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2009年07月02日

佐藤優氏の有罪確定に抗議します

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佐藤優氏(外交官・作家)の上告が棄却され有罪が確定した件について、最高裁に断固抗議します。


以下は「読売新聞」の関連記事です。

外務省の佐藤優・元主任分析官、上告棄却…最高裁
 国際学会への派遣費用などを外務省関連団体「支援委員会」(廃止)に不正支出させた背任と、北方領土・国後島の発電施設工事の入札を巡る偽計業務妨害の罪に問われた同省元主任分析官・佐藤優被告(49)の上告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は、被告の上告を棄却する決定をした。
 決定は30日付。懲役2年6月、執行猶予4年とした1、2審判決が確定する。
 1、2審判決によると、佐藤被告はロシア専門家であるイスラエルの大学教授と信頼関係を作るため、2000年、この教授がイスラエルで開いた学会に代表団を派遣するなどして、支援委に計約3350万円の損害を与えた。また、同年3月に支援委が発注した国後島発電施設工事の入札で、積算価格を三井物産に漏らして落札させ、入札を妨害した。
 佐藤被告は、背任事件について、〈1〉ロシアの情報を集めるために行った〈2〉局長ら複数の幹部が決裁している――と主張し、両事件の無罪を主張した。しかし、05年2月の東京地裁判決は、「被告には、支援委の財産を目的外の用途に流出させる認識があった」などとして背任罪の成立を認めた。
 控訴審では、担当局長として支出を決裁した東郷和彦・元外務省欧亜局長(64)が出廷し、「支出は、外務省が組織として実行しており、違法性はない」と証言したが、東京高裁は07年1月、「外務省幹部らは、同省に影響力を持っていた鈴木宗男衆院議員の不興を買うのを危惧(きぐ)し、支出を認めた」などと指摘して、佐藤被告の控訴を棄却した。
 佐藤被告は、鈴木議員(61)(新党大地代表)を巡る捜査の過程で逮捕された。あっせん収賄などの罪に問われた鈴木被告は1、2審で懲役2年の実刑判決を受け、上告中。
 佐藤被告は読売新聞の取材に、「外務省幹部の決裁を受けて、ロシアの情報を取るために派遣したのに、それが有罪になるなら外交などできない」と反発する一方、「国策捜査とはこのようなものだから、その通りに受け止めるしかない」とも述べた。現在、休職中だが、有罪が確定すると失職する。
(2009年7月1日20時16分 読売新聞)


佐藤優氏が「偽計業務妨害」を問われた案件は、当時の外務事務次官(外務官僚のトップ)竹内行夫《たけうちゆきお》氏を始めとする外務省幹部の決裁を受けたものです。
これに関して佐藤優氏が「有罪」だとするなら、竹内行夫氏以下当時の幹部たちも逮捕して裁判にかけるべきです。
これが真っ当な筋《すじ》というものではないでしょうか?

外務官僚のトップ(外務事務次官)が「OK」をだした任務を遂行した。
それが原因で、部下の官僚が逮捕され500日以上も拘留され、挙句の果てに有罪判決を受ける。
これはまさに不条理の世界ではないでしょうか。
フランツ・カフカもびっくり!」の無茶苦茶な不条理劇です。
あるいは「北朝鮮人民も真っ青!」の暗黒劇です。


佐藤優氏の裁判に関連して、外務官僚の一部は「(当時外務省に大きな影響力を持っていた)鈴木宗男議員が怖くて、しかたなくハンコをついた」なんてことを述べたそうです。
これまた、異常きわまる話です。
「誰それがコワイから、ハンコをついた」
こんな言い草が大人《おとな》の世界で通用するはずがありません。
ましてや「国益」を最重要視しなければならない外交官なのです。
それなら、鈴木宗男氏より遥かにオッカナイであろう米国オバマ大統領やロシアのプーチン元大統領などから何かを依頼されたら、ただひたすら従う(日本の国益などかなぐり捨てて)ということになりますね?
「コワイから、ハンコをつきました」
こんな幼稚園児のような言い訳はやめておけ、というしかありません。
また、その幼稚園児のような言い草をすんなり採用する検察官・裁判官っていったい何なのですか? という話です。


また、当時の外務省執行部は、革命政党である日本共産党への外交秘密文書の流出という、きわめて悪質な謀略を行なっています。
これなどは「偽計業務妨害」などとは比べ物にならない「超」極悪行為だと思うのです。
シロウト感覚でいわせていただくなら、「国家反逆」とでも呼ぶのが妥当ではないでしょうか?
しかし、これまでほとんど問題にされてこなかったことから判断すると、どうやら「司法村」の皆様の価値基準は庶民の私(喜八)とは大きく異なるようですね。

しかし、司法が国民から信頼されなくなったら、それは「国家の危機」に直結します。
そして、いままさに司法への信頼は地に堕ちつつあります。
このままでは日本という国家が自壊への道を歩みかねない。
とはいえ、この危機感を共有する良心的な司法人も少なくないのだと思います。
日本はそこまで駄目な国では(断じて)ないでしょう。
少なからぬ数が存在するであろう良心的司法人による「自浄作用」を私(喜八)は心より期待しております。


外務省で佐藤優氏の上司として、ロシアとの北方領土交渉に尽力した東郷和彦氏はその著書『北方領土交渉秘録 失われた五度の機会』新潮社(2007)で次のように書かれています(同書17頁)。

「佐藤優氏は、公《おおやけ》のため、日本の国のためにどうしたらよいかについて不眠不休で仕事をし、その献身ぶりは余人の及ぶところではありません。その政策目標を余りにも追求するが故に、時に外務省内外の人間関係の面で難しい問題が生じたこともありましたが、私《東郷和彦》は彼より十五歳年上で一緒にロシアをやってきた者として、この点について十分に指導できなかったことを申し訳なく思います。しかし、彼が、私益を求めたり、そのために法を犯してなにかをやろうということは絶対に無いと思います」

これは実際の裁判での証言です。
にもかかわらず、裁判所は耳を傾けることがありませんでした。


次は鈴木宗男衆議院議員の著書『汚名 国家に人生を奪われた男の告白』講談社(2009)からの引用です(同書140頁)。

 佐藤優の人間性をひとことでいうならば「国益原理主義者」である。
 右バネの熱烈な愛国者というのではない。二四時間すべて日本について思い悩み、日本がどうあるべきか、日本の国益とは何かを考えている。ある意味では、最高の「役人根性」の持ち主であった。
 だからこそ、彼の口癖《くちぐせ》は「国益」である。「一に国益、二に国益、三、四がなくても五に国益」と、徹底していた。
 佐藤優は、外務省で出世したいと思ったり、名誉や地位を求めたりしなかった。金、オンナ、酒、ギャンブルにもさほど関心を示さなかった。彼が愛するのは「国家」だけなのだ。
 それゆえ彼は、エリート官僚だろうが、大物政治家だろうが、国益に適うかどうかだけで判断していた。日本のために役に立つなら手助けするし、ダメなら自分の邪魔にならないよう体《てい》よくあしらう。いうなれば佐藤優は、国益のリトマス試験紙なのだ。彼に認められると「国のために役に立つ政治家」と太鼓判を押された気分になったものだ。
 そのため私《鈴木宗男》は、彼に認められるような政治家であろうとしてきた。彼には、それだけの価値があったからだ。何より、私と佐藤は同じ大望を抱いていた。
 北方領土返還、である。


鈴木宗男東郷和彦佐藤優氏らは「北方領土の回復」に本気で挑戦した数少ない日本人です。
戦後日本は新憲法により「国際紛争を解決する手段として」の戦争を放棄したため、北方領土返還も武力ではなくて外交力に拠らなければなりません。
鈴木・東郷・佐藤氏らは北方領土回復のため、旺盛な外交戦・情報戦・思想戦を展開しましたが、残念ながらその試みは頓挫《とんざ》することになりました。
鈴木宗男・東郷和彦・佐藤優氏らを外務省から「追放」することによって、ロシアとの北方領土交渉は進展したのでしょうか?
とても、そうは思えません。
進展どころか、「3.5島返還論」のような、国家の原則を踏みにじり、日本を崩壊させかねない究極の愚論まで飛び出してくる始末です。
鈴木宗男・東郷和彦・佐藤優氏らの「パージ(粛清)」は明らかに「国益」に反する結果を齎《もたら》したのです。


「喜八ログ」は今後も鈴木宗男東郷和彦佐藤優氏を応援します。
日本の社会をより良いものとし、誰もが安心して暮らせる平和な国家を築くため、「(元)外務省の3悪人」を断固として応援し続けます。


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投稿者 kihachin : 2009年07月02日 12:00

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