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2007年11月02日

トッテンビルさんと和服

ビル・トッテン関連情報
作務衣姿のビル・トッテンさん


今回は「憲法」と「和服」の話題です。

 アメリカ人は聖書とおなじくらい憲法をだいじに思っている。浮気をしてもいい、人を殴ってもいい、おカネがなかったら盗んでもいい、だが憲法は絶対守らなければいけないと考えるのがアメリカ人である。そのアメリカ人が、日本に憲法を破れ、無視しなさいと言っている。これは、アメリカ人が日本を自分の仲間だと思っていない証拠である。

 (『アメリカは日本を世界の孤児にするビル・トッテン、ごま書房1997、159-160頁より引用)

アメリカ生まれの「日本人」トッテンビルさんの指摘です。私(喜八)も常々おなじことを感じておりましたので、トッテンさんのこの文章に巡り合ったときは、思わず膝を打ちました。

「トッテンビル」というのは戸籍上の名前、いわゆる「本名」です。通称は「ビル・トッテン」。1941年米国カリフォルニア州生まれの白人男性。日本で暮らし始めて38年後の2006年08月、めでたく日本国に帰化されました。

通俗的な言い方をすれば「青い目の日本人」ですね。ただし、けっして「ガイジン」ではありません。あくまで「日本人」です。

この「トッテンビル=ビル・トッテン」さんが帰化を決意されるきっかけとなったのは「アメリカのある航空会社」および米国政府の嫌がらせ的な仕打ちでした。

2004年08月、お嬢さんの結婚式に出席するため「もともと日本人」の奥様と2人で関西国際空港からハワイに向かったところ「空港の職員や航空会社の社員は、私たちの身体を執拗に検査し、すべてのバッグや持ち物を徹底的に調べた」。ホノルル、マウイ、カウアイと「飛行機を乗り換えるたびに、空港で厳重な検査や質問を受けた」のです。

あまりのことにビル・トッテンさんが理由を問いただすと、係員からは「アメリカ政府のホームランド・セキュリティー・エージェンシーのブラックリストに載っているからだ」という意外な返答がありました。

※ホームランド・セキュリティー・エージェンシー=国土安全保障省、Department of Homeland Security。2001年09月11日の「同時多発テロ事件」以来、米国で急速に高まった安全保障意識にともない2003年01月新設された

私はこれまでの人生において、いかなる犯罪も、法的な問題も起こしたことがない」。そんな自分がこのような目に遭うのは、長年にわたり米国政府の(主に)外交政策を批判していたためだろう。このようにビル・トッテンさんは判断します。

そして「もう二度と、アメリカの土を踏むことはない」と、母国アメリカを棄てる決意を固め、「在日三八年目にして、日本に帰化した」のです。

ビル・トッテンさんは日本の歴史・文化・自然を心より愛する「日本人」です。そして日本を愛するがゆえに「日本人はアメリカ人の真似をしてはいけない」と警鐘を鳴らし続けてきました。そのために母国であるアメリカを厳しく批判してもきました。以下にビル・トッテンさんの著書タイトルを並べてみます。タイトルだけでも、トッテンさんの「思想」の片鱗が分かると思います。

日本人トッテンビルさんから、私(喜八)が学ぶべき点は沢山ありそうです。今後、「喜八ログ」でもトッテンさんの発言の数々を紹介させていただきたいと思っています。そして個人的に特に真似をしたいと思っていることがあります。それは「和服を着る」ことです。

ビル・トッテンさんの本を読んで、あらためて気づかされたのです。自分(および多くの日本人)は和服を着ることがあまりに少ない、と。自分に限って言えば、もう20年以上「和服」と呼べるような衣装を身に纏《まと》ったことがありません。20代のころに「甚平」や「浴衣」に袖を通したのが最後でした・・・。

米国カリフォルニア出身の「青い目の日本人」トッテンビルさんが「作務衣《さむえ》」を身に着け、足袋と草履で足元を固めているというのに、ネイティブ日本人である私(喜八)は年中洋服ばかり着ている! なんとも恥ずかしい話ではないか?! と、こんなふうに気づいてしまったわけです(笑)。

かくなる上は、私も「作務衣」「軽衫《かるさん》」「裁付《たっつけ》」「野良着」「どてら」など着てみたいものだ。ただし「紋付羽織袴」は堅苦しいのであまり興味は湧かないな、などと楽しく夢想しているところです。幸いなことに90代半ばにして、いたって元気な祖母がおりますから、祖母からも和装の常識を教わることができます。

ふと気づけば「和服」の和は「平和」の和に通じます。となれば「和風」は平和を愛する心の現れというものでしょう。現行憲法により規定された「平和主義」こそが「和風」の真髄なのだ! なんて「全条平和主義者)」の私は愚考しております。

※全条平和主義=第9条のみならず憲法のすべての条項を遵守《じゅんしゅ》して「平和で豊かな国」「すべての人の名誉と尊厳を重んじる国」日本を構築しようという主義主張

というわけで、敬愛する友好ブロガーの皆様も「和服」を通して「和風」を楽しんでみませんか? これは楽しそうですよ!


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投稿者 kihachin : 2007年11月02日 12:57

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