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2009年12月18日

湯浅誠『岩盤を穿つ』から

『岩盤を穿つ』湯浅誠
岩盤を穿つ』湯浅誠、文藝春秋社(2009)

(※『岩盤を穿つ』を「Amazon楽天」「bk1」で購入する)


湯浅誠さん(「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」事務局長)の『岩盤を穿つ』文藝春秋社(2009.11)から、特に強い印象を受けた部分を抜書きさせていただきます。
(各引用文冒頭の数字はページ数。《 》 に挟まれた部分は喜八による補足です)


(008) 私《湯浅誠》は、他人の人生をナメている人間が嫌いだ。「そんなこともできないのか」と見下したように言う人間を見ると、「あんたはそんなにゴリッパなのかい」と瞬間的に反発を感じる。その反発は、人間ではなく、社会に対しても同じように感じる。生きていけなくなった人が続々出ても、何の問題もないかのように平然と回っていく社会を見ると、「この社会はそんなにゴリッパなのか」という反発を覚える。

(009) 夢見る権利は誰にでもある。しかし他方、夢見る条件というものがある。夢見る条件をととのえなければ、夢は見られない(その条件を、私は〝溜《た》め〟と呼ぶ)。夢見る条件をととのえようとする夢、それが「活動」だ。

(035) 貧困状態に追い込まれた人と貧困状態に追い込まれていない人は、違っているところはたいしてありません。世の中には、ほどほどに真面目でほどほどにいい加減で、そして生きていける人と、そこそこ真面目でそこそこいい加減な面があって、そして生きていけなくなっている人と、基本的にはこの二種類がいるにすぎないと私《湯浅誠》は思っています。
 生きていけなくなった途端に、「あんたが生きていけないのはこのせいなんだ」と言われるわけです。それが自己責任論です。結局世の中で一番不利な人ほど完璧でなければいけないことになるのです。

(119)「貧困ビジネス」は、規制緩和を進める政府と明確な共犯関係にある。

(123) 人が生きるためには寝る必要があり、そして寝るためには一定のスペースを物理的に占める必要がある。宙に浮いて寝るわけにはいかない。雨露をしのげる最低限の住宅確保は、その意味で人が人として生きていくためのもっとも基礎的な条件、つまり人権である。しかし、日本には「住宅は権利」という発想はほとんどない。あらゆる人に住宅が必要なのに、お金のない人、連帯保証人のいない人、立場の弱い人には提供されない。そこに、貧困ビジネス住宅部門のはびこる余地が生まれる。

(175)「あんたの努力が足りないから、そういう結果になるんだ」と実際に自己責任論が行使されるとき、それは文脈上「おれは関係ない」という言葉の言い換えにすぎない。じっくりと相手の立場に立って考えるのが面倒くさいとき、その時間的・精神的余裕がないときに、自己責任論は発動される。それは、どんどん忙しくなる人々の余裕のなさを糧に大きくなるものであり、他者を見下ろす「上から目線」、切り捨ての発想に基づいている。「もっとがんばれ」と言いながら、本人がもっとがんばれるかどうかなど実はどうでもいい。単に「聞きたくない」という拒否、「どうとでもなれ」という無関心、それが自己責任論の正体だ。

(188) 私《湯浅誠》の場合、運動をつなげていくという発想は弱さの自覚から生まれています。我々は小さいので、自分たちだけでは何もできません。「いろいろな人たちとつながらなければ、何もできない」という自覚があるから、一生懸命考えるのです。

(207) 私たちは岩盤をコツコツと叩き続けるしかない。しかし岩にも「スジ」があり、職人はそのスジを見出して、より少ない力で岩盤を割る術を持つ。私たちもまた、そのスジを見つける眼力を鍛《きた》え続けていかなければならないだろう。

(209)結局、自己責任論とは、自己責任を棚上げする人たちが主張していたものなのだ。私たちが、そんな下劣なものに引きずられる必要はない。

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別の本の紹介です。
もやい」スタッフ・うてつあきこさんの著書『つながりゆるりと 小さな居場所「サロン・ド・カフェ こもれび」の挑戦』が自然食通信社から2009年11月25日に発売されました。

いっさいの外交辞令抜きで素晴らしい本です。
「喜八ログ」は『つながりゆるりと』の売り上げアップに協力させていただきたいと思います。

つながりゆるりと』うてつあきこ、自然食通信社(2009.11)

『つながり ゆるりと』~小さな居場所 「サロン・ド・カフェ こもれび」の挑戦 発行 自然食通信社 うてつあきこ著
(「Moyai Blog」2009-11-22)

『つながりゆるりと』うてつあきこ(1)
(「喜八ログ」2009-11-24)

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つながりゆるりと』著者・うてつあきこさんと「こもれび荘のパパ」こと小野寺さんの「2ショット浴衣写真」を紹介します。
2009年08月22日(土)、「もやい」の活動拠点「こもれび荘」(東京・飯田橋)で私(喜八)が撮影したものです。
写真はクリックすると大きくなります。

うてつあきこさんと小野寺さん
うてつあきこさんと小野寺さん

もともと、この写真はブログに掲載する予定はありませんでした(うてつさんと小野寺さんにはそれぞれ写真プリントをお渡ししました)。
が、ふと「本(『つながりゆるりと』)の宣伝に使えるかも?!」と私(喜八)が思い立ち、渋るうてつさんと小野寺さんを説得して、ブログ掲載の許可をいただきました。
「本を出したら、何がなんでも1万部を売り上げなければならない」が出版の世界では常識だそうですから、非力な弊ブログも「自分にやれるだけのことはやる」姿勢で協力させていただきます(おせっかいで、すみません)。

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投稿者 kihachin : 2009年12月18日 12:00

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