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2008年12月10日

閨秀作家

文学猫
(猫画像は「EyesPic」さんよりお借りしました)


けいしゅう[―しう] 【▼閨秀】 学問・芸術などにすぐれた女性。女流の意でも用いる。

・ ―作家
・ ―画家
 (「Yahoo!辞書」より)


中村うさぎ岩井志麻子西原理恵子柳美里

かの佐藤優氏(作家・思想家)が、上の4人の閨秀作家を褒めちぎっていますね。
以下、佐藤優さんの著書『インテリジェンス人間論』新潮社(2007)の「あとがき」から一部引用させていただきます(同書258-259頁)。

★引用開始★

 知性には、一流の知性と二流以下の知性がある。一流の知性は、物事の本質をとらえ、言語、絵画などの表現形態で、的確に作者が読者に伝達したいことを表現する能力を備えている。毎月十八日に私《佐藤優》は近所の本屋で「新潮45」を購入する。編集部からも贈呈誌が贈られてくるのだが、母に渡している。自腹を切って買った雑誌でないと記事の内容が腹に入らないからだ。本屋さんから徒歩一分のところにコーヒー店があるので、そこでアメリカンコーヒーを注文した後、恐る恐る「新潮45」のページを開く。まず私は中村うさぎ氏、岩井志麻子氏、西原理恵子氏の連載を真剣に読む。それから、残念ながら、「新潮45」の連載は終了してしまったが、私は柳美里氏の文も好きだ。「この作家たちの表現力、洞察力には、僕は今後百年努力しても及ばないなぁ」とため息がでてくる。私の現在の筆力では、自分がいいたいことの四割くらいしか表現することができない。この壁を破るために、何とかこの四人の技法を盗み取りたいといつも考えている。「新潮45」のテキストから知ったこの四作家は、私にとって師である。
 同時に私のような二流以下の知性しか備わっていない者にも、活字の世界では生きていく場所があるのではないかと自問する。中村、岩井、柳、西原四氏が芸術の言語で表現する世界を、論理の言語で言い換え、あるいは敷衍(膨らま)し、読者に同じ内容を別の形態で提供することだ。これならば私にもできる場所があると考え、執筆意欲を奮い立たせる。

★引用終了★


筆力」という点に関していうと、「佐藤優さんは圧倒的な筆力の持ち主だ」と私(喜八)はつねづね思っています。
「おそらく現在活動中の日本作家の中では、団鬼六氏と並ぶだろう」と。
そういえば、佐藤さんは雑誌「文藝春秋」2008年12月号に掲載された『佐藤優が選ぶ「必読の教養書」100』の中で、団鬼六花と蛇』(SM小説の傑作)を挙げられていますね。
これは私の「現在活動中の日本作家の中では、団鬼六氏と佐藤優氏が圧倒的な筆力の持ち主」論とは無関係で、たまたまの偶然です。
ちなみに団氏と佐藤氏の「筆力」に関しては、これまで何度か親しい人たちに話してきました。

それで、佐藤優さんが「私にとって師である」と仰ぐ閨秀四作家、中村うさぎ岩井志麻子西原理恵子柳美里さんたちが「圧倒的な筆力の持ち主」であることもまた間違いありません。
ただ、この四氏のことを私(喜八)はちょっと「苦手」に感じる部分もあって、それは中村・岩井・西原・柳さんがとても「女が濃い」方たちであるからだと思います。
これは、瀬戸内寂聴さん(作家・宗教家)に関してもおなじことが言えて、ヒヨワで「男が薄い」私は、瀬戸内寂聴・中村うさぎ・岩井志麻子・西原理恵子・柳美里さんたちに、大いに敬意を払いつつも、(少しだけ)引いてしまうところがあるのです。

とはいえ。
新聞・雑誌などで、瀬戸内・中村・岩井・西原・柳氏のエッセイやインタビューを目にすると、100パーセントの確率で、思わず食い入るように読んでいる自分がいます。
となると、やはり私はこれらの閨秀作家様たちの「愛読者」と言えるのかもしれません。
こうやって書いているうちに気づきました。
一昨日アップロードした当ブログ・エントリ「松田聖子さんに学ぶ」の中で私はしきりに「これまで一度も松田聖子さんのファンであったことはない」と強調しましたが、これは松田聖子さんが非常に「女が濃い」女性だからなんですね。
それでちょっと「苦手」に感じていたのでしょう。
松田聖子さんに学ぶ」エントリでは最終的に「こうしてみるとやっぱり私(喜八)は松田聖子さんの『大ファン』としか思えません」と「自白」しています(笑)。
というわけで、今回はムダな抵抗はやめておいて、「瀬戸内寂聴・中村うさぎ・岩井志麻子・西原理恵子・柳美里さんの大ファンである」と認めましょう。
この人たちは本当に凄い!

さらに「閨秀作家」では。
「この人たちは凄まじいばかりに凄い小説家だ!」と前々から私が痛感している人たちがいます。
それは次の方々です。

姫野カオルコ篠田節子宮部みゆき

姫野・篠田・宮部さんたちは、たまたま日本語という比較的マイナーな言語による作家活動を行なっていますけれど、もし英語やフランス語圏に生まれていたら、いまごろは世界中にその名を轟かせ、大作家として広く認知されていたのではないだろうか?
このようにも常々思っています。
姫野カオルコ篠田節子宮部みゆき
こうやってお名前を並べただけで、私の胸はアヤシク騒ぎます。
(姫野・篠田・宮部さんも「女が濃い」女性ですね)
この方たちは、小説の神様によほど愛されているのでしょうね。
なんとも凄い凄い小説家です(稚拙な表現でスミマセン)。
ちなみに姫野カオルコさんに関するエントリが「喜八ログ」アーカイブにあります。

『ブスのくせに!』姫野カオルコ
(「喜八ログ」2005年10月21日)

上のエントリの一部、マルチナ・ナブラチロワさん(元プロテニス選手)について触れている部分を以下に再掲載します。
姫野カオルコさんと私《喜八》には、熱烈なナブラチロワ・ファンという共通点があるのです。


★再掲開始★

姫野カオルコは「女性美」を考えるうえで最高に役に立つ! これが私なりの暫定的結論です。というより話はもっと単純で、単に女性美の基準が似ているだけなのかもしれませんが・・・。姫野さんが「美女」と認定する女性は私からみてもやはり「美女」であることが多いのです。たとえば『ブスのくせに!』には女子プロ・テニス・プレイヤーマルチナ・ナブラチロワへの激烈な恋情(?)が縷々と書かれていますが、「ナブラチロワ=美女」という意見には私も激しく同意します。

じつはナブラチロワさんには会ったことがあります。ごく短い間(約30秒)ではありますが、お話させていただいてもいます。もう20年以上前のこと、場所は東京新宿アルタ前(待ち合わせの名所)でガールフレンドを待っていたら、当時無敵を誇ったナブラチロワさんが人混みの中にぽつんと立っていたのです。周囲にいる数十人あるいは百人を超えるかもしれない人たちはナブラチロワさんに気づかないようでした。

マルチナ・ナブラチロワはブルージーンズ(その頃は珍しかったベルボトム型)、アメリカ合州国の星条旗をデザインした半袖Tシャツ、頭にはカウボーイが被るようなつばの広いテンガロン・ハットという身なりで、正直なところ「垢抜けている」という印象ではありませんでした。

私は思い切ってナブラチロワさんに話しかけることにしました。有名人を街角で見かけたからといって馴れ馴れしく話しかけることはほとんどしたことがありません(慎み深いものですから)。改めてよくよく考えてみると、そのようなことをしたのはこの1回だけのようです。

間近で見る彼女の印象はテレビとはまったく異なっていました。テニスの試合中継におけるマルチナ・ナブラチロワは「最強の筋肉ウーマン」です。が、実物は細っそりした体型でむしろ華奢にさえ見えます(※ただし骨太で筋肉質の「細っそり」。説明はちょっと難しいかも…)。そして物静かで知的な容貌。「綺麗な人だな」と思いました。そして、故郷を遠く離れた東洋の雑踏でいきなり出鱈目な英語で話しかけた男(私)に対しても誠実に接してくれました。

この経験は今まで何度も人に話したことがあります。細っそりとして華奢(※ただし骨太で筋肉質)、物静かで知的な印象、そして綺麗な人、これが真のナブラチロワなのだと私がいくら力説しても信じてくれる人はごく少数です。大方の男性は「悪い冗談」として受け取る傾向があるようです。実際のところナブラチロワさんを美人だと認定する男性にはかつて一度も会ったことがありません。とはいえ、女性の中には話をそのまま受け取ってくれる人もいました。そういう女性はある意味で同志なのだと勝手に思っています。

★再掲終了★


こうやって閨秀作家について書いていると・・・。
「佐藤優と喜八がそろって、女性作家にオベンチャラを使っている!」なんてヤリ玉に挙げられるかもしれませんね(笑)。
そういうわけでも・・・ないような・・・かもしれません(意味不明)。
なんといっても、瀬戸内寂聴・姫野カオルコ・篠田節子・宮部みゆき・中村うさぎ・岩井志麻子・西原理恵子・柳美里さんたちが「凄い作家」であることは間違いありません。
凄い人を凄いというのは、いたって素直な言動であります。

もともと、私の文学的な趣味は「男流作家」に偏重していました。
これまでに読み込んだのが、岡本綺堂久生十蘭三島由紀夫谷崎潤一郎夏目漱石色川武大都筑道夫ですから。
それが現在活動中の作家に限ると、閨秀作家に「凄い人」が多いと認めざるを得ない。
これはきわめて興味深い現象でありますね。
ここから日本社会の変遷を語ることもできそうですが・・・、ボンクラな自分には荷が重いのでやめておきます。

なにはともあれ。
現在活動中の作家に限れば「絢爛豪華な日本の閨秀作家プラス佐藤優」が私(喜八)の文学的嗜好の中核となっているのは間違いないでしょう。
というわけで「男のハシクレ」として「佐藤優さん、閨秀作家の皆様に負けずに、奮闘してください!」と熱いエールを送りたいと思います。


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投稿者 kihachin : 2008年12月10日 12:00

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