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2010年01月21日

土井敏邦「イスラエル政府の報道規制に抗議」

『沈黙を破る』予告編


土井敏邦さん(ジャーナリスト・ドキュメンタリー映画『沈黙を破る』監督)がイスラエル政府の不当な報道規制に対する抗議文を公開し、賛同者を募っています。

イスラエル政府の報道規制に抗議します
(「土井敏邦 Doi Toshikuni」2010年1月15日)

エントリ後半ではヤスミン植月千春さん(音楽家)・石橋行受上人(僧侶)・大木晴子さん(平和活動家)による反戦意思表示行動を紹介します。


土井敏邦監督の『沈黙を破る』はイスラエル軍元兵士たちが、自らの加害行為(破壊と殺戮)を告白する姿を記録し、パレスチナ・イスラエル―“占領・侵略”の本質を重層的に描きだした映像作品です。
沈黙を破る』は2009年05月に公開され、2010年01~02月には東京都と石川県でアンコール上映が行なわれます。
詳しい上映情報は土井敏邦さんのウェブページをご覧ください。

『沈黙を破る』上映情報更新
(「土井敏邦 Doi Toshikuni」2010年1月15日)


土井敏邦さんの友人「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」代表理事・稲葉剛さん発の情報を以下に転載させていただきます。


★転載開始★

以下は、転送・転載歓迎です。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
【賛同の呼びかけ文と抗議文】

前略
 ジャーナリストの土井敏邦です。
 ガザ攻撃開始から1年目に当たる2009年12月27日、私は、イスラエル政府の報道規制に対し、公に抗議する決心をしました。
 それは一般的な報道規制に対する訴えではなく、私個人への規制が契機となり決意した抗議です。
 2009年夏より、私は2度にわたってイスラエル政府によって、プレスカード発行拒否されました。これによって私はガザ地区での取材の道を絶たれました。
 しかし、この問題は私個人の問題に終わらず、パレスチナを取材するジャーナリスト全体に関わる問題だと考えています。
 下記(添付ファイルには日本語と英文)はイスラエル政府に対する私の抗議文です。


 みなさんにお願いしたいことがあります。
 私の訴えの趣旨をご理解いただき賛同していただける方は、「賛同人」になっていただけないでしょうか。
「賛同人」になっていただける方は、

1、賛同する(お名前、肩書を公表してもよい)
2、賛同する(お名前も肩書も公表しない)
の二つのどちらかもお知らせください。

*お手数ですが、1の「賛同人」となっていただける方は、例をご参考に書き方をご呈示ください。
例:(名前)土井敏邦/(読み方)どい・としくに/(肩書)ジャーナリスト
               2010年1月15日

イスラエル政府の報道規制に抗議します
ジャーナリスト・土井敏邦
 
約1400人の犠牲者、5000人を超える負傷者を出したガザ攻撃から1年が過ぎました。
 1985年以来、ジャーナリストとしてパレスチナ・イスラエルの現場を取材してきた私にとっても、これほどまでの破壊と殺戮を目の当たりにしたのは初めての体験でした。

私は、ガザ攻撃の「終結」直後から3週間にわたって現場を取材し、その結果を、NHK番組や岩波ブックレット、また世界報道写真展での映像展示、さらに数々の報告会、集会で伝えてきました。
その一方、2009年春にドキュメンタリー映画「沈黙を破る」を公開し、イスラエル国防軍(IDF)の元将兵たちによる占領地における加害の証言を伝えました。

 それから数カ月後の8月下旬、私はその後のガザ地区の実態を取材するため、いつもの通りエルサレムにあるイスラエル政府のプレス・オフィスでプレスカードを申請しました。これがなければ、イスラエルに占領・封鎖されているガザ地区に入れません。
しかし当局は、私へのプレスカードの発行を拒否しました。パレスチナ取材を始めて以来、20数年間で初めてことです。理由は「提出されたアサイメント・レター(推薦・委任状)はドキュメンタリー制作会社からのもので、報道機関からではない。ドキュメンタリー制作にはプレスカードを発行しない」というものでした。

しかし過去2回、同じドキュメンタリー制作会社「シグロ」のアサイメント・レターでプレスカードは発行されていたのです。ただこの時点で、過去2回の時と違っていたのは、「シグロ」が制作した私のドキュメンタリー映画「沈黙を破る」が劇場公開された直後だったことです。

 それから3カ月後の11月、私はガザ攻撃から1年目の実態を取材しようと、再びプレスカードを申請しました。今度は、ある報道機関からのアサイメント・レターによる申請でしたが、また拒否されたのです。理由は告げられませんでした。

 その直後、イスラエルの『イスラエル・ナショナル・ニューズ』(11月30日版)が、プレス・オフィスのダニー・シモン代表にインタビューをし、次のように伝えていることを知りました。
「イスラエルは、事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリストは認めないと語った。シモン氏は、意図的に虚偽を伝え、ハマスの犯罪を隠蔽するための“イチジクの葉”の役割を果たしているジャーナリストたちがいると強調した」
 つまり私がプレス・オフィスから「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」の1人とみなされたことが、プレスカードの発行拒否の大きな要因の1つと思われます。

 しかし私はジャーナリストとして、自分で現場を取材して確認した事実をできうる限り正確に伝えてきました。断じて「意図的に虚偽を伝え」たことはありません。また「ハマスなどパレスチナ側の犯罪を隠蔽する」報道をしたこともなく、むしろ自治政府の腐敗、ハマスの強権支配の実態など、パレスチナ側の負の部分もきちんと伝えてきました。
一方、ドキュメンタリー映画4部作『届かぬ声―パレスチナ・占領と生きる人びと』では、自爆テロで負傷または犠牲となったイスラエル市民の家族の現実と心情、また“占領”がイスラエル社会の“倫理・道徳観”を崩壊させるという危機感を抱き、“占領”に反対し闘うイスラエル人たちの姿も伝えてきました。

 今回のガザ攻撃に関する私の報道も、それが決して偏向したものではないことは、その後のアムネスティー・インターナショナルや国連調査団の報告からも明らかです。その報告はイスラエル軍の攻撃は「深刻な国際法違反」と告発しています。

このように、「パレスチナ側のプロパガンダ」のための報道ではなく、「パレスチナ問題の真の解決のために伝えなければならない事実」を、私は真摯に報道してきました。イスラエルのこのような武力攻撃や“占領”は単にパレスチナ人を苦しめるだけではなく、イスラエル国民の“倫理・道徳観”を崩壊させ、長期的にはイスラエル国民が求める真の安全と平和の可能性を自ら破壊することになると考えるからです。そういう私が「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」という烙印を押されることを断じて受け入れることはできません。
 プレスカードが取得できないということは、今後、私は取材のためにガザ地区に入れないということを意味します。

 学生時代、イスラエルの「キブツ」(農業共同体)に滞在していたときに友人に誘われ、私が初めてガザの難民キャンプを訪れたのは32年前のことです。そこで住民に投げかけられた「君が滞在するキブツは誰の土地だったか知っているのか」という問いが、私の“パレスチナ問題”との出会いでした。

 その後、ジャーナリストとしてパレスチナ・イスラエルの取材を開始した1985年以来、私は数えきれないほどガザ地区に通い、取材を続けてきました。第1次インティファーダ(民衆蜂起)以前、インティファーダの真っただ中、湾岸戦争下、オスロ合意の直後、自治政府の登場、アラファト政権下の腐敗、第2次インティファーダ、ユダヤ人入植地の撤退、第2次レバノン戦争下、ハマスの強権統治の実態、封鎖の惨状、そしてガザ攻撃・・・。私は、激しく揺れ動くそのガザの情勢の中に身を置き、占領の下で生きる人びとの生活と声を記録し、伝え続けてきました。ある意味では、私はジャーナリストとして、また人間として、 “ガザ”に育てられたといえます。

そのガザの“現場”と20数年間に築き上げてきた“現地の人びととの絆”を、私は今、イスラエル政府によるプレスカード発行拒否によって奪われようとしています。その絶望感は舌筆しがたいものがあります。

 ガザ地区の住民たちは長年、“封鎖”という“占領”のなかで、治療や勉学、仕事のためにガザの外に出ることもできず、海外で暮らす家族との再会も果たせない状況が続いています。もちろん、そんな住民の現実の深刻さとその苦悩に比べることはできませんが、私自身もガザ地区から断ち切られるようとする今、その“痛み”のほんの一端ですが、身を持って知った思いがします。

長年にわたって中東問題を伝えてきた、ある親しいジャーナリストは、私にこう書いてくれました。
 「イスラエルの介入で取材の場を奪われたジャーナリストとして、つまり、自分をパレスチナ問題の当事者として、その不当性を訴えつつ活動するというあり方もあるのではないでしょうか。私は、土井さんの問題は、『ガザの現状が伝えられなくなる』という問題以上に、重要な問題だと思います。まさに、占領そのものの問題なのですから」

 私がプレスカード発行を拒否され取材の場を奪われることは、私自身が“パレスチナ問題の当事者”となることであり、この現実と闘うことは、まさに私自身がジャーナリストとして“イスラエルの占領と闘う”ことを意味するという現実を、私はその言葉に突き付けられ、教えられた思いがします。
 しかし、これは私だけの問題ではありません。今後、私のようにパレスチナ側に起こった被害やイスラエル側の実態を報道するジャーナリストは、「事実を伝えない反ユダヤ主義のジャーナリスト」という烙印を押されてプレスカードの発行を拒否され、報道規制を受ける可能性が十分あります。
これは明らかに、イスラエルの“占領”に起因する不当な報道規制です。これを看過すれば、今後、パレスチナ側の実態を伝えることが難しくなります。私は、パレスチナの現場を取材し続けるジャーナリストであり続けるために、イスラエルのこの報道規制に対して記者会見、シンポジウムや集会、署名活動などを通して抗議し、正当な報道の自由を尊重するようにイスラエル政府に求めていくつもりです。
どうか、みなさんのお力を貸してください。
                      2009年12月27日 
                     (ガザ攻撃開始から1周年の日に)


 【連絡先】doitoshikuni@mail.goo.ne.jp
 【ホームページ】 http://www.doi-toshikuni.net/

★転載終了★


ヤスミン植月千春さん(声楽家・ピアニスト・カーヌーン奏者)のライブ動画を紹介します。

Rachel

この「Rachel」は、2003年03月16日、ガザ地区でイスラエル国防軍の武装ブルドーザーに轢き殺された米国人平和活動家・レイチェル・コリー(Rachel Corrie)に捧げられた曲です。
レイチェルが殺害された3日後の2003年03月19日には、米国によるイラク侵略が開始されています。

Rachel」を作詞作曲したのは石橋行受上人(日本山妙法寺僧侶)です。
石橋上人は「レイチェル・コリー殺害事件」を知った日、「けっして他人事ではない」と強く心を動かされるとともに、この曲が自然と思い浮かんだそうです。
それを友人のヤスミン植月千春さんに歌うことで伝え、ヤスミンさんが編曲されました。
Rachel」の歌詞はヤスミン植月さんのウェブページで読むことができます。


石橋行受上人を中心とした「ピースウォーク from 沖縄」行進団が、2010年01月01日に沖縄久高島を出発し、05月03日(憲法記念日)前の東京到着を目指して毎日歩き・抗議行動および集会に参加し・平和を祈り続けています。
行進団の様子は以下の公式ブログで報告されています。

ピースウォーク:ブログ

ピースウォーク from 沖縄」行進団の方々の旅のご無事を祈ります!
後には私(喜八)も行進に参加させていただく予定です。


平和活動家・大木晴子さんたちは「母さんのイスラエル大使館前!」と名づけたイスラエル大使館前での抗議行動を、およそ月に1回のペースで続けられています。

大木晴子さん
母さんのイスラエル大使館前!

正直に言って、小心者の私(喜八)はまだご一緒したことはないのですが…。
つねづね大木晴子さんにお世話になっていることを思えば、いずれは応援にいかねばならないでしょうね。
しかし、怖い…(汗)。
なお、念のために書いておくと、大木晴子さんが「来い!」と仰ったわけではありません。
大木さんは押しつけがましいことを一切言わない方です(その点は「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」代表理事・稲葉剛さんとよく似ています)。
「応援にいかねばなるまい!」というのは、あくまで私の自発的な気持ちです。
でも「秘密警察に拉致されて拷問・虐殺されるかも?」なんて、ついビクビクしてしまいます。
だって、パレスチナのイスラエル軍占領地では、そういうことが「日常茶飯事」のように横行しているようですから…。


なお、大木晴子さんは今日(01-21)沖縄に向けて旅立たれ、「ピースウォーク from 沖縄」にも参加されるそうです。
いま沖縄には石橋行受上人・永瀬ユキさん・大木晴子さん・ブーゲンビリアさんと、少なからぬ知り合いの方たちが集結している状況です…。


関連ページ


郵政民営化凍結TBP

郵政民営化凍結!

郵政民営化凍結」TBキャンペーンをよろしくお願いします。

(※上の猫画像は「ImageChef イメージクリエーター」で製作しました)


投稿者 kihachin : 2010年01月21日 12:00

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