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2010年05月12日

綾屋紗月『前略、離婚を決めました』

よりみちパン!セ「前略、離婚を決めました」綾屋紗月

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綾屋紗月《あやや・さつき》さんの『前略、離婚を決めました』理論社(2009.08)から特に印象深かったところを引用させていただきます。

綾屋紗月(あやや さつき)プロフィール
(「JAM(Joint Attention of Minorities) ~新しいまなざしを考える会~」サイトから)

綾屋紗月(あやや さつき)プロフィール
4歳時より
外界とつながっている感覚が乏しく、
「自分は何者なのか」という問いに苦しみ続ける。
虚弱で伏せがちな中高時代を過ごし、
かといって原因もわからず、うつ浸りな思春期を過ごす。
15~16歳のときに教科書が読めなくなり、
しばらく登校できなくなる。
大学時代は関東聴覚障害学生懇談会にて
聴覚障害学生と共に活動しながら、
音声で話すことに高いハードルを感じる自分の言葉として手話を習得する。
低血圧症、うつ病と、
「自分のおかしさ」の原因を見つけたと思っては
「やっぱり違う。」と思わされ、
2006年、
アスペルガー症候群の存在を知り、診断名をもらう。


それでは『前略、離婚を決めました綾屋紗月、理論社(2009)から引用させていただきます。
各引用文冒頭の数字はページ数、《 》 に挟まれた部分は喜八による補足です。

(172) 「家族だったらこのくらい、やってくれてもいいでしょ」「家族なんだから当たり前」と相手を侮って、自分の思い通りに動かそうとする人とは、たとえ戸籍が同じだろうが、血がつながっていようが「親密につながれる人」にはなれません。
 偉そうに上から押しつけて侵入してくる力が、私たちの日常を虐《しいた》げることのない生活。脅かされない生活。そんな生活を粛々といっしょに回そうとしてくれることが「親密につながれる人」の必要条件のひとつになりそうです。そのとき、その人とは戸籍や血でつながっていないことだって、きっとあるのです。

(222) 「たとえ親密な関係であろうとも、他者は自分の思いどおりに動かないのが当たり前。だからこそ、自分の望んだとおりに動いてくれたときには、どんな些細なことでも感謝の念が生まれる」。そういう前提でなければ、愛情という名のもとに、相手の言動を際限なく支配し、束縛する暴力が生まれてしまうのです。

(247) そう、お母さん《綾屋紗月》は「どこででも、誰とでも生きていける強さ」なんて持ち合わせていません。でもだからこそ、「いまここにいる、限られた、かけがいのない人たち」をたいせつに思い、日々感謝しながら生きていくのです。

(249) この人といっしょにいるときだけ拾ってもらえる、はかなくてかすかな存在である自分。本当にいるのかどうか、つねに確認し続けなければ輪郭がすぐに危うくなる自分。冷たく広がる荒野の中に、ぽつんと独りたたずむ感覚の中で生きている私たちにとって、死ぬまで裏切らずにいっしょにいてくれる人を求めるこの思いは、なによりも切実な願いなのです。

(250) お母さんとくまちゃん《熊谷晋一郎》は「『どこかで見た誰か』や『当たり前とされている何か』のとおりであれば合格だろう」「この前このぐらいでちょうど良かったから今回もこんなものだろう」と、形式どおりにやり過ごしてしまうことを、おたがいに警戒しています。毎回、一瞬一瞬、呼吸の仕方や筋肉の震えを感じ取り、相手が「気持ちいい」から「恐怖」に変わってないかを、つぶさにひろい合います。何かに不安になったらすべてをやめて、つっかえつっかえ立ち止まり、たくさんの言葉を紡ぎ、純粋な慈《いつく》しみだけの文脈で交わすエッチな気分をたいせつにしています。


綾屋紗月『前略、離婚を決めました』

『前略、離婚を決めました』綾屋紗月
前略、離婚を決めました』綾屋紗月、理論社(2009)

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投稿者 kihachin : 2010年05月12日 12:00

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