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2009年07月13日

石原慎太郎氏、9条護憲主義に転向?

『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』蓮池透、かもがわ出版
拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』蓮池透、かもがわ出版(2009)

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蓮池透さん(※)の新著『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』かもがわ出版(2009)を読んでいたら、非常に興味深い記述に出会いました。

なんと! 石原慎太郎都知事、一部では「極右」なんて過大評価をされることもある方ですが、そんな石原慎太郎氏が「憲法九条を評価する発言をしている」のだそうです。

(※蓮池透《はすいけ・とおる》1955年、新潟県柏崎市生まれ。東京理科大学電気工学科を卒業後、エネルギー関連会社に入社。1997年より2005年まで、「北朝鮮による拉致被害者家族会」の事務局長をつとめる。著書に『奪還 引き裂かれた二十四年』、『奪還 第二章 終わらざる闘い』《新潮社》)


以下『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』より当該箇所を引用させていただきます(87-88頁)。
引用文中、《 》ではさまれた部分は喜八による補足です。

 最近、驚いたのは、私《蓮池透》が以前対談させていただいた石原《慎太郎》都知事が、憲法九条を評価する発言をしていることです。二〇一六年にオリンピックを東京に招致するため、IOCの会長に宛てた書簡の中で、次のように述べています。
「私《石原慎太郎》の祖国日本は、第二次大戦の後、自ら招いた戦争への反省のもと、戦争放棄をうたった憲法を採択し、世界の中で唯一、今日までいかなる大きな惨禍にまきこまれることなく過ごしてきました」
 《二〇〇九年》二月一三日の記者会見では、「憲法の効果もあって平和でこられたのは歴史の事実としてたいしたもの」とさえ語っています(「毎日新聞」二月一四日付)。
 本当に複雑です。ただ、やはりもっとも重要なことは、護憲派であれ改憲派であれ、憲法についての考え方が違っても、拉致被害者を救うためには、いっしょに運動をしてほしいということです。


石原慎太郎先生も、ここにきて、ずいぶん「憲法観」が変化されたようですね(笑)。
9条護憲主義者・石原慎太郎!
ということで、よろしいでしょうか?

正直に言って「同志を裏切った男」石原慎太郎氏のことは「1人の男として、まったく評価に値しない」と私(喜八)は思っております。
なので、石原氏の言説にはほとんど注意を払っておりません。
ただ時折「おいおい、いくらなんでも」と思わせられることがあって、そんな折には軽く突っ込ませていただくことはありました。

しばらく前までは「石原慎太郎バブル」とでも言いたいような、実態にまったく釣り合わない高評価を集めていた石原慎太郎氏ですが、「小泉純一郎バブル」の沈静化と時を合わせて(?)、「慎太郎バブル」も終焉に近づいたようです。

なんて思っていたら、石原慎太郎先生は変わり身が早い!(笑)
9条護憲派」への転向とは、まさかまさかの大奇策でありました。
さすがの私もコレはまったく予想できませんでした。


なにしろ、石原慎太郎さんはかつて「憲法を無視して超法規的にことを行うのは、行政を担当する者の責任に他なるまい」なんてスゴイことを仰っていた方ですからね。
「憲法を無視して~」は石原慎太郎公式サイトに堂々と掲載されている文言です。

言葉への妄執の愚かさ
(「石原慎太郎エッセイ『日本よ』」2004年01月05日「産経新聞」より転載)

しかし、言うまでもなく憲法は「国の最高法規」であります(日本国憲法第98条1項)。
国の最高法規」を「無視」してかまわないという人物は、当然ながら、「法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為」も無視するでしょう。
一言でいえば「アウトロー」です。
あるいは「無政府主義者」「アナーキスト」「反体制活動家」「革命主義者」「叛乱者」「犯罪者」と疑われてもしかたないヤカラです。
特に日本の首都・東京の知事という重職に就く人物(石原慎太郎氏)が「憲法を無視して~」と堂々と宣言しているのですから、これは「謀反」「クーデター」といった次元の話ではないでしょうか?
日本国憲法第99条には「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と明示されています。
石原慎太郎都知事は憲法第99条に公然と反旗を翻したのです。
そして憲法を蹂躙《じゅうりん》するのは、国家に対する反逆もおなじなのです。
当局は、いまからでも、石原慎太郎氏を呼び出して聞き取り調査を行なうべきではないでしょうか。
というか、尋常な「法治国家」であれば、いきなり逮捕されてもしかたない話だと思いますが?

そういった「無政府主義者」「アナーキスト」「反体制活動家」「革命主義者」「叛乱者」「犯罪者」「謀反人」「クーデター首謀者」的要素に満ち満ちていた石原慎太郎氏が「改心」して、「9条護憲主義者」に転向した!
これは、まあ「良い知らせ」なのでしょう。
東京と日本の治安を乱す因子がひとつ減ったということですから。
今後は「左派」「リベラル」の皆さんも安心して「9条護憲主義者・石原慎太郎」氏を応援しましょう!(※)

(※9条護憲が大嫌いな「ネトウヨ」の皆さんは、石原慎太郎氏を徹底批判しましょう!)


さて「偽りの愛国者石原慎太郎氏のことはさておき。
蓮池透著『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』に話を戻します。
このごろの蓮池透さんは文字通り「左でも右でもなく」拉致被害者を救出するための言論活動を旺盛に展開されています。
じつのところ『拉致』の版元「かもがわ出版」は「誰が見ても『左派』」の出版社です。
これは私(喜八)が勝手に「左派」と決め付けているわけではなくて、かもがわ出版関係者の方から直接聞いた表現です。

とはいえ、外国政府により拉致された日本人同胞を救出するのに「右」も「左」も関係ないのですね。
ただ、いろいろな条件が組み合わさって、「拉致被害者救出」は「右」の専管事項のような雰囲気になったという状況があります。
こんな閉塞状況を打破しようと尽力する蓮池透さんと「かもがわ出版」編集者M氏は、端的に言って勇気があると思うし、言葉の真の意味で「愛国者」ではないかと思うのです。


それでは、最後に『拉致 左右の垣根を超えた闘いへ』蓮池透、かもがわ出版(2009)よりふたたび引用させていただきます(7-8頁)。

 私《蓮池透》自身は、左でも右でもありません。被害者の救出が第一だと考えています。たとえば、経済制裁の問題でも、拙著『奪還 引き裂かれた二十四年』(新潮社)の文庫版あとがき(二〇〇六年四月)では、つぎのようにのべています。
「われわれの運動の中では経済制裁はそれ自体が目的ではなく、あくまでも救出のための手段であるという位置づけであるべきです。それが一部、経済制裁が目的化しているように感じられるのは非常に残念なことです」
 いま私は、右寄りか左寄りかを問わず、いろいろな団体に呼ばれれば、できるだけ参加してお話するようにしています。拉致被害者を救う運動は、特定のイデオロギーを持つ人たちに主導されるものであってはなりません。
 率直に言って、拉致問題をめぐる日朝交渉は行き詰っており、打開するのは簡単ではありません。その行き詰まりの背景に、北朝鮮の体制打倒を主目的とする人たちの影響があるとしたら、それを一刻も早く克服しない限り、拉致問題を解決する展望も生まれません。
 いま私は、かつてと異なり、右翼的な人たちから、「あいつは変節した」「裏切り者」とバッシングを受けています。でも、繰り返しますが、私は右でも左でもないのです。
 私が願うことは、この運動が、被害者の救出を第一とするようなものであってほしいということだけです。右も左も、垣根を超えて、被害者のために連帯しあえるような運動です。そういう運動がつくれたとき、拉致問題も大きく動くのではないかと、期待しているのです。

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投稿者 kihachin : 2009年07月13日 12:00

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