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2008年04月14日

ムネオ先生

鈴木宗男さん(清掃活動中)
鈴木宗男さん:北海道摩周湖付近で真剣にゴミ拾い


まずは鈴木貴子さん(鈴木宗男衆議院議員のお嬢さん)の「お父さん」論を紹介します。雑誌「週刊朝日」2008年03月28日号掲載記事「親子のカタチ」から一部引用させていただきます。

 娘と何を話せばいいのかわかんないんだよね。お父さんの性格は、不器用でバカ正直でバカ真面目だから。それなのに嘘つき呼ばわりされて、最初は政治家として叩かれ、人間鈴木宗男としても叩かれて捕まった。すべてが否定されたことがホント悔しかった。

今にして思えば2002年の「ムネオ・バッシング」というのは常軌を逸していました。テレビ・雑誌のみならず「全国紙」と称されるような新聞ですら「ムネオ(鈴木宗男)とラスプーチン(佐藤優)はロシアのスパイ・売国奴」といわんばかりの報道をしていました。もちろん、そこは「大新聞」らしく要領よく「匂わせるだけ」で、ずばり「スパイ・売国奴」と断定はしないのですが。

そして、私(喜八)は能天気かつノンポリかつメディア・リテラシーに欠ける男でありましたから、当初はすっかり「ムネオ・バッシング」報道に洗脳されてしまいました。とある雑誌に「鈴木宗男は日本一ダーティーな政治家」なんて表現があり、これに感心して「なるほど、ムネオもラスプーチンも悪いやつらなんだ」とすっかり思い込んでおりました。

それが「あれ? なんかおかしいぞ?」と思い始めたきっかけは、以前にも書きましたように、鈴木宗男氏逮捕直前に撮られた報道写真でした。狂気のメディアスクラムのため、ホテルにカンヅメ状態となっていたムネオさんがホテルの非常階段を走って上り下りする「階段ジョギング」をしている様子。これが某写真誌により撮影され公開されたのです。

この写真を見た私(喜八)は「ムネオ氏はとことん戦うつもりだな。なんて凄いガッツだろう!」と素直に感嘆しました。私だったら心労のあまり胃に穴があいてヘナヘナとなり、たとえ自分に非がなくとも「長いものには巻かれろ」とばかりに、白旗を揚げてしまうような状況です(多くの人も同じではないでしょうか)。しかるに鈴木宗男氏は身体を鍛えて「徹底抗戦」の構えを見せている。ムネオ氏は「悪いやつ」なのかもしれないが、同時に「並々ならぬド根性の持ち主」だという認識が私の内に生まれました。

いまにして思えば、鈴木宗男さんは自分が「無罪である」という確固たる信念を持たれていたから猛烈な「ムネオ・バッシング」の渦中にあっても、ああやって「階段ジョギング」で身体を鍛えることができたのでしょうね。「自分は有罪である」と思いながら、なおかつ戦いを続行できるほどムネオ氏が「ワル」であるとも思えません。お嬢さんの貴子さんが言われるように、たしかに鈴木宗男さんには「不器用でバカ正直でバカ真面目」な面がありそうです(同時に抜け目のない戦略家・ウルトラリアリストの面もあると思いますが)。

ふたたび「週刊朝日」2008年03月28日号からの引用です。

 だけど、家にいるときのお父さんは本当にダメ(笑)。朝起きて第一声が「おい、母さん」。「おい、母さん、俺のパンツはどこだ」「おい、母さん、お湯はどうやって出すんだ」……。とにかく生活面においては常識とかけ離れていて、ホテルで寒くてもエアコンのつけ方がわからなくて我慢するタイプ。そのくせ頑固で弱音を吐かないから、家族は大変で。それに、こう見えて結構寂しがりやなんだよね。そういうところに、父親として愛せる要素がある。政治家として大声で演説してる姿を見て尊敬する部分と、まったく威厳のない家での姿をみて可愛いと思う部分と、どっちもあってのお父さん。

娘から見た「ダメ」な父親の姿(笑)。とはいえ、ここで私が非常に感心するのは鈴木貴子さんの「広報担当官」としての優秀さです。上の発言を目にした多くの方が「鈴木宗男って、ちょっとコワモテ風だけれど、意外に普通の『お父さん』で普通の人なんだな」と思われるのではないでしょうか。そして自分の父親の「ダメ」な姿を思い出しながらも「ムネオさんって、やっぱり『いい人』かも?」と感じ始める。意識して「ダメ戦略」をとったかどうかは分かりませんが、鈴木貴子さんには「広報」に関する天賦の才が備わっているのではないでしょうか。

ちなみに鈴木宗男さんが「おい、母さん」と頼りにされている奥様は大変な「女丈夫(じょじょうふ、気性が強くしっかりしている女性)」であろうと思われます。たしか、お嬢さんの貴子さんも「お母さんは最強の母親」と評されていたと記憶しています。「鬼の」東京地検特捜部により逮捕され拘留が2ヵ月を過ぎたころ、「もう少しのところで検察に屈してしまうところだった」だったムネオさんを救ったのが奥様の次の言葉でした。

「悪いことをしていたと思うのならバッジを外して、政治家を辞めなさい。でも、悪いことをしていないのなら、信念をもって闘ってください。後援会の皆さんから、あなたを信じているという声がたくさん届いています。事務所の秘書も歯を食いしばって頑張っていますよ」

 (『闇権力の執行人』鈴木宗男、講談社+アルファ文庫、2007)

いやー、これは凄い! この夫(逮捕直前に階段ジョギングで身体を鍛える)にして、この妻あり。いや、この妻(信念をもって闘ってください)にして、この夫ありでしょうか。何度読み返しても、そのたびに心打たれる素晴らしい言葉です。恥ずかしながら四十台後半にして「独身」の私も、ムネオさんの奥様のような毅然とした立派な女性に巡り合いたいと強く思うのであります(その前には自分自身が毅然として立派でないといけませんね。汗)。

さらに「週刊朝日」記事から引用させていただきます。

 バッシングとか病気とか、ちょっとやそっとじゃ動じないお父さんの強さは、天命だと思う。どんな逆風にあっても、カムバックできて常に支えてくれる人がいるのは、才能とか努力以外の何かがあるから。じゃないとおかしいよ。計算しないタイプだし、世渡りはすごい下手だし。私は22歳でひよっこだけど、お父さんみてるとホント、「もっとうまくやれるだろう!」って(笑)。だけど、誰かが教えてもそうできないんだよね。鈴木宗男に実際会って話した人が離れない理由は、そこにあると思う。

鈴木宗男事務所の職員は「なかなか辞めない」ことで知られています。故・中川一郎衆議院議員の「片腕」として「日本一忙しい議員秘書」と評判をとったこともあるムネオさんですから、事務所のメンバーにもレベルの高い要求をされると思います。だから仕事自体は結構キツイはずなのです。それでもなかなか辞めない。中川一郎時代から継続して鈴木宗男事務所で働いている方も少なくないそうです。また、「ムネオシンパ」と見なされて外務省をパージされた元外交官・東郷和彦氏も鈴木宗男さんは「非常な風圧の持ち主」だと証言されています(『北方領土交渉秘録』新潮社、2007)。となれば、鈴木宗男事務所で働くことはけっして楽ではないだろうと思われるのですが、それでも「なかなか辞めない」のは何故でしょう?

さらには「後援者」の多くも離れていかない。常識的に考えても「斡旋収賄罪」「議院証言法違反」「政治資金規正法違反」で逮捕され、437日ものあいだ拘留され、一審・二審で有罪判決を受けた「先生」の元からは続々と「後援者」が離れていくのが普通でしょう。有力な支持者の中には、検察に呼び出され、あることないこと訊かれ、何度も呼び出されイヤな思いをした方もいらっしゃるようですが、それでも「鈴木宗男を支持する!」という人が少なくない。

「これはいったい何なのだろう?」と思いますね。一般常識では測りがたい事態が進行している。鈴木貴子さんが言われるように、まさに「天命」が働いているとしか思えません。

そういえば、ムネオさん・佐藤優さん(起訴休職外務事務官・作家)・秘書のMさんの3人が逮捕拘留され検察による熾烈な取調べを受けていた際の報道を思い出します。この3人は(ほとんどの被疑者がやるように)ペラペラと自分に都合のいい供述をして「仲間を売る」ようなことは一切しませんでした。たしか「スポーツ報知」であったと思いますが、鈴木宗男・佐藤優・M秘書の3人を「鉄の三角形」と形容していました。これにも私は強く心を打たれました。当時「鈴木宗男は悪人なのかもしれないが()、それにしてもよほどの人間的魅力の持ち主に違いない」と友人に話したことを覚えています。

※すみません。その時点でまだ「悪人」だと思っていたのです

佐藤優さんは自身と鈴木宗男さんの関係を、夏目漱石の小説『こゝろ』の主人公「私」と「先生」のような関係だと書いておられます(『獄中記』岩波書店、2007)。この感覚を私(喜八)も少しずつ共有するようになってきました(あくまで一人勝手な「共有」ですが)。私もまた、鈴木宗男さんの次の言葉を「座右の銘」として、ひとりの「下翼《げよく》」として、シブトク優しく生きていきたいものだと思っております。

俺が俺がの「我《が》」の世界ではなく、おかげおかげの「下《げ》」の世界で生きることが大事である。一片の思いやり、慈しみ、優しさ、愛情を持って毎日を送りたいものである。


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投稿者 kihachin : 2008年04月14日 17:10

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