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2008年02月27日

「三浦さん」

三浦和義さん

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三浦和義容疑者逮捕、81年の妻殺害容疑
 米ロサンゼルス市警は23日、1981年11月にロサンゼルスで起きた銃撃事件で妻を殺害したとして、殺人と共謀の容疑で会社役員三浦和義容疑者(60)が米国自治領のサイパン島の空港で22日午後、事件から約27年後に逮捕されたと発表した。米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は23日、ロサンゼルスで裁判を受ける可能性があると伝えた。日本の政府関係者と捜査当局も逮捕を確認した。

 (「日刊スポーツ」2008年2月24日記事より。記事の全文はこちら


おおよそ30歳以下くらいの人たちは「ロス疑惑」という言葉を聞いたことがないかもしれないし、三浦和義氏がどういう人かもよく分からないだろうと思います。

1981年08月31日、三浦和義・一美夫妻が米国ロスアンゼルスを旅行中、宿泊していたホテルの部屋で妻の一美さんが侵入してきた女に鈍器で頭を殴られ負傷した「殴打事件」。

同年11月18日、ロスアンゼルスのダウンタウンで三浦和義・一美夫妻が何者かに銃撃され、一美さんは意識不明の重態となり、翌1982年の11月30日に意識を取り戻すことなく死亡。一美さんの死亡により、三浦和義氏が1億5500万円の保険金を受け取った「銃撃事件」。

1984年になって、この「殴打事件」と「銃撃事件」に関して雑誌「週刊文春」が「疑惑の銃弾」と銘打って、三浦和義氏が保険金目当てで妻の一美さんを殺害したのではないかという主張を始めます。

「『週刊文春』の後に続け」とばかりに、テレビ・新聞・雑誌などメディア各社が、この「ロス疑惑」報道に続々と参入し、三浦和義氏に関してあることないこと「やりたい放題」の報道合戦が行なわれるようになりました(それらの「報道」の中には完全に事実無根のものも少なくなかったようです)。

この過程で三浦和義氏は一種の「大物タレント」のような存在になっていきました。テレビは「三浦さん」のことを取り上げれば視聴率が稼げる。新聞雑誌は部数(売り上げ)を伸ばせる。三浦和義氏はメディア各社により公然と「殺人犯ではないか」という疑惑を投げつけられながらも、一方で「日本人の誰もが知る」ような著名人となったのです。

当時、テレビ司会者・解説者・作家・タレントたちは三浦和義氏のことを「三浦和義さん」「三浦さん」「三浦社長」というように呼んでいました。「三浦」とか「三浦和義」と呼び捨てにするテレビ主演者は少なかった。それはそうでしょうね。マスコミ各社が「疑惑」を騒ぎ立ててはいても、当時の三浦氏は逮捕されたわけでもない「一般人」だったからです。

マスメディアが公然と「保険金殺人」疑惑を報道し続け、しかし三浦和義氏を「三浦さん」と呼び続け、三浦氏を一種のビッグタレントのように扱い続ける。こんな奇妙な時間が長く続きました。結局、三浦氏が逮捕されることはないのだろうと思った人も少なくなかったと思います(私もその一人でした)。

反面、「超法規的措置でも何でもいいから、三浦和義を逮捕しろ!」なんていう人も結構いましたね。当時、慶應大学生だった友人が「なんでもいいから逮捕せよ」説を強く主張していたので、「司法機関が気軽に『超法規的措置』をとるほうが、よっぽど恐ろしいよ」と反論したことを覚えています。

1985年09月11日、警視庁は三浦和義氏を前述「殴打事件」での殺人未遂容疑で逮捕。三浦氏の「元愛人」とされるYさんが自分が「殴打事件」の実行犯であったとサンケイ新聞紙上で告白したのが逮捕のきっかけとなりました。そして彼女の証言が決め手となって、三浦和義氏は懲役6年の実刑が確定しました(Yさんは懲役2年6ヵ月が確定)。

さらに「殴打事件」公判中に三浦和義氏は「銃撃事件」でも告訴され、一審では無期懲役の判決となりました。しかし、二審では逆転無罪。検察側は(当然のように)上告したのですが、2003年03月05日、最高裁で無罪となり、三浦和義氏の「銃撃事件」での無罪が確定。

以上、いわゆる「ロス疑惑」をごくごく大雑把に解説してみました。法的に言えば、三浦和義氏は「殴打事件(殺人未遂)」では有罪、「銃撃事件(殺人事件)」では無罪ということになりますね。

「三浦氏は本当に殺人を行なったのか? それとも総ては冤罪だったのか?」というようなことは軽々しく言うべきではないと思います。が、日本の刑事裁判における有罪率が「99.9パーセント」であることと、検察・警察がこのような「有名事件」で三浦氏を有罪にするべく全力を上げたであろうことを考え合わせると、やはり「無罪」の最高裁判決を虚心坦懐に受け入れるべきだろう、と(喜八)は考えます。

ところで、当エントリのタイトルでもある「三浦さん」という呼称について、非常に印象的なできごとがあったことを記しておきましょう。

前述のように、1985年09月11日、三浦和義氏が逮捕された途端、これまで三浦氏を「三浦さん」と呼び続けてきたメディア各社が一斉に「三浦」「三浦和義」と呼び捨てにし始めたのです。当然、各社にはそれぞれの内規があって逮捕を境に「さん」を外したのでしょうけれど、それまでが「三浦さん」という有名タレント扱いであったためもあり、一夜にしての「呼び捨て変化」には、なんだか空恐ろしいものを感じました。

当時、とある趣味の会で知り合いだった某大手新聞記者氏も、昨日まで「三浦さん」と言っていたのが、即座に「三浦」に変わりました。彼が「三浦」と呼び捨てにするのを聞いて、「普段、この人は結構『反体制的』なことも言ってるけど、骨の髄まで組織に順応している組織人なのだなあ」と痛感したことを覚えています。

かくいう私(喜八)は稀代のヒネクレ者でウルトラKY()ですから(笑)、世間様の基準に合わせて、三浦和義氏のことを呼び捨てにする気持ちにはなれませんでした。だから、当時もいまも「三浦和義氏」あるいは「三浦さん」という呼び方をしています。

※KY=空気読まない

そもそも私の基準では、他者を「呼び捨て」にしたり「お前」呼ばわりをするのは、相手が「不倶戴天《ふぐたいてん》の敵」であり状況次第では「生死を賭けた闘争をする」可能性がある場合に限ります。それ以外では、相手が「明らかに自分より弱い人」や「年下」であっても、呼び捨てや「お前」呼ばわりはしない。これは一種の「野生感覚」かもしれません。

三浦和義氏の生き方に共感を覚えたことは一度もないし()、「おそらく(私とは)ぜんぜん気が合わない方だろうなあ」という気がしますが、いかなる意味においても三浦和義さんは私の「敵」ではなさそうですので、今後も「三浦さん」もしくは「三浦氏」と呼ばせていただくこととします。

※三浦氏はずいぶん女性にモテる人なんだな、と思ったことはあります


付記

友好ブログ「とむ丸の夢」さんの以下の記事を大変に興味深く読ませていただきました。

ロス疑惑ポルノ 国土省のデータ破棄


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投稿者 kihachin : 2008年02月27日 19:54

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