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2008年11月23日

『新しい株式投資論』山崎元

『新しい株式投資論』山崎元
新しい株式投資論』山崎元、PHP新書(2007)

(『新しい株式投資論』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する)


米国のサブプライムローン破綻から始まった世界同時不況。
今後どれくらい続くのか予想もできませんが、世界経済が景気低迷期に入った可能性はきわめて高いのでしょう。

けれども「この世の終わり」が来たわけではありません(と思います)。
「資本主義の終わり」でもない(はずです)。
「いったんエンド」となったのは米国式「金融バクチ資本主義」や「やらずボッタクリ強欲市場主義」ですが・・・、これらに関しても「ほとぼりが冷めたころ」復活してくるのは間違いありません()。

※復活して欲しいと思っているのではありません。念のため

とはいえ、私は「資本主義教」のご信者さんというわけではないですよ。
「人間の欲望に基づいたシステムである『資本主義』は非常に強固であり、今後まだまだ続くはず」と、「ニヒリズムの一歩手前で踏みとどまっている」資本主義者・喜八は淡々と考えるのです。

というような屁リクツはさておき(笑)。
「株は下がっているときに買う」を基本フォームとしている私にとって、これからが「買い出動」の時期に・・・なるかもしれませんし、ならないかもしれません。
なんて、いかにも優柔不断ですが(汗)。
これから更にドーンと下がるかもしれない時期に、「買う」のはやっぱり怖いですからねえ。
優柔不断で小心な私のココロは乱れっぱなしです。

ここは、もっとも信頼するエコノミスト山崎元《やまざき・はじめ》さんの名著『新しい株式投資論 「合理的へそ曲がり」のすすめ』を紐解いて、「株式投資というゲームを楽しみつつ、最後は勝つ!」という基本を固めることにします(別の言い方をすれば「モラトリアム」に入る・・・かもしれませんし、入らないかもしれません)。

ちなみに山崎元氏は「もし私(喜八)が政治家であったら、ぜひとも『相談役』になって欲しい」エコノミストです()。

※山崎さん本人は「経済評論家」と仰っています

山崎元さんのほかには、プロパーのエコノミストではありませんが、東谷暁《ひがしたに・さとし》さん(ジャーナリスト)にも注目しています。
現在、東谷さんは産経新聞社発行の月刊誌『正論』で「日本経済の突破口─再び、エコノミストは信用できるか」という連載記事を書かれています。
「右」も「左」も関係なく、「いまの日本の経済政策は、どう考えてもおかしい!」と思われている方は必読です。
リベラルや左派の人も「『正論』なんて!」と言わずに、どうぞ読んでみてください。
「食わず嫌い」はいけませんよ(笑)。

さて、前置きはこれくらいにして。
山崎元著『新しい株式投資論 「合理的へそ曲がり」のすすめ』から、特に印象深かった部分を以下に引用させていただきます。
引用文冒頭カッコ内の数字はページ数です。


(014) 結論から述べる。株式投資で成功するために必要なものは、一に「運」、二に「センス」だ。株式投資は、知識や経験で上手くなるものではないし、まして、精神修養やチャートの読み方などが大事なのではない。

(041) 株式投資をする上では、いわゆる専門家の意見を信じないこと、専門家を頼らないことが、大変重要だ。著者もこの種の専門家の一人と言えないこともないので、複雑な気持ちだが、実際に株式投資をする上では、「専門家はバカだ」と思って無視してしまって、まったく差し支えない。

(056) 自分に望ましいリスク水準のポートフォリオを作って、自分は有効に時間を使う一方で、そのあいだにポートフォリオにも稼いでもらう、という状態を目指すのがいろいろな意味で上手いやり方だろう。

(083) 「テクニカル分析を研究する人がいても構わないが、これを投資初心者に教えることは有害だし、まして、マネー誌などに時々あるチャートに基づいて行うような個人向けの投資アドバイスは有害だ」

(166) ビジネスの文脈では、「マーケティング」というと、事業を成長させるポジティブで美しい営みのように伝えられがちだが、これを顧客の側から見ると、実際の価値以上の価格で商品を買うように誘導されているということだ。供給者側が、儲けを目的とするビジネスである以上、顧客の側で大切なお金を守るには、「マーケティング」に対する免疫なり、解毒作用なりを身に着ける必要があるし、そのための啓蒙が必要であることを強調しておきたい。

(195) 思い切って言ってしまうと、個人投資家に信用取引を勧めることは、あまり良いことだとは思えないが、これも「賭場の現実」だと理解しておこう。もちろん賢い生活者は、信用取引の利益に対しては慎重であるべきだ(要は、やめておけ!)。

(218) 「株式投票は不美人投票である」と主張したい。端的に言って、これが株式投資のコツであり、株式投資に必要な「センス」の半分以上を説明すると思う。


最後の「不美人投票」は、大経済学者ジョン・メイナード・ケインズ(1883-1946)の有名な「美人投票」を発展させた理論です。
詳しい解説をここですることはできません(その能力・根気が喜八にはないので・・・)。
ぜひとも、山崎元さんの『新しい株式投資論』を直接読んでみてください。
株式投資に限らずあらゆる分野で「人生で幸福になる方法論・秘訣」として応用できるのが「不美人投票」理論だと私(喜八)は思います。

山崎元さんが「株式投資をする上では、いわゆる専門家の意見を信じないこと、専門家を頼らないことが、大変重要だ」と仰っているように、私(喜八)も山崎さんのことを信じきっているわけではありません。
と、これは皮肉でもなんでもありません。
実態経済の複雑怪奇さに比べたら、「経済学」はあまりに非力!
というのは「常識中の常識」ですからね。
世の「エコノミスト」さんや「経済学者」さんたちは、営業上の理由で「オレ様はなんでも知っている」風のポーズをとっている。
これまた「常識中の常識」であります。
「自分をふくめた、いわゆる『専門家』を信じるな」と公言する山崎さんの正直なところが私は好きですし、信頼する大きな理由ともなっています。

なお、『新しい株式投資論』で感銘を受けた部分は、まだまだ沢山あります。
上に引用したのは、そのごくごく一部です。
株式投資・金融・経済に関心のある全ての方にとって必読の書である! と自信をもって推薦いたします。


(『新しい株式投資論』を「楽天」「Amazon」「bk1」で購入する)


山崎元さんのウェブページ


投稿者 kihachin : 2008年11月23日 08:00

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