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2009年10月31日

湯浅誠「小さいことから始めるしかない」

『湯浅誠が語る「現代の貧困」』
湯浅誠が語る「現代の貧困」』新泉社(2009)

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湯浅誠が語る「現代の貧困」』新泉社(2009)から湯浅誠さん(「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」「反貧困ネットワーク」事務局長)の発言を紹介します。


湯浅誠が語る「現代の貧困」』の前半部分は、2008年11月19日聖学院大学で開催された講演「湯浅誠、学生と語る『現代の貧困』─生きること、働くこと、そしてつながること─」および講演に続けて行なわれた大学生たちとの対話がベースになっています(後半は金子勝慶應大学経済学部教授と湯浅誠さんの対談)。
湯浅誠さんとの対話の中で1人の学生が「結局、自分は何もできない。貧困のことを考えたら、本当に何かできたらいいなと思うんですが、具体的に何をすればいいのかわからなくなってしまって、すごく無力感を感じているんです」「私たちには何ができるのでしょうか」という問いを発します(『湯浅誠が語る「現代の貧困」』45頁)。
それに対する湯浅誠さんの答えの一部を以下に引用させていただきます(46-47頁)。

 それで、本当はもっとできるはずなのに何をやったらいいかわからない、時間はつくれるけれど、何をやったらいいかわからないというようなことがあるのだったら、ぜひその時間を生かして、すでに活動が行われている現場を見てもらいたい。私たち「もやい」の事務所に来てもらってもいいし、ほかにもいろいろな活動をしている人たちがいます。自分がゼロから活動をつくりあげていくというのは、ある程度の経験とか、ほかの人のやっているところを見て、それを参考にしながらでないと難しいので、いろいろなところを見ることから始めるのがいいと思います。
 そうした中でどれが一番自分にしっくりくるのか探していけばいいし、「ああ、こういう現実があるんだ」、「こういうふうにやっているんだ」、「こういうふうに考えているんだ」ということがわかるようになればいいと思います。

いろいろな「現場」を訪れる。
その場で行なわれていることを実際に自分の目で見て、身体を動かして手伝って、当事者・関係者と話をする。
たしかに「現場」で「現実」に触れなければ、何をするにしても、話にならないですからね。
そうやって「どれが一番自分にしっくりくるのか探していけばいい」。
さすがは湯浅さん、シンプルにして非常に有益なアドバイスをしてくれます。
湯浅誠さん、ありがとう!


たまたま私(喜八)は、上の湯浅誠さんの文章に触れる前から、いろいろな場所を訪れ、そこで知り合った人たちと話すようにしてきました。

  • もやい」の事務所および「サロン・ド・カフェ こもれび」を貧困(経済的&つながりの貧困)の当事者の1人として訪れる
  • 派遣ユニオン」関連のイベントやデモ
  • 大木晴子さんたちの新宿西口意思表示に押しかけ参加
  • ホームレス状態の人が売る雑誌『ビッグイシュー』販売者さんたちと交友を深める
  • 石橋行受上人(日本山妙法寺僧侶)の「ピースウォーク」(2010年01月01日に沖縄を出発し05月03日の憲法記念日に東京到着予定)を支援
  • 各地の公園(複数)で行なわれている「炊き出し」にボランティア参加
  • 「築地市場移転反対」デモに参加

などなど、いまのところ「広く浅く」行動しています(他にもいろいろなところに行っています)。
たいしたことは(まったく)できていませんが(汗)。

もともと私(喜八)は要領はいいほうなのですが、人間関係ではかなり臆病で、人とのつながりに対してある種の恐怖心があります。
だから、そうそう簡単には人と親しくなれないんですね。
それと話は逸れるようですが、「株式投資」における「リスク分散」的な感覚が身についているということもあるかと自分では思っています。
株式証券も複数(自分の場合は最低10銘柄以上)保有していれば、ある株は値上がりし、別のある株は値下がりするのが通常です。
それでトータルで「プラス」となればいい、という考え方です(「分散投資」といいます)。
人間関係にも「リスク分散」を持ち込んでいる、ことを最近になって自覚しました。
いろいろな場所で、様々な人たちと付き合っていれば、そのうちの何人かとは比較的うまくやっていけるだろう。
逆に言うと、一部の人たちから相手にされなかったり嫌われたり排除されたりしても「まあ、しょうがないか」とアッサリ諦める。
縁のない人や組織を「深追い」したりはしない。
こういったスタンスで、いろいろな現場を訪れ、そこで行なわれている活動を実際に見て、身体を動かして手伝い、当事者・関係者と話をして、「どれが一番自分にしっくりくるのか探してい」るところなのだと思います。
最初から計算してそうしているわけではありませんが(たぶん・・・)。


湯浅誠が語る「現代の貧困」』に話を戻します。
同書の48ページに湯浅誠さんの凄いコメントがあります。
なにはともあれ、これを紹介しなければいけませんでした。

 何かすごいことをやろうとすると、何もできなくなっちゃうんですね。すごいことなんて絶対にできませんから。最初は小さいことから始めるしかないんです。それは小さいことだから意味がないということでは決してないということです。

「生存権運動」の現場でいろいろな人たちと話してみると、「何かしたいと思っているけれど、具体的に何をすればいいのかわからない。自分には何ができるのか?」と感じている人はとても多いように思います。
もちろん、すでに「自分のやりたいこと、やるべきこと」を見つけてバリバリ活動されている方たちも大勢います。
と、同時に「何をすればいいのかわからない」という人は少なくありません。

最初は小さいことから始めるしかない

まずは勇気を出して一歩を踏み出して、各種のボランティアに参加してみた。
それでも、なんだかシックリ来ないかもしれない。
「自分のやりたいこと、やるべきこと」とは違うような気がするかもしれない。
実際、長期間にわたってNPOなどで活動している方から「ボランティアに来ても、そのうち顔を出さなくなる人が多いよね」という声を複数聞いたことがあります。
ある意味「それはそれでいい」と私(喜八)は思います。
湯浅誠さんもアドバイスされているように「そうした中でどれが一番自分にしっくりくるのか探していけばいい」わけですから。
なにも最初に巡り合ったものに拘泥しなくてもよいのです。
自分なりの「居場所」や「仲間」を焦らずにノンビリと探していく。
自分がいまできる「小さなこと」を実行し、そして少しずつ「できること」の範囲を広げ、その質・頻度を高めていく。
そういった考え方も、また有効ではないかと思っています。


最後に湯浅誠さん講演会のお知らせです。
2009年12月13日、兵庫県神戸市北区内で開催される『第4回 北区「9条のつどい」』のゲスト・スピーカーとして湯浅誠さんが登場される予定です。 
イベントの主催は『北神戸「9条の会」』。
まだ1ヵ月以上先の話なのですが、友だちのお玉さんが係わられているので、念入りに先行告知しました。
詳細は追って報告します。

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投稿者 kihachin : 2009年10月31日 08:00

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