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2009年04月16日

13歳の少女にデモをしかける人たち

カルデロン一家追い出せデモ_蕨市わらびし


2009年04月11日、埼玉県蕨《わらび》市内で「犯罪フィリピン人カルデロン一家を日本から叩き出せ!」と主張するデモが行なわれました。
なんと、信じられないことに、カルデロン家の長女(13歳)が通う中学校の前をも練り歩いたのだそうです。

「在特会」ら、ノリコさんが通う中学前でデモ行進 「カルデロン一家を日本から追放しろ!」』
(「日刊ベリタ」2009-04-12)


はっきり言いましょう。
13歳の子どもに対してデモをしかけることが「誇らしい」ですか?
それは「日本人の誇り」を毀損《きそん》する行為ではありませんか?
あなたたちはそれでも「愛国者」を名乗るのですか?


私(喜八)は「国家はなにものにも優先される」と考える超国家主義者なんかではありません。
しかし、我々が平和に豊かに暮らしていくには(いまのところ)国家は必要不可欠だと考えています。
国家は暴力(警察・軍隊)によってその権威を裏打ちされた、本質的な「悪」を内包した存在です。
けれども、国家がもし「退場」することになったら、その後には、国家よりもっと悪《あ》しきものが来ると恐れるのです。
ゆえに「国家は必要悪」と考えます。
国家が必要悪である以上、「国籍」と「国境」も必要悪です。
「国籍」「国境」は真面目に誠実に管理されなければならない。
したがって、原理原則的にいえば、不法滞在者には法をもって厳しく対処すべきだと考えます。
しかし、だからといって不法滞在者にたいしては何をやってもいいというわけではない。
ましてや13歳の子どもに対してデモをしかけるなどもってのほかだ。
繰り返すが、それは「日本人の誇り」を毀損する行為ではないのか?


以下は鈴木宗男衆議院議員(新党大地代表)の「ムネオ日記」からの引用です。

2009年3月14日(土) 鈴 木 宗 男
 日本生まれのフィリピン人、カルデロン・のり子さんが、両親が強制退去処分になり、のり子さんだけが日本に残り、両親は帰国せざるを得ない結果となった。
 法務省は「最大限の配慮をした」と言うが、せめて義務教育が終わるまで、親子3人を一緒に生活させることができなかったのだろうか。不法入国だったとしても、子供に罪はない。両親も日本に来て10年以上、犯罪を犯したことはないと聞く。人道的な配慮、人間的な判断があって良かったのではと思うのは間違いだろうか。
 法治国家と言いながら、時に超法規的判断もしてきた日本である。もっと血の通った、心の通った行政があってもと、重ねて思うものである。
 この上は、原則5年日本に入国できないことになっている両親に、いったんフィリピンに帰った後、再度日本に入国できる特別許可を出すことを是非ともやってほしいものだ。

2009年4月14日(火) 鈴 木 宗 男
 昨日のテレビ報道は、夕方から夜にかけて、日本生まれのフィリピン人で、特別在留許可を受けたカルデロン・のり子さん(13)の両親が、不法滞在により強制退去処分を受けたことで成田から出発し、それを見送るのり子さんの姿が映し出されていた。多くの人が涙したことだろう。
 のり子さんが「いつもお帰りと言ってくれる両親がいなくなり、お母さんの料理も食べられない。見送りはつらい」と語る姿をテレビで観た人は、どんな思いでいただろうか。法治国家と言い、法律があるからと杓子定規(しゃくしじょうぎ)、事務的な判断をすることが、正しく賢明なことだったのか。せめてのり子さんが義務教育を終えるまで、特別の配慮をしても良かったのではないかと私は考えるのだが。
 かつて「人の命は地球より重い」と言って超法規的措置をとり、テロリスト、実行犯をみすみす逃がした事がある日本である。もっと人間的、人道的配慮があってもいいのではと、自問自答するものである。


なんともホッとする、ムネオ先生のご意見です。
私(喜八)も鈴木宗男さんとほぼおなじように考えます。
「国家」が必要悪である以上、「国籍」「国境」は真面目に誠実に管理されなければならないでしょう。
ときには非情な対応も必要となるかもしれない。
けれども「国籍」は直接人間にかかわる問題なのだから、「人間的、人道的配慮があってもいい」。
いや、なくてはならないはずだ。
そのような「人間的、人道的配慮」こそが、「日本人の誇り」の最大の根拠になり得るのだと思う。


13歳の少女にたいしてデモをしかける者たち。
そんな行為をもって「愛国」を主張する者たち。
「彼ら」の行ないによって、私の「日本人の誇り」は大いに傷つけられた。
「彼ら」が「愛国者」であるとは私は思わない。
「彼ら」は「愛国」とは関係のない人たちだし、これは「右・左」「保守・革新」ともあまり関係のない話だろう。
その証拠にいま「まともな保守主義者」「まともな右派」から、激烈な批判が「彼ら」に向けられている。
「自分たちを批判する者はすべて『極左』『反日』『創価』」と決め付ける詭弁は止めたほうがいい。
それは事実に反しているし、おそらく何の効果もない。


13歳の子どもにたいしてデモをしかける者たち。
「愛国者」どころか「日本の恥」としか思えない者たち。
そんな「彼ら」を絶対的反面教師として、私(喜八)は私なりに、ささやかな愛国者でいたい。


郵政民営化凍結!

郵政民営化凍結」TBキャンペーンをよろしくお願いします。

(※上の猫画像は「ImageChef イメージクリエーター」で製作しました)


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投稿者 kihachin : 2009年04月16日 12:00

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