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2009年07月16日

湯浅誠さんと佐藤優さん

『どんとこい、貧困!』湯浅誠
どんとこい、貧困!』湯浅誠、理論社(2009)

(『どんとこい、貧困!』を「Amazon」「楽天」「bk1」で購入する)


タイトル通り、湯浅誠さん(「NPO法人自立生活サポートセンターもやい」事務局長)と佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)に関するエントリです。

このお2人から(本を通じて)私(喜八)は非常に多くのことを学びました。


最近、立て続けに湯浅誠さんの本が出版されているので、それらを立て続けに読みました。
思いつつまま本のタイトルを並べてみます。


どんとこい、貧困!
理論社(2009)

湯浅誠が語る「現代の貧困」
金子勝さん(経済学者)らとの共著、新泉社(2009)

反貧困と派遣切り―派遣村がめざすもの
福島みずほさん(社民党代表)との共著、七つ森書館(2009)

正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ!
堤未果さん(ジャーナリスト)との共著、角川書店(2009)

脱「貧困」への政治
雨宮処凛さんらとの共著、岩波ブックレット(2009)


以上は今年(2009)読了した湯浅誠さんの本です。
昨年(2008)には以下の2冊(その他)を読んでいます。


反貧困
岩波新書(2008)

貧困襲来
山吹書店(2007)


湯浅誠さんの本の特徴を端的にいうなら。
実用的」。
これに尽きます。
私は「教養を高めよう」とか「いい気持ちになりたくて」湯浅さんの著書を手に取るわけではありません。
あくまで「実用書」として読んでいます。

  • たまたま縁があり生まれ育った祖国日本を「誰もが安心して、平和に暮らせる」国にしたい
  • 地球上から「戦争」「貧困」「差別」を根絶したい

自分(喜八)の非力・怠惰・小心を棚に上げて、大マジメに「戦争・貧困・差別を根絶したい」と思っている私にとって、湯浅誠さんの本は最高の「実用書」です。

「自分が属する、この社会(世界)をより良いものにしたい」
「とはいえ、世界を大きく変えるだけの力を自分は持っていない」
「だが、ボンクラでヘタレの自分にもできることは、絶対に何かあるはずだ」
「おのれの非力・怠惰・小心を言い訳にして、何もしなければ、絶対に何も変わらない!」
「では、何を、どうしたらいいのか?」

この自問自答に答えるためには、湯浅誠さんの本がとても役に立つのです。

湯浅誠さん、(本を通じて)色々と教えていただきまして、ありがとうございます。


湯浅誠さんの本は「実用書」。
それもきわめて現実的で有用な「実用書」。
その点では、佐藤優さんと湯浅誠さんは相通ずるところがあるかもしれません。
佐藤優さんの大量の著書を、私は主に「実用書」として読んできました。
以下は「喜八ログ:佐藤優という『罠』」(2007-05-13)からの一部転載です。

もともと私(喜八)は佐藤優氏の一連の著作を「実用書」として読んできました。悲惨な結果を生むことが目に見えている、アメリカ型「行け行けドンドン資本主義」の日本への導入。やはり悲惨な結果を生むことが目に見えている、排外主義的ナショナリズムの勃興。こういったものと戦うための「最良の実用書」として。

ただし「実用」一点張りかといえば、そうでもなくて、「佐藤優さんには文学の香りが濃厚にある」とも思っています。
佐藤優さんは「神学者」であり「思想家」であり「文学者」というのが、いまのところの私の判断です。
直感的に言えば、谷崎潤一郎江戸川乱歩久生十蘭団鬼六色川武大(阿佐田哲也)に近い資質を持ち、さらに独自の「武器」を備えた、きわめて異相の文学者ではないか。
なんて思っています。
佐藤優さんの代表作のひとつである『自壊する帝国』新潮社(2006)を、私は「文学作品」として味わうとともに、「最良の実用書」としても活用させていただいています。


ところで、以前「喜八ログ」で雨宮処凛さん(作家・社会活動家)が面白い位置にいるということを書きました。

『雨宮処凛氏と「人倫」の思想』佐藤優
(「喜八ログ」2009-03-18)

雨宮処凛さんは、佐藤優湯浅誠という「現時点における日本最大の思想家」双方から学べる位置にいる。
そして、佐藤優・湯浅誠両氏はともに、雨宮処凛さんに対して強い敬意を抱いている。
雨宮処凛さんは地アタマが猛烈に良くて、強靭な意志と非常な胆力を備えている。
さらには多くの人たちの心を強く打つ「何か」をもっている。
そんな雨宮処凛さんはまだまだ若い。
佐藤優・湯浅誠両氏の薫陶《くんとう》を受けて、10年後・20年後、雨宮処凛さんはものすごく大きな存在に成長しているのではないか。
雨宮処凛さんは近い将来「日本の希望」に成長する可能性が高い。
以上のようなことを考えたのです。

それで、最近、ふと気づきました。
湯浅誠さんと佐藤優さんはドンドン本をだしている。
ボンクラながら私(喜八)はお2人の本をドンドン読んでいる。
湯浅誠さんと佐藤優さんと私は決して個人的に親しくはないけれど、お2人の声を直接聞ける機会は(ときどき)ある。
いわゆる謦咳《けいがい》に接することはできる。
事実、湯浅誠さん・佐藤優さんの本を読んでいると、その特徴的な声が脳裏に響くような思いをすることが多い。
もしかしたら、私もまた湯浅誠さん・佐藤優さんの薫陶《くんとう》を受けていると言えるのではないだろうか?
湯浅誠さん・佐藤優さんの(広い意味での)「学問道場」の末席に、自分も連なっていると思ってよいのではないだろうか?
なんてことに気づきました。
そうなると、雨宮処凛さんのような優秀な門下生には遥かに及ばないにしても、私もこれから知的成長を遂げることができるかもしれない!
このように思っております。


「現時点における日本最大の思想家」湯浅誠さんと佐藤優さん。
この2人に共通する思想を端的に言うなら、

強い社会をつくることにより、強い国家をつくる

です。

「強い社会」とは「戦争と貧困のない、誰もが平和に安心して暮らせる社会」のことです。
これは、誤解の余地なくはっきりと、明示されている思想です。
佐藤優さんと湯浅誠さんは「強い社会をつくることにより、強い国家をつくる」という、思想(および実践)の根幹部分が一致しています。

さらに付け加えるなら、湯浅さんと佐藤さんは「反体制主義者」でも「革命主義者」でもありません。
もちろん「反社会」的な存在でもありません。
社会の強化を通じて国家を強化することを実践する、本質的な意味における、「保守主義者」です。
ただし「国家を強くする」と言っても、強圧的な軍事国家を目指すわけではなくて、「戦争と貧困のない、誰もが平和に安心して暮らせる社会」の実現を目標とする思想家なのです。
そして私(喜八)はその門下の末端に連なる者だと(勝手に)思っています。


エントリの最後に。
湯浅誠さん、佐藤優さん、雨宮処凛さん。
これらの方々を間近で見て「おそらく、結構ダメなところがある。そして本人がそれを意識している」と感じました(問題発言ですね・・・汗)。
ただし、「ダメな自分を意識しているからこそ、湯浅・佐藤・雨宮さんたちは、他者に優しくなれるのだろう」とも思っているのです。
また「ダメ」ということでは、私(喜八)のほうが、問題にならないくらい遥かにダメだという自覚を前提にしての「問題発言」です。

今後も「ダメで何が悪い。ダメな喜八がのさばるぞ!」精神で、開き直りまくって、ボチボチとやっていくことにします。
そして「自分がダメな分、本当の意味で、人に優しく接していきたい(湯浅・佐藤・雨宮さんたちのように)」と強く思っています。


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投稿者 kihachin : 2009年07月16日 12:00

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