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2009年06月17日

rと喜八の『龍-RON-』対談

龍-RON- 第42巻
 龍-RON- 第42巻

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村上もとか氏の大河漫画『龍-RON-』(小学館・全42巻)についての、謎の憂国者「」と喜八の対談です。

龍-RON-
(「Wikipedia」の項目)

内容は昭和初期から終戦まで、そしてラストは21世紀です。
日本の京都から始まり、主人公たちは広大な中国大陸を縦横無尽に駆け巡ります。
最初は熱血剣道ドラマのようですが、スケールが二次曲線的に大きくなり…作者の「手」を離れるが如く…突き進んでいった漫画です。


それでは「対談」です。


喜八】『龍-RON-』全42巻を読了しました。
全巻中、第40巻にもっとも魅せられました。
ここは全編のクライマックスに当たります。
主人公「押小路龍(李龍)」が率いる馬隊(騎馬部隊)・龍の双子の弟「鳳花」が率いる秘密結社「紅龍」・白系ロシア人部隊・中国国民党軍・八路軍(中国共産党軍)・蒙古(モンゴル)騎兵・関東軍(日本軍)など敵味方が入り乱れ、激しい戦闘シーンが繰り広げられる重要な巻です。
それにしても、面白かった!
登場人物で私が好きなのは「田鶴てい」さん(押小路家の奉公人から女優・映画監督となり、押小路龍の妻となる)と、龍の馬隊の部下「高藝《カオイ》」です。
私は「生き延びる思想」の信奉者なので、シブトイ人が好きなのです。

そのほかの好きな場面は第7巻20頁、息子・龍と田鶴てい(元の奉公人)の結婚に反対し続けていた父・押小路一磨がついに2人の結婚を認めるところです。
万葉集第14巻の比喩歌「あしひきの、山かづらかげ、ましばにも、得《え》がたきかげを、置《お》きや枯《か》らさむ」が書かれた紙を、押小路一磨が龍と田鶴ていに差し出す。
それを目にした田鶴ていが一瞬にして2人の結婚が許されたことを悟る。
これは「素敵な女性を、なかなか手に入れられないひかげのかずらにたとえて詠んだ歌」だそうです(「たのしい万葉集」)。
田鶴ていは下働きの奉公人ながら、その利発と勤勉を押小路家の当主・一磨に認められ、特別に女学校に通わせてもらい(下働きも続けながら)主席で卒業したという設定になっています。
戦前の女学校の主席ですから、古典の素養も深いわけですね。
こういうところに私(喜八)は心惹かれました。

rさん、素晴らしい漫画作品を紹介いただきまして有難うございます。
改めて御礼を申し上げます。


龍-RON-で好きなのは、蒙古(モンゴル)族のナンドルジー王が「わが朋友ロンを救え!」と王様自ら陣頭指揮で八路軍に突撃するところと、中国人青年「曹徳豊」が龍を助け、龍の熱い友情を胸に抱きながら死んでいくシーン、最終巻で89歳になった小鈴(元・祇園の舞妓、龍の初恋の女性)が涙するシーンです。


喜八】そういえば「朋友」という言葉は、日本ではあまり使われませんね。
いい言葉なので流行らせたいものです。
細かいところでは、軍用拳銃「モーゼルミリタリー」が小道具としてうまく使われていて嬉しく思いました。
私(喜八)は子供のころ、モーゼルミリタリーが好きで、お年玉をためて金属製モデルガンを購入したくらいです。
今回『龍-RON-』を読んで、「なるほど、馬上で片手で撃つには、モーゼル・ミリタリーは格好のハンドガンなのかもしれない」と思いました。
ところで、モーゼルミリタリーが登場する有名な「冒険小説」にギャビン・ライアルの『深夜プラス1』があります。
これは掛け値なしの大傑作です(ご存知とは思いますが・・・)。
もし、未読でしたら、ぜひ手に取ることをお勧めします。
ただし、『深夜プラス1』のモーゼルは、フル射撃可能の木製ストック(ホルスター兼用)付きのものですから、漫画『龍-RON-』に登場するものとはタイプが異なります。


】偶然ですが、子どもの私(r)が一番最初に知った銃がモーゼルミリタリーです。
横山光輝が描いた漫画作品(タイトルも何もかも忘れましたが)で主人公の馬賊の頭領が使用していた銃がモーゼルでした。
拳銃なのだが、突撃銃にしか見えないモーゼル、それもフルオート可能。
『マトリックス』などハリウッド映画で銃の横撃ちが流行りましたが・・・
あれって馬賊撃ちのパクリなんですよね(笑)。

モーゼルミリタリーは単発撃ちはまだしもフルオートだとどうしてもバレルが上方に跳ね上がります。
相手の足元を狙っても、初弾は命中するかも知れませんが、次弾以降は相手の頭上を越えてしまいますから。
ストックをつけようが何をしようが無駄。
パワーがあり過ぎるわけです。
それに大きくて重い。
軍用銃としてはちょっとツライでしょうね。
しかし、馬賊にとってはうってつけの銃だと思います。
射程距離が長く、弾丸にパワーがあり、命中精度が高くて、連発もでき、片手撃ちが可能。
デメリットは機構が複雑ゆえに整備が大変ってとこでしょうか?


喜八】我々2人が子どものころともにモーゼルミリタリーのファンであったとは凄い偶然です。
ハリウッド映画の銃の横撃ちが馬賊撃ちのパクリとは、ぜんぜん知りませんでした。
ご教示ありがとうございます。


】『龍-RON-』ってNHK大河ドラマに最適な作品だと思います。
但し絶対条件があります。

  1. 原作に忠実であること

  2. 余計なキャラクターを創作しないこと、特に芸能事務所との柵からくる「女性キャラ」

  3. ジャニーズ、バーニング、吉本を使わないこと

まあ、無理でしょうけれど(笑)。
って言うか、今の腐ったNHKには不可能ですね。
おまけに主人公「龍」の配役が一番難しい。
188cmの大男で…鬼のように強く、仏のように優しい男を演じられる俳優がいるでしょうか?
叔父の「押小路卓磨」役と父の「押小路一磨」役なら「阿部寛」氏あたりがやれそうですが・・・。
龍となると・・・。


喜八】『龍-RON-』は、五味川純平の大河小説『戦争と人間』にちょっと似ていると思います。
戦争と人間』は映画DVD版がでていますが、私が利用しているレンタル店(複数)にはありません。
もしかしたら、セルオンリーなのかも?
もし『龍-RON-』を本格的に映画化するとなると、日・米・中・韓・ロシア・モンゴル合作なんて、凄いことになりそうです。
主役は「中国系米国人」俳優あたりに取られてしまう可能性が高そうですが・・・。


】作者の村上もとかさんは政治的なものを嫌ってる節があります。
例えば岸信介です。
甘粕正彦を「満洲映畫協會(満映)」理事に送り込んだのは当時のエリート官僚岸信介です。
満州国に岸信介は外す事のできない人物です。
でも、『龍-RON-』には登場しません。
そして満鉄調査部
この組織は戦後、電通と関係が深く関わり・・・以下は説明の必要はないですね(笑)。
そういったわけで、政治色を村上もとかさんは極力排したかったのではないでしょうか?


喜八】たしかに、岸信介が登場したら、作品はぐっと引き締まったでしょう。
岸という人は、ああ見えて、なかなかの艶福家であったと聞きます。
その意味でも、岸信介が『龍-RON-』に登場したら、なかなか面白い展開になったかもしれません。
・・・でも、やっぱりそれは危険すぎるかも?(笑)


村上もとか先生に『龍-RON-外伝』を書いて欲しいと思っています。
まずは・・・
劇中劇の映画『人販子《レンファンツ》』を独立作品と描いていただきたいですね。
もちろん「田鶴てい監督作品」で、です。
それと「登場人物の『その後』」です。
たとえば、武道専門学校(通称:武専)で剣道科同級生であった石川雄大《いしかわゆうだい》・黒川勇《くろかわいさみ》、龍を目の敵にした柔道科の先輩・百鬼盛親《なきりもりちか》など・・・龍と関わった人たちの「その後の運命」が知りたいのです。


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投稿者 kihachin : 2009年06月17日 07:00

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