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2008年03月11日

猫を拾う

1992年当時の「喜八」


現在発売中の「中央公論」2008年04月号に雨宮処凛さん(作家)と佐藤優さん(起訴休職外務事務官・作家)の対談が掲載されています。「戦後初めて、若者が路上に放り出される時代」というタイトルがつけられています。

いまのところ一度ざっと読んだだけなのですが・・・、雨宮処凛さんが佐藤優さんに若干の警戒心を抱いている様子が伺えるような、気がします(笑)。

雨宮処凛さんは「声の大きい人」や「弁の立つ人」は苦手なんだろうと思います。逆に「声の小さい人」や「ボソボソ喋る人」に対しては惜しみなく慈愛を注ぐ「プレカリアートのマリア観音」なのでしょう(スミマセン、勝手に決め付けています)。

佐藤優さんという人はひとたび喋り始めると「立石に水」で大変に能弁な方ですから、雨宮処凛さんに警戒される要素は充分にもっていそうです。魅力的な雨宮処凛さんを前にしておそらく佐藤優さんは常にも増して張り切っただろうと思います(笑)。が、それは逆効果になった可能性が高い・・・。

雨宮処凛さんに対しては「ダメ戦略」を用いるのがよいと思います。敢えて自分のダメな部分を前面にだしてアプローチする。これが有効な「対・雨宮戦略」になるでしょう。「論壇の風雲児」で「碩学《せきがく》」の佐藤優さんは意外なことに、結構ダメな部分も持っていますから()、そこを利用していくのです。

※佐藤優さんが読んだら激怒するかも・・・汗

上にも書いたように佐藤優さんは大変に能弁な方です。ひとたび話を始めれば、数多くの聴衆をぐいぐいと引き込む強い力を持っています。その点はまさに帝政ロシア末期の「怪僧ラスプーチン」に近いものがあります。が、佐藤さんは別の面も持っているのですね。

佐藤優さんはたびたび「自分は人見知りが強くて・・・」と書かれています。実際の佐藤さんを知っている人の中には「あれだけ多くの人たちと付き合っている佐藤優が『人見知りが強い』なんてのはトンデモナイ話だ! 嘘をつけ!」と言われる方も少なくないようですが・・・。

私(喜八)は佐藤優さんの「人見知りが強くて・・・」は掛け値なしの真実だろうと思っています。というのは以前「佐藤優講演会」を聴きに行ったとき、その際初めて「生」で佐藤さんを見たのですが、第一印象は「ジミー大西氏に似ている」だったからです。

強い含羞を含んで「グシャー」と笑う感じが、かつては「お笑いタレント」で現在「画家」のジミー大西氏に似ていたのです()。正直に言って私はそんな佐藤優氏のたたずまいに好印象を抱きました。その直後講演が始まると、佐藤優さんは颯爽としたインテリジェントな人物に変身しました。この点にも好印象を抱きました。

※私はジミー大西氏を「本物の芸術家魂」を持った方だと認識しております

つまり、佐藤優さんの中には「顔見知りの強い内向的な人格」と「非常に能弁で外交的な人格」が同居しているようなのです。おそらく多くの人は前者の「外交的で能弁な人格」のみを見ているでしょう。そして多くの場合、こちらの人格のほうが「使える」のでしょう。

ただし、雨宮処凛さんに対しては「顔見知りの強い内向的な人格」を前面にだして、対談の最初のうちはボソボソと話したほうがよかっただろうと思います。その際、目線も合わさないようにしたほうがいいでしょうね(笑)。そして話題は・・・。

マガジン9条 雨宮処凛がゆく!
「生きる意味」を教えてくれた猫

ずばり「猫を拾う」です。雨宮処凛さんは元・野良猫の「ぱぴちゃん」と「つくし」ちゃんを溺愛されています。猫好きの人には猫の話をする。まさに王道アプローチです。しかも、佐藤優さんもまた「猫を拾う」方なのです。子供のころも大人になってからも野良猫を拾った経験があり、そして自分が「ブタ箱」にぶち込まれているときも、野良猫のことを心配するような人でもあります。

拘置所の中は猫たちにとっては天国で、楽しそうに暮らしている。公園や学校の庭ではいじめられたり、いたずらされる危険があり、路地では自動車の危険があるが、拘置所の中は猫にとっての危険は少ない。面会場への移動途中、野良猫や庭猫のみならず、飼い猫も遊びに来ているようだった。
なぜ「タマちゃん」は自由に生活できるのに、帷子《かたびら》川周辺のノラ猫たちは駆除されるのか? 少なくとも具体的に人間に危害を加えていない仔猫たちがなぜ毎日殺されないとならないのか?

(『獄中記』岩波書店、270頁および275頁)。

そういえば佐藤優さんは次のような発言もされていました。

「猫のように生きたい。どこのベランダに行くかは自分で決める」
「社会の8割は《犬》でいい。が2割は《猫》が必要。自分は猫でいたい」

これは佐藤さんの講演会で実際に私が聞いた言葉です(「佐藤優さん講演会(3)」)。

そして「猫を拾う」の次の話題は「生きづらさ」でしょう。雨宮処凛さんが「生きづらさ」に徹底的に拘《こだわ》った言論活動を展開されているのは周知の事実ですが、私の見るところ、佐藤優さんもまた特大級の「生きづらさ」を抱えて生きている方なのです(スミマセン、勝手に決め付けています)。

佐藤優さんのお母様は昭和20年(1945)の沖縄地上戦で九死に一生を得た経験から、戦後キリスト教(プロテスタント)に帰依しました。佐藤優さんは子供のころから教会に通っていましたが洗礼は受けず、それどころか無神論に興味を抱き、無神論を研究するために同志社大学神学部に進学しました。もう、この記述からだけでも佐藤さんの「生きづらさ」が想像できますね。

しかし、同志社大学神学部に進学した佐藤優さんは結局洗礼を受け、クリスチャンになる道を選びます。波乱万丈の半生を送ってきた佐藤さんですが、洗礼を受けた後は、その信仰が揺らいだことは一度もないそうです。そして、これまた私の勝手な決め付けなのですが、もし佐藤優さんがキリスト教に帰依していなかったら、佐藤さんは自殺していたか、破滅的な生き方をして早死にしていたのではないかと思っています。佐藤優という特大級に複雑な人物を理解するには、佐藤氏が「キリスト教徒」であるという点を閑却してはならないでしょう。

というわけで「猫を拾う」と「生きづらさ」、これが雨宮処凛さんと佐藤優さんの双方にある共通テーマです。この部分をしっかり抑えていけば、雨宮処凛・佐藤優共闘は磐石だ! と私(喜八)は思うのであります。勝手なことばかり申し上げて、お2人には大変に失礼しました・・・。


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投稿者 kihachin : 2008年03月11日 12:04

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