【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« 感銘を受けた本(前編) | メイン | 「週刊ブックレビュー」伊勢崎賢治さん »


2008年05月24日

感銘を受けた本(後編)

郵政民営化凍結

郵政民営化凍結」TBキャンペーンを行なっています。

人気blogランキング ランキング投票をお願いします


昨日(05-23)のエントリ「感銘を受けた本(前編)」の続編です。
喜八の「これは凄い!」本リストを「著者名・五十音順」で紹介します。


『失敗の愛国心』鈴木邦男
失敗の愛国心
鈴木邦男、理論社(2008)

マスメディアからは「新右翼」と形容されることもある鈴木邦男さん(民族派団体「一水会」最高顧問)が、きわめて率直に自身の「愛国運動史」について書かれています。鈴木さんの本を(おそらく)20冊近く読んでいる私にとってはいつもの「鈴木邦男節《ぶし》」に感ぜられますが、本書が想定している15歳前後の若い人が読んだら「『右翼』って、こういう人だったのか?!」と驚くかもしれませんね。ちなみに私が『失敗の愛国心』でもっとも感動した部分は、巻末に収録されている「谷川俊太郎さんからの四つの質問への鈴木邦男さんのこたえ」でした(ぜひ読んでみてください)。それと、鈴木邦男さんがかつて高校生の頃「いじめられっ子」であったことをカミングアウトされているのにも心を打たれました(224頁)。そして「もしかしたら、これも雨宮処凛効果かな?」と思いました。私(喜八)自身、雨宮処凛さんのおかげで自分が「ダメな奴」であるという事実を認めることができて、「ダメでも何でも自分の好きなように生きていこう」と開き直ることができて、ずいぶん楽になりました・・・。

『失敗の愛国心』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する


『貧困大国アメリカ』堤未果
ルポ貧困大国アメリカ
堤未果、岩波新書(2008)

堤未果さんは米国ニューヨークの会社に勤務していた際、「911テロ」の惨状を実際に目撃し、そののちジャーナリストへと変貌されました。堤さんはその著書・雑誌記事等でアメリカ「超」格差社会がいかに個々の人たち(主に貧しい人)の犠牲の上に成り立っているかを告発し続けています。しかし、堤未果さんによる批判はアメリカ「弱者」への強い愛情に基づいています。その意味で堤さんは「真の親米派」といえるかもしれない、と私(喜八)は思っています。『ルポ貧困大国アメリカ』では、戦争こそが国家レベルの「貧困ビジネス」である、という指摘がなされています(146頁)。戦争の本質をこれほど的確に捉えた表現も少ないのではないでしょうか。

『貧困大国アメリカ』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する


『愛国心を考える』テッサ・モーリス-スズキ
愛国心を考える
テッサ・モーリス-スズキ、岩波ブックレット(2007)

オーストラリア国立大学教授テッサ・モーリス-スズキさんによる「愛国心」の考察。前半は碩学《せきがく》がコンパクトにまとめた教科書的記述で大変に勉強になります。後半に入ると、英国生まれのテッサさん自身が「自分は(オーストラリア)の愛国者だった」と気づいたきっかけとなった「クロヌラ暴動」の記述など、読み応えがどんどん増していきます。愛国心・パトリオティズム・ナショナリズム・ジンゴイズムを考える上で外せない1冊です。なお、テッサさんは作家森巣博氏の長年の「パートナー」でもあります。

『愛国心を考える』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する

『源氏物語(全10巻)』紫式部・瀬戸内寂聴訳
源氏物語(全10巻)』
紫式部瀬戸内寂聴訳、講談社文庫(2007)

瀬戸内寂聴さん(僧侶・作家)の「もし、まだ一度も源氏物語を読んでいないとすればそれは恥だ。千年も前に、世界中の誰も書いていない長編恋愛小説を書いた女がいた。それは日本の誇りだ。世界中のインテリが源氏物語に感動しているのに、日本人のわれわれが分からないと言えようか」という檄《げき》に即座に呼応し、寂聴現代語訳版『源氏』を読み始めました。つい先日、最後の10巻目を読み終えたばかりです。素晴らしい読書体験でした。『源氏物語』に接することで、じつに多くのものを得たと強く感じています。その正体は何か? が自分でもよく分かりませんが・・・。ちなみに私(喜八)が『源氏』の膨大な登場人物の中でもっとも魅力的に思えるのは「六条の御息所《ろくじょうのみやすどころ》」です。この点は瀬戸内寂聴さんと一致しています。寂聴先生は「御息所の怨恨《えんこん》の情念は類い稀れな純愛の裏返し」であるとも喝破されています(『「源氏物語」を旅しよう』講談社文庫、168頁)。私は「瀬戸内寂聴さんこそは六条の御息所なのだ」とも思っています。

『源氏物語』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する


『新しい株式投資論』山崎元
新しい株式投資論
山崎元、PHP新書(2007)

経済評論家山崎元《やまざきはじめ》さんによる、実に知的で楽しい株式投資本です。私(喜八)はすでに3~4回通読しています。山崎投資理論は本書217-227ページで解説されている「不美人投票」論に集約されていると言えますが、私の能力ではこれを的確に紹介することはできません。興味のある方はぜひとも『新しい株式投資論』に直接当たってみてください。なお、「不美人投票」とは有名なケインズの「美人投票」の「裏」をとった理論です。

『新しい株式投資論』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する


『反貧困』湯浅誠
反貧困
湯浅誠、岩波新書(2008)

著者の湯浅誠さんは、広い意味での「ホームレス状況」におかれている人の暮らしの基盤作りを支援する特定非営利活動法人「もやい」の事務局長です。いまこの瞬間も急激に広まりつつある「貧困」と戦い続けている方です。湯浅誠さんは現代日本で最も重要な人物の1人である、と私は思っています。本書『反貧困』も大変な力作です。まだ、一度読んだだけですが、名著であると強く感じました。湯浅さんが『反貧困』213ページで主張されている「憲法九条(戦争放棄)と二五条(生存権保障)をセットで考えるべき時期に来ている」という言葉に諸手を上げて賛成します。おそらく今後「護憲運動」はこの方向で力と勢いを増していくのではないでしょうか。

『反貧困』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する


郵政民営化凍結

郵政民営化凍結」TBキャンペーンを行なっています。
ご協力をお願いします。


人気blogランキング ランキング投票をお願いします

それぞれ意見は異なるけれど、平和を愛する点では共通している「お玉」「Mew」「ぶい」「とむ丸」「村野瀬」「ココロ」「喜八」の応援をお願いします!


関連ページ


おやすみなさい、柏崎刈羽原発

柏崎刈羽原発停止への署名をお願いいたします。


投稿者 kihachin : 2008年05月24日 20:15

« 感銘を受けた本(前編) | メイン | 「週刊ブックレビュー」伊勢崎賢治さん »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/2390

このリストは、次のエントリーを参照しています: 感銘を受けた本(後編):

» 「イラク派遣自衛官35人死亡」という事実の隠蔽 from 日本を守るのに右も左もない
中国バッシングの嵐の中で、隠蔽されている事実がある。イラク派遣自衛官35人死亡... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2008年05月24日 22:02

» 後期高齢者 生きてきた分だけ思いがあり、話しがある from とむ丸の夢
昨日の毎日朝刊。  ページをめくりながら、おおっと目が行く先は、岩見隆夫氏の怒りのコラム。 「当コラムがスタートして約19年になる... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2008年05月25日 11:48

» 長続き from のり市民の世界観
久々に妻と共に相棒の映画を観に行ってきました。 内容的にはなかなか良かったです。ですが、映画レベルとなると???でした。 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2008年05月25日 20:27