議会制民主主義の最たる破壊者」「平気で国民を裏切れる」「人間失格」「曲学阿世」「曲学とも言えない。もっと悪い」。これだけでも凄いのですが、さらに私(喜八)流に付け加えれば「買弁()御用学者」「トロイの木馬エージェント」でしょうか。

※買弁=自国の利益を顧みず、外国資本に奉仕して私利をはかること

平野 こんな人間が議員を辞めた今でも、日本の有識者として講演したり発言するのは不条理だね(笑)。

と言うより、亡命もせずに普通に生活できているのが不思議でなりません・・・。

まあ、一般的にエージェントの運命は惨めなものであると言われますし、特にアメリカの手先となったエージェントの末路は悲惨なことが多いようです(例:サダム・フセインノリエガ将軍)。今後の成り行きを、いささか酷薄な興味を持って、じっくりと観察させていただくことにしましょう(笑)。

ところで『参議院なんかいらない』には、相当にタイプの異なった方々が結集されています。いわば「異色の鼎談」本と仕上がっていると言ってよいでしょう。冒頭の「まえがきに代えて」では元「日本共産党ナンバー4」筆坂秀世氏が「最初に構想し、企画を呼びかけたのは私だった」と書かれていますが・・・。

おそらく「影のプロデューサー」がいるのだろう、と私(喜八)は睨《にら》んでいます。村上正邦氏・筆坂秀世氏とは浅からぬ関係があり、平野貞夫氏ともつながりがあるだろう人物。確証のある話ではないので実名は挙げませんが、19世紀帝政ロシアの「怪僧」にちなんだ綽名《あだな》をもつ某外務事務官「ラスプーチン」氏の影がちらついているように思えてなりません。

もうひとつ気づいたことがあります。「あとがき」の最後、編集者へのお礼が書かれている部分に神林広恵さんのお名前があるのです。神林広恵さんといえば2004年に廃刊した権力批判雑誌『噂の真相』の元デスクで、東京地検特捜部と10年にわたって戦い続けた「つわもの」です(『噂の女』神林広恵、幻冬舎、2005)。そういう方が、この『参議院なんかいらない』製作に参加されているのです(同姓同名の他人ではないでしょうね?)。

最後になりましたが、本書は単なる「放談」本などではありません。小沢民主党が政権を握ったら、3人の改革案を小沢氏に提出しようという目論見のもとに行なわれた、現実的な「政治活動」なのです。小沢一郎氏と平野貞夫氏の関係(きわめて堅い同志的絆《きずな》)、さらには現下の政治状況を考え合わせると『参議院なんかいらない』改革案が現実のものとなる可能性は、けっして低くなさそうです。


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投稿者 kihachin : 2007年09月18日 12:20

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