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2010年05月13日

熊谷晋一郎『リハビリの夜』書評セッション(報告・その2)

『リハビリの夜』熊谷晋一郎
リハビリの夜』熊谷晋一郎、医学書院(2009)

(※『リハビリの夜』を「Amazon」「楽天」「bk1」で購入する)


2010年04月14日、東京大学(本郷)で行なわれた「ジェンダーコロキアム書評セッション・熊谷晋一郎『リハビリの夜』」報告エントリの第2回です(第1回)。


熊谷晋一郎さん(小児科医)の著書『リハビリの夜』医学書院(2009)については版元・医学書院のページを参照ください。

リハビリの夜
著:熊谷 晋一郎
痛いのは困る。気持ちいいのがいい。
現役の小児科医にして脳性まひ当事者である著者は、あるとき「健常な動き」を目指すリハビリを諦めた。そして、《他者》や《モノ》との身体接触をたよりに「官能的」にみずからの運動を立ち上げてきた。リハビリキャンプでの過酷で耽美な体験、初めて電動車いすに乗ったときのめくるめく感覚などを、全身全霊で語り尽くした驚愕の書。

 (※医学書院の紹介ページ

ジェンダーコロキアム(ジェンコロ)」は上野千鶴子・東京大学教授が個人的に開いている研究会です(たぶん)。
本来は研究者のための会なのでしょうけれど、(私のような)一般人が参加するのも黙認されているようです。


さて、それでは2010年04月14日午後6時40分(ジェンコロ開始時刻)の直前、会場である東京大学本郷キャンパス法文1号館315教室(3階)に私(喜八)が辿りついたところから続きをいきます。
そんなに大きくないは普通の教室に集ったのは…おそらく100人はいなかったと思いますが、けっして少なくない数の人々。
やはり女性が多かったように思います。
ただし、ジェンコロ会場に滞在中の私はずっと緊張し続けていたので、その辺の記憶はかなり曖昧ですが…。

複数のテーブルが中空きの大きな長方形に組まれ、発言者および参加者用の席として椅子が配置されています。
「上座」にあたる位置には熊谷晋一郎さんがすでに(電動車椅子に)着座していました。
熊谷さんの右隣に今回のコーディネーター・上間愛さん(大学院生)。
反対側、熊谷さんの左側には当夜のコメンテーターである研究者の方が2人(ともに男性)。
上間愛さんの右隣、長方形の角を挟んだ位置に「東京大学ジェンダーコロキアム」主催者・上野千鶴子教授が鎮座されています。
さらに参加者用の椅子がテーブル席以外にも多く配置されていました。

以上のような状況をざっと見て、私(喜八)は比較的前の方の「いい席」をずうずうしく確保しました。
熊谷晋一郎さんや上野千鶴子さんのお顔をしっかり見ることのできる位置です。
会場内に何人かいた知人たちからは「あれあれ、喜八の奴はあんな前の方に行ってしまったぞ。なんとKYな!」と呆れられたかもしれません(笑)。
もしかしたら前の方の「いい席」は研究者としてそれなりに実力の認められた方々が「見えないヒエラルキー」にしたがってズラリと着座されていた可能性もあります。
でも、だからといって遠慮はしません。
なにしろ「『リハビリの夜』著者・の熊谷晋一郎さんの顔を近くで見たい!」という動機で来ているのですから。
その時点で空いているいちばん「いい席」につきました。
ジェンコロ」に限らず、ほとんどの集会・イベントで私は自分の目的にかなった「いい席」を確保するようにしています。
そのため、議員会館での院内集会などでは、周囲は国会議員ばかりなんてこともあります。
そういうときは「あれ? 座る位置を間違えたかも?」と一瞬だけ思います。
でも後ろの席に移ったりはせず、堂々と(?)居座ることにしています。


肝心の書評セッションですが、2人の男性研究者の発表があり、それに呼応する形で『リハビリの夜』著者・熊谷晋一郎さんの発言がありました。
さらに会場内の参加者にも発言・質問が呼びかけられ、(主に熊谷さんとの)質疑応答が行なわれました。
それで私もひとつ熊谷晋一郎さんに質問をさせていただきました。
リハビリの夜』の42ページに《全身を総動員して、まさに「全身全霊で」パソコンを打っている》熊谷さんの写真が掲載されています。
脳性まひ当事者である熊谷晋一郎さんの身体は《過剰な身体内協応構造》を持っているため、手首・ひじ・指の関節など末端部分だけでなくて、肩・背中・腰の筋肉も一体化して動くということを示す写真です。
この写真のある部分に私は注目したのです。
それは増山麗奈さん責任編集の「ロスジェネ 第3号 別名『エロスジェネ』」でした。
熊谷晋一郎さんが「全身全霊で」パソコンを打っている、その後ろの壁の左端、積み重ねられた本の山に半分隠れるようにして「ロスジェネ第3号『エロスジェネ』」のビラが貼られているのです。
モノクロの大きくはない写真に小さく写りこんだ「エロスジェネ」のビラ。
ですが「ロスジェネ」および「資本主義に愛はあるのか?」の文字はハッキリ確認できます。
表紙の神楽坂恵さん(女優)のお姿も識別できる…と思います。
これに関して私は熊谷医師に質問しました。
この42ページの写真には『エロスジェネ』が写っていますが、熊谷さんの意思で貼られたものでしょうか? それとも他の人が貼ったのでしょうか? もし熊谷さんによるものでしたら、『ロスジェネ』とのご関係をお聞かせください」と。

この質問に対する熊谷医師の答え。

  • 「エロスジェネ」のビラは自分(熊谷)が介助者に指示して、あそこに貼ってもらった。つまり自分の意思で貼った。
  • 「ロスジェネ」の動きには興味を持ってきた。イベントに観客として参加したこともある。ただし、それ以上のつながりはない。

だいたい以上のような感じでした。
それで私(喜八)は「もしかしたら熊谷晋一郎さんは増山麗奈さんのファンなのかな?」と早とちりしそうになりました。
でも、増山さんの活動に興味を抱かれたのは綾屋紗月さん(熊谷さんのパートナー)だということが後日判明しました。
これは「Twitter」を通じて綾屋紗月さん本人から教えていただきました。
こういうことを書いていると「『エロスジェネ』とは…。喜八の奴は本質を外れた質問ばかりしているな」と呆れる方もいらっしゃるかもしれませんが…。
じつは別の質問(もっと硬いヴァージョン)も用意していたのです。
ただ、熊谷晋一郎さん・コーディネーターの上間愛さんが硬くなっていると感じたため、臨機応変に「軟らかいほうの」質問に切り替えたのでした…。

この日の「ジェンコロ書評セッション」には熊谷晋一郎さんのパートナーである綾屋紗月さんもいらしていました。
先のエントリでも書きましたように、私(喜八)は上間愛さんを通じて綾屋紗月さんを知り、綾屋さんの本『前略、離婚を決めました』理論社(2009)を読み、そこに登場する「くまちゃん」こと熊谷晋一郎さんを知り、熊谷さんの『リハビリの夜』を読んでみたら、「私自身の生きづらさを克服する(折り合いをつける)ために、役立ちそうなことが書かれている!」と感じた経過があります。
コーディネーター上間さんに促されて、綾屋紗月さんも「ジェンコロ」にて発言をされました。
先にも書きましたように、私はずっと緊張しっぱなしだったので、綾屋さんの発言内容をあまり覚えていないのですが…。
熊谷さんとは、パートナー同士でもちゃんと『ありがとう』を言い合う約束をしている」と仰っていたのは、よく覚えています。
「よーし、自分も真似をするぞー!(いまは「パートナー」の影もかたちもないけど)」と決意を新たにしました。
この後の質疑応答の時間に、ある女性が自分の生きづらさを語った際、熊谷さんがまず「ありがとうございます」とお礼を述べてから、丁寧に質問に答えていたのにも強い印象を受けました…。


今回もついつい長くなってきました(汗)。
さらに「続く」ことにしたいと思います。
次回は『前略、離婚を決めました』の書評めいたことにも挑戦したいと思います…。


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投稿者 kihachin : 2010年05月13日 08:00

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