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2007年12月03日

そのまんま東とビートたけし

そのまんま東
結論から言えば・・・。

そのまんま東氏自身には軍隊経験がないし、「たけし軍団」の一員として放埓《ほうらつ》な青春を送ったはずだ。その上、未成年者の買春・後輩芸人への暴力・雑誌編集者への集団暴行(フライデー襲撃事件)・師匠のカネを持ち逃げ()、などの「前歴」の持ち主でもある。かくのごとき東氏が「道徳や倫理観などの欠損が生じ」なんて言っている。おいおい、よく言うよ。そのまんま東よ、恥を知れ!

であります。

※ビートたけし氏の証言による

念のために「朝日新聞」の記事を以下に転載しておきましょう。

★引用開始★

「徴兵制あってしかるべき」東国原知事が持論展開
2007年11月28日20時53分
 宮崎県の東国原英夫知事は28日、宮崎市の知事公舎であった若手建設業者らとの懇談会で「徴兵制があってしかるべきだ。若者は1年か2年くらい自衛隊などに入らなくてはいけないと思っている」と述べた。記者団に真意を問われた知事は発言を撤回せず、「若者が訓練や規則正しいルールにのっとった生活を送る時期があった方がいい」と持論を展開した。
 懇談会には県建設業協会青年部の地域代表ら12人が参加。若手の育成方法などが議論になり、知事が個人的意見として語ったという。
 懇談会の終了後、知事は「道徳や倫理観などの欠損が生じ、社会のモラルハザードなどにつながっている気がする」と言及。「軍隊とは言わないが、ある時期、規律を重んじる機関で教育することは重要だと思っている」と語った。

★引用終了★

と、ここで終わりにしておいてもいいのですが(笑)、「ついでに」思いついたことを書いておきます。

つい先日、そのまんま東氏がとあるテレビ番組で1986年の「フライデー襲撃事件」について言及していました。ここで東氏は大変に興味深い証言をしていたのです。

その前に「フライデー襲撃事件」のことを知らない方のために、ざっとおさらいをしておきますと・・・。当時、人気絶頂にあった「お笑い芸人」ビートたけし氏が、交際中であった「愛人」女性に対して雑誌「フライデー」記者が強引な取材を行なったことに激昂し、弟子の「たけし軍団」11人とともに雑誌発行元の講談社(東京都文京区音羽)を襲撃し集団暴行を加えたという事件です。

この「フライデー襲撃事件」に関して、なんと! そのまんま東知事は「自分は行きたくなかったが、師匠のたけしに『おい、行くぞ』と言われて、嫌々付いて行った」と明言しました。

なんでも、当時の東氏は推理小説家になりたかったのだそうですが、ミステリ作家志望者の登竜門である「江戸川乱歩賞」は講談社が主催しています。その講談社の発行している雑誌「フライデー」編集部を襲ったりしたら、一生、江戸川乱歩賞をとれないと思ったのだそうです。

「フライデー襲撃事件」事件直後の時期はマスメディアがさかんに「たけしが1人でも行くと言うところを、弟子たちが自発的に付いて行った」というような「報道」をしていたのを私(喜八)は記憶しておりますが・・・。これは「事実」ではなかったようですね。

「フライデー襲撃事件」の当時、マスコミもファンもビートたけし氏に同情的な意見が主流でした。「覗き見写真雑誌『フライデー』が無茶な取材をしたのが原因だ。たけしの気持ちはよく分かる」といった擁護的な論調が多かったのを覚えています。

ビートたけし氏に批判的だったのは、私の記憶では横山やすし氏(漫才師)・佐藤愛子氏(小説家)。安部譲二氏(小説家)など、ごく少数でした。そして、かくいう私(喜八)も「ビートたけし氏の『襲撃』はダメ!」と確信していました。「暴力行為はとにかくダメ」なんていう単純な(?)理由ではないですよ(笑)。

横山やすし氏は端的に「ドアホ! 一人で行け!」と吼えていましたね。佐藤愛子氏もまったく同じように思ったそうです。当時、佐藤愛子さんと一緒に暮らしていたお嬢さんがテレビを見ているとき「ママとおなじ意見の人がいるよ!」というので覗いてみると横山やすし氏であったというエッセイを書かれています。

私(喜八)自身も横山・佐藤両氏とまったくおなじことを思ったのですが、当時から現在にいたるまで、この「一人で行け!」論は少数意見であり続けているようです。

というわけで、なかなか理解してはもらえないと思いますが、「なぜ、たけしのフライデー襲撃はダメなのか?」を説明してみますね。

これまた結論から言えば、明白な違法行為である「殴りこみ」に「弟子」たちを連れて行くのは、卑怯未練を通り越して醜悪きわまる振る舞いなのです。これが「親分」「兄貴分」といった上位者、あるいは「五分《ごぶ》の兄弟分(義兄弟)」に一緒に行ってもらうのならいい。しかし、下位者である「弟子」を「おい、行くぞ」と動員するのは全然ダメなのです。

これはある種の「侠客(任侠)感覚」なのかもしれません。だから、一般の「堅気」の人たちには理解してもらいにくい価値基準なのかもしれない。

横山やすし・佐藤愛子・安部譲二さんたちは「侠客性」がきわめて強い人たちだから、ビートたけし氏の振る舞いが卑怯未練なものであることを、理屈抜きに分かったのだろうと思います(佐藤愛子氏の父君・佐藤紅緑は若いときは物凄い不良で、長じてからも侠客的な感性を強くもった人でした)。

このエントリのちょっと前にも書きましたように私(喜八)は「暴力行為はとにかくダメ」というような「暴力=絶対悪」論者ではありません。大の男が女性や子供に暴力を振るうのは(もちろん)論外だけれども、男同士が時に「身体を張った荒っぽいコミュニケーション」を行なうのは一概に否定しません。

ビートたけし氏が「フライデー」記者の強引な取材に怒るのはかまわない。というより大いに怒るべきである。その結果「殴りこみ」をしてもいい・・・とは言わないが、同情はする。ただし、「弟子」たちを連れて行ったのは全然ダメである。

もし、ビートたけし氏が「たった1人」で殴り込みを敢行したのであったなら、あるいは浅草時代から兄貴分的存在だった石倉三郎氏と2人で殴り込みを敢行したのであったら、私(喜八)はある種の感動すら覚えていたかもしれません。大きな声では言えないけれど、「たけし氏はエライやっちゃ!」と思ったかもしれない。

しかし、現実にはビートたけし氏は弟子たちに「おい、行くぞ」と命じて、大勢でゾロゾロと「討ち入り」を果たした。これは何故か私の中に在る「侠客感覚」に照らし合わせると、まったく醜悪な振る舞いというしかないのです。師匠の命令に逆らうことができない「弟子」たちを連れて行ってはいけないのです。繰り返しになりますが、兄貴分や五分《ごぶ》の兄弟分ならばいい。

事件後、たけし氏は弟子たちに「おいらが日雇い作業員でもなんでもして、お前たちを食わせてやるからな」というようなことを言ったらしい。これは、名前を思い出せないけれど、襲撃に参加した「たけし軍団」のひとりの証言です。その弟子氏は師匠の言葉に「感激した」と言っていました。

しかし、これもやっぱり「ダメ」だろうと思います。

11人の弟子たちを本当に「日雇い作業員」仕事で養うことが可能でしょうか? 口先で言うだけなら、なんだって「できる」わけですからね。このエピソードにもビートたけし氏の「計算高さ」を私(喜八)は感じてしまうのです。

そのまんま東氏とビートたけし氏。「弟子も弟子なら、師匠も師匠だなあ」というのが正直な感想ですが・・・、現在は政治の世界と距離をおいている師匠ビートたけし氏はともかく、「政治家」そのまんま東氏の今後は心配ですね。結局のところ、東氏は「ミニ石原慎太郎」的な路線をとっていくのではないか? という「イヤな予感」があります。


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投稿者 kihachin : 2007年12月03日 12:33

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