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2008年08月24日

国会図書館の閲覧禁止事件

米国・機密解除 国会図書館・閲覧禁止 米兵犯罪の裁判権放棄資料
「東京新聞」2008年08月22日朝刊(クリックすると大きくなります)


まずはトップの「東京新聞」記事(画像)とヤメ蚊弁護士さんのブログ記事をお読みください。


てえへんだ、てえへんだ…国会図書館が裁判権放棄を裏付ける文書を急きょ閲覧禁止に!
(2008-08-10)

こんなふざけた答弁ができるのも情報の隠蔽を許しているからだ!~対米兵裁判権放棄問題パート2
(2008-08-11)

斎藤貴男さんが怒りの記者会見~国会図書館閲覧禁止措置に対し提訴宣言
(2008-08-23)


「『属国』日本」の現状(惨状)をまざまざと示す「事件」です。
ことのなりゆきを喜八的にまとめてみますと・・・。


  • 日本の法務省刑事局が1972年03月作成した資料の中に、在日米軍兵士がおこした事件のうち重要事件以外については事実上の裁判権放棄を指示した、1953年の通達が掲載されている。

  • この資料を日本の国会図書館が1990年に入手し、18年にわたり一般に閲覧可能な状態になっていた。

  • 今年(2008)、米国立公文書館でも同じ事実(日本側の裁判権放棄)を示す資料が公開された。

  • 米国側の資料公開に基づき、日本のメディアが「裁判放棄で日米両政府が1953年に密約していた」と報道した。

  • これに対して日本の法務省が国会図書館に資料(1972年03月作成・法務省刑事局資料)の閲覧禁止を要請し、翌06月に国会図書館側が法務省の要求に従ってしまった。

  • 08月21日、ジャーナリストの斉藤貴男さんが国会図書館で同資料の閲覧を希望したところ、拒否された。

  • 斎藤貴男さんは、国会図書館の蔵書閲覧禁止措置に対し、提訴することを宣言。


そもそも論で言いますと裁判権は国家がもつ権利のうち最も重要なものの一つであるはずです。
裁判権を放棄するというのは、日本という国家を放棄するのにも等しい所業なのです。
外国軍兵士が日本国内でおこした事件の裁判権を放棄するとは・・・まさに「亡国の沙汰」というしかありません。
百歩譲って昭和28年(1953)という戦後間もない時期ではやむを得なかったとしても・・・(議論の余地は大いにあると思いますが)。
新聞記事でも触れられているように、米国側でも公開されているのと同内容の資料を今さら日本の国会図書館が閲覧禁止にすることに、どういう「得」があるのか?
1990年以降18年にわたって公開され続けてきた資料を突如閲覧禁止にすることに意味はあるのか?
戦後63年も経った今「裁判権放棄密約」を覆い隠すことに狂奔する法務省官僚は何を考えているのか?
このような明らかな事実、アメリカ側でさえ堂々と認めている歴史的事実を隠蔽《いんぺい》することができると本気で思っているのか?(

※もしそう思っているとしたら、度し難い「無能」というものであります

上掲「東京新聞」2008年08月22日朝刊記事より一部を引用させていただきます。


 国会図書館は、その名の通り、立法府(国会)の一機関だ。国会議員の資料収集や調査にも寄与しており、与野党双方から「調査能力は折り紙付き」と評価が高い。知る権利に応えることを誇りとしてきた国会図書館としては "名折れ" ともいえるできごと。

 しかも、三権分立上、癒着してはならない行政府(法務省)からの不合理な要請に、おめおめと応じてしまったのだから、なんとも "トホホな事件" ではある。


私事ではありますが、私(喜八)も国会図書館(東京本館)をちょくちょく利用させてもらっています。
斉藤貴男さんとおなじく「国会図書館職員は親切だ」という印象が私にもあります。
それだけに今回の「閲覧禁止事件」には裏切られたような思いがあります。
いや、短慮はいけないのでしょうね。
おそらくは多くの国会図書館職員も「裏切られた」と感じているに違いありませんから。
国会図書館のごく一部の「幹部」の政治的判断で、法務省の無理無体な要求にヘイヘイと従ってしまった。
これによって、これまで誠実に職務を遂行してきた国会図書館職員たちの誇りが大いに傷つけられたに違いないのです。
法務省に「土下座」した国会図書館幹部は全国民の権利を蹂躙《じゅうりん》し、さらには図書館職員たちの職業上の誇りも踏みにじった。
万死に値する・・・とまでは申しませんが、「閲覧禁止事件」を引き起こした「幹部」職員には猛省を促したい。

それにしても法務省という官庁は問題ありすぎですね。
共謀罪」「人権擁護法案」のような究極の悪法を成立させようと狂奔する。
政治的かつ恣意《しい》的な「国策捜査」を度重ねる。
それでいて「取調べの可視化」「代用監獄の廃止」には頑強に抵抗し、「自白偏重主義」がまかり通り、「人質司法」が横行する。
さらには被疑者の取調べに弁護士が同席できないなど、先進国中最悪の司法制度をもつのが我らが祖国日本ではないか。
これでは法務省こそ「日本国民の敵」と看做《みな》されてしまう日もいずれは来るかもしれない(そうならないことを願いますが)。

司法制度が国民の信頼を失ったら「お終い」です。
ただし、この場合も一般の法務省職員を敵視しているわけではないことを強調しておきます。
国会図書館と同じく、多くの法務省職員は強い誇りを抱いて職務を遂行していると考えます。
「問題ありすぎ」なのは一部の「幹部」なのでしょう。
法務省の健全化を考える心ある法務省職員も、けっして少なくないのだろうと信じます・・・。

いずれにしましても、今回の「国会図書館の閲覧禁止事件」は国の土台を揺るがしかねない重大な問題であります。
傲慢無能官僚の無茶苦茶な振る舞いを放置しておいたら、祖国日本をボロボロにされかねません。
「喜八ログ」はジャーナリスト斉藤貴男さんと代理人・日隅一雄弁護士を全力で応援させていただきます。


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投稿者 kihachin : 2008年08月24日 11:49

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