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2009年03月27日

「勝間方式と雨宮方式」佐藤優

「強い社会をつくる」猫
(猫画像は「EyesPic」さんよりお借りしました)


経済専門誌「週刊エコノミスト」2009年03月24日号(2009年03月16日発売)記事の紹介です。
佐藤優さん(神学者・作家)が自著『テロリズムの罠左巻右巻)』を語るインタビュー記事『生き残りに2つの道、「勝間方式」と「雨宮方式」』の一部を以下に引用させていただきます。

 新自由主義的な小泉構造改革は必然でした。良かった、間違いだった、の議論は意味がない。そのなかでいかに生き残るか、が大事。2つあって、勝間和代さんの『断る力』は個人の力による生き残り策です。「コモディティ(汎用品)ではなくスペシャリティに」というのは、単なる労働商品ではなく熟練労働者になれ、ということ。勝間さんは新自由主義のバリバリのキャリアウーマンと勘違いされますが、公益性のない講演は引き受けず、印税の一部を寄付するなど、経済合理性に反する行動をしている。  もう1つは雨宮処凛《かりん》さん方式です。上昇志向を捨て、今のままの労働者としてとどまり、人間としての名誉と尊厳を確保し、仲間との連帯を大事にする、と。彼女は革命家ではなく、格差社会を是認するが、絶対的貧困はいけない、と言う知行合一の人です。健全な資本主義維持には2人のような考え方を大切にすべきです。


勝間和代さん方式」と「雨宮処凛さん方式」。
このうちどちらか一方を選ばなくてはならない!
というわけではなくて、2つの方式を適宜《てきぎ》に組み合わせる「ハイブリッド生き残り法」もアリかな?
と思いました。
と、いちおうコレが喜八の「結論らしきもの」です(手抜き・・・汗)。


以下は、ちょっと長めの「蛇足」です。

勝間和代さん(経済評論家・公認会計士)と佐藤優さん。
ともに毀誉褒貶《きよほうへん》の激しい方々ですね。
ファンや愛読者からは熱き声援を送られる。
けれども、強固な「アンチ勝間」「アンチ佐藤」も少なくなく、猛烈な批判を受けることも多い。
とはいえ、本人たちはぜんぜん気にしていないでしょうね(笑)。
女優・さとう珠緒さんも仰っているように「そもそも人の評価に悲観したり、一喜一憂するようでは、この世界ではやっていけません(笑)」(『喜八ログ:さとう珠緒「何があってもぶれない自分をもつ」2009-03-24』)

「悪名もまた名なり」。
それくらいの神経がなければ、やっていけない渡世だと思います。
(ブロガー渡世も同じかも・・・)


勝間和代さんに関して、しばらく前、某A氏から次のような「忠告」をいただきました。

友人A氏:勝間和代さんって評判が悪いようですよ。
喜八さんは過去に彼女をフォローしていましたね。
用心したほうがいいと思います。
彼女の正体は「ネオリベ別働隊」である可能性も・・・?


このありがたい(もちろん皮肉抜きで)忠告に対して、私は以下のように答えました。

喜八:「評判」はともかく(笑)。
「ネオリベ別働隊」は違うだろうと思います。
勝間和代さんは「要領がよく」「目端《めはし》が利き」「臆面《おくめん》のない」人です。
そんな勝間さんが、現時点で敗色濃厚なネオリベ(新自由主義)勢力に、あえて加担するとも思えないのですね。


ちなみにA氏が「喜八さんは過去に彼女をフォロー」というのは、以下の「喜八ログ」記事が該当します。

勝間和代さん
(2008年10月23日)

『勝間和代の日本を変えよう』から
(2008年10月28日)

勝間和代さんと佐藤優さん
(2009年01月08日)

フォロー」と言えるほどのシロモノではありませんが・・・(汗)。


勝間和代さんは「要領がよく」「目端が利き」「臆面のない」人。

「いや~、我ながら上手い表現だ! 本質を的確に捉えている!」
なんて、ひそかに自惚《うぬぼ》れているわけですが・・・。
ここで誤解を避けるために断言しておきます。

  • 要領がいい
  • 目端が利く
  • 臆面がない

これは純粋に「褒め言葉」「称賛の言葉」であります。
少なくとも、私(喜八)はそのつもりで使っています。
一般に日本語では「要領がよく・目端が利き・臆面のない」というのはあまりよい表現ではないのかもしれません。
しかし、この場ではあくまでポジティブな意味で使っています。

「アンチ勝間」の方たちは、この「要領がよく」「目端が利き」「臆面のない」という特性に、反発を覚えておられるのかもしれませんね。
特に政治主張系のブログを書くような人のあいだでは、それこそ「右も左もなく」、勝間和代さんに不審を抱いている方が少なくない。
そんな印象があります。
「要領がよく・目端が利き・臆面のない」ところが、「不誠実」という印象をかもし出しているのかもしれない。
そのため、廉直《れんちょく》な政治主張系ブロガー諸兄諸姉には「受け入れがたい!」となるのではないか。
なんて、愚考しています。


ここで結論を言いますと・・・。
「要領がよく・目端が利き・臆面のない」という特性は政治の場でも大いに役立つのは間違いありません。
たとえば「貧困の根絶」「戦争の根絶」という大目標に取り組むときも「要領よく・目端を利かせて・臆面なく」方策を実行すればいいわけです。
「要領よく、目端を利かせて、臆面なく、貧困や戦争をなくしましょう!」なんて考え方があってもいい。
もちろん、すべての人に「そうしろ」とは言いませんが。
勝間和代さんがその著書の数々で紹介している情報や方法論は、「反戦」「反貧困」の現場でも役に立つ。
と私(喜八)は思うのであります。


さて、このあと佐藤優さんに関しても述べようと思っていました。
しかし、時間(と根気)が尽きてきたので、残りは「駆け足」で通り抜けます。

佐藤優氏の在り方を端的にいえば「戦う神学者」です。
チェコスロバキアのプロテスタント神学者ヨゼフ・ルクル・フロマートカ(1889-1969)の強い影響を受け、「われわれが活動するフィールドは、この世界である」というフロマートカの思想を徹底的に実践している。
日本には「戦う神学者」の伝統がないので、佐藤氏は異様な存在に見えるかもしれない。
でも、ヨーロッパ・中東・南米あたりの人たちから見た場合、それほど不思議な存在には映らないのではないか?

佐藤優氏は正真正銘の危険人物。
以前、私(喜八)は「喜八ログ」エントリ(「佐藤優さん講演会(3)」2005-09-28)で以下のように書きました。

私(喜八)のような素ッ堅気がウカツに近づくと大火傷しそうな「危険人物」という印象があります。


これは我ながら「いい直観」であったと思います。
並大抵の人間、あるいは私のように「並大抵以下」の人間が、不用意に佐藤優氏の影響を受けたりマネをしたりするのは、きわめて危険。
下手をすると破滅しかねない、と思っております。
とはいえ「心優しい怪物」佐藤優氏のことが、私は好きですけれどね。


雨宮処凛さんについても語ろうと思っていましたが・・・。
フロマートカ神学の強い影響を受けた「戦う神学者」佐藤優さん。
儒学者・伊藤仁斎の思想に基づき「反貧困運動」を実践されている湯浅誠さん。
佐藤優さんと湯浅誠さんの双方から学べる位置にいる雨宮処凛さんは、今後いかなる成長を遂げるであろうか?
これこそ真にワクワクするような話題なのですが、ここで語りつくす余裕はないので「また別の機会に」ということで・・・逃げます(汗)。

といいつつ、最後にひとつだけ。
かの「kojitaken」さんが次のようなことを仰っています。

雨宮処凛も、ましてや湯浅誠も、佐藤優ごときには接近しない方が良い。佐藤は、はったりで生きている人間である。


無知無学な私(喜八)には、佐藤優氏が「はったりで生きている」かどうかは判別できません。
でも、佐藤氏はこれまでに東京大学・早稲田大学・モスクワ大学などで教鞭をとられていますよ。
そうなると、これらの大学(大学院)関係者は揃いも揃って佐藤氏の「はったり」に幻惑《げんわく》されたということでしょうか?
そうだとしたら、かなり不可解な話ではありますね(笑)。
接近しない方が良い」というのは、並大抵あるいは(私のような)「並大抵以下」の人間には適切なアドバイスだと思います。
しかし、雨宮処凛さんと湯浅誠さんも「正真正銘の危険人物」であり、常人のレベルを遥かに超えたリアリストでありプラグマティストである、言ってみれば「心優しい怪物」的な人たちです。
kojitaken さんのご親切なアドバイスは雨宮さんや湯浅さんには当てはまらないのではないかと思います。


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(※上のバナーは「或る浪人の手記」さん作成です)


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投稿者 kihachin : 2009年03月27日 08:00

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