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2010年07月17日

テッサ・モーリス-スズキ教授の講義(メモ・その1)

テッサ・モーリス-スズキ教授
Tessa Morris-SuzukiANU College of Asia & the Pacific


2010年06月12日、東京・駒澤大学で行なわれたテッサ・モーリス-スズキTessa Morris-Suzuki)オーストラリア国立大学教授の「講義」に関するエントリです。

ワークショップ 「テッサ・モリス=スズキ教授(オーストラリア国立大学)講演会」 のお知らせ
(「Cultural typhoon Blog」2010-06-07)


テッサ・モーリス-スズキさんは1951年イギリス生まれ。オーストラリア国立大学教授(ANU College of Asia & the Pacific)。専門は日本経済史・思想史。
著書に『天皇とアメリカ』集英社新書(2010.02)、『愛国心を考える』岩波ブックレット(2007.09)、『自由を耐え忍ぶ』岩波書店(2004.10)など。
長年生活をともにするパートナーは「常打ち賭人」兼「主夫」兼「小説家」の森巣博氏です。


以下は「テッサ・モーリス-スズキ教授の講義(2010-06-12)」のメモです。
「記録」というより自分(喜八)のための備忘録的なものです。
教授および関係者の皆様にはその旨ご了承いただけると幸いです。

2010年06月12日の土曜日、「テッサ・モーリス-スズキ教授講演会」の会場は駒澤大学・駒沢キャンパス9号館289教場。
私(喜八)は講義開始予定時刻の午後1時より15分前に到着しました。
なお、ここでは「講演」をあえて「講義」に言い換えています。
というのは、この日の出席者が20人程と少なかったことと、私自身
の実感が「講義」であったためです。
さて289教場に入っていくと…。
テッサ・モーリス-スズキ教授は既に講壇の机に着席していました。

この瞬間、私は超高速(?)で考えました。
教室のどの辺に着席するか?をです。
ふだんの習慣通りできるだけ前に行くか?
ちょっとビビッて中央付近の席につくか?
はたまた後衛にまわる(逃げる)か?
およそ0.5秒くらいだけ迷って「とにかく前に行こう」と決めました。
テッサ・モーリス-スズキ教授のご著書は(日本語訳があるものは)わりと読んでいます(いたってボンクラな読み方だとは思いますが…)。
けれども、これまで「実物」の教授を拝見したことはありません。
「せっかくの機会。これが一期一会《いちごいちえ》かもしれない。ここは怯《ひる》んではいけない!」と、ずかずかと前の方に歩みます。
正面3列目の席に座りました。
(正面の)1列目・2列目には誰もいないので、事実上の最前列といっていいも好位置です。
さらには、講義が始まる直前に当日のコーデュネーターの男性(早稲田大学の研究者?)から「どうぞ、今より少し前の席にお移りください」とのお声がけがありましたので、素直に2列目に移りました。
よくよく考えると、学生・研究者には見えそうになく、下手をすると「右翼」と間違われそうな風体の私が「事実上の最前列」に陣取っていては…。
テッサ・モーリス-スズキ教授も講義がやりにくかっただろうと思います。
失礼しました。

というわけで、なにはともあれ、好位置をキープしました。
すると早速「やっぱり前に来てよかった!」という事態が発生したのです。
その瞬間を見ていないので一部は憶測ですが、若い女性(研究者もしくは学生?)が教授にペットボトルの水を手渡したようでした。
するとテッサ・モーリス-スズキ教授が「ありがとうございます~」と若い女性にお礼を述べたのです。
日本語です。
そのまんま「ありがとうございます~」でした。
とても柔らかな口調でした。
泣く子も黙る(?)、知の世界に勇名を轟《とどろ》かせる、天下のテッサ・モーリス-スズキ教授が若い女性(研究者もしくは学生)に対して、礼儀正しく「ありがとうございます」とお礼の言葉を述べる。
そんな光景に強く心を打たれました。
そして「『ありがとうございます』はやっぱり素敵な日本語表現だなあ」とも感じ入りました…。

講義が始まります。
この日の講義は「英語」で行なわれることを想定して覚悟を決めてきたのですが、実際には「ほぼ全て日本語」でした。
これは主催者側からの要請であったようです。
正直に言って(かなり)ホッとした私(喜八)です。
ただし、テッサ・モーリス-スズキ教授には少なからぬ負担がかかっただろうと思います。
日本語(および複数の言語もちろん英語)に堪能な教授といえども母国語・英語以外での講義はけっして楽ではなかったでしょうから。
実際、あることに気づきました(これも「事実上の最前列」にいたための「ご利益」です)。
テッサ・モーリス-スズキ教授の発声が英語のときと日本語のときではかなり異なるのです。
授業が始まる前、教授はコーデュネーターの男性と英語で雑談をされていました。
そのときの教授のお声は、軽やかな鳥のさえずりに喩えられるような、あるいは音楽的と言っていい印象でした。
日本語で講義をされているときの発声は、英語のときより緊張度が高く、ちょっと「喉がつぶれた」ように聞こえるものだったのです。
それだけ、母国語(英語)以外での講義は負担が大きいということなのだと思いました(テッサ・モーリス-スズキ教授のような碩学《せきがく》といえども)。

と、どうにも長くなってきましたね(汗)。
この辺で(メモ・その1)は一旦終わりにして、後日公開予定の(その2)に続くことにします…。


記録として「テッサ・モーリス-スズキ教授講演会」情報を転載させていただきます。

★転載開始★

ワークショップ 「テッサ・モリス=スズキ教授(オーストラリア国立大学)講演会」 のお知らせ

みなさま
《2010年》6月12日(土)に、駒澤大学でカルタイ《カルチュラル・タイフーン》実行委員の会合がありますが、その前の時間帯に同じ駒澤大学で下記の講演会があります。ぜひ、併せてご出席ください。
田中東子

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ワークショップ 「テッサ・モリス=スズキ教授(オーストラリア国立大学)講演会」

講演タイトル :”Foreigners, Frontiers and Border Control in Occupied Japan”

オーストラリア国立大学のテッサ・モリス=スズキ氏は、すでに日本でも多くの著作を刊行され、東アジア地域の戦前・戦中・戦後の歴史を国境を横断する越境的な視点から考察してきた著名な歴史学者です。本ワークショップは、表記のタイトルにあるように、日本の植民地とされた地域の問題をこれまでない視角から捉えることを試みています。多くの方々のご参加を期待します。

日時: 《2010年》6月12日 土曜日 午後1:00~3:00

場所: 駒沢大学 駒沢キャンパス 9号館289教場

主催: 早稲田大学 メディア・シティズンシップ研究所

問い合わせ:早稲田大学教育学部伊藤研究室(03-5286-1868)

★転載終了★


以下は「喜八 (kihachin) on Twitter」のテッサ・モーリス-スズキ教授関連「つぶやき」です。
HTML(ul・li)生成は「Twilog」の「ソース取得」機能を利用しました。
各つぶやきの表記は上から順に「古→新」です。

  • これはぜひとも聴きに行かなければ! 貴重な情報をありがとうございます! RT @qianbianwanhua : 「テッサ・モリス=スズキ教授講演会 (6月12日@駒澤大学 駒沢キャンパス 9号館289教場) http://bit.ly/bxTxK1 posted at 2010-06-09 09:07:28
  • Reading : 《もっとも不利益をこうむる者が、もっとも発言力をもつ》 《デモクラシーは、自宅から始める》 《すべての人間は、外国人である》 テッサ・モーリス-スズキ(Tessa Morris-Suzuki) 『デモクラシーの冒険』集英社新書(2004.11) posted at 2010-06-09 09:10:23
  • Reading : 《もし私が私のために行動しないのなら、誰が私のために行動するのか? もし私が私のためだけに行動するのなら、私は何者か? そして今行動しないなら、いつするのか?》 『自由を耐え忍ぶ』テッサ・モーリス-スズキ、岩波書店(2004.10) posted at 2010-06-09 09:12:07
  • Reading : 《もちろん、聞くことはつねに能動的な過程である。他者の声を聞くことで、わたしたちはわたしたち自身の意味を創造し、わたしたち自身を構築する》 『辺境から眺める―アイヌが経験する近代』テッサ・モーリス=鈴木、みすず書房(2000.07) posted at 2010-06-09 14:06:34
  • 「喜八ログ」2006年10月27日付け記事より : 《私(喜八)はつねづね「テッサ・モーリス-スズキさんは現在地球上にいる総ての人間のうちでも、もっとも智慧のあるひとりではないか?」と思っていますhttp://bit.ly/coUqOr posted at 2010-06-09 14:11:16
  • 愛国心を考える』テッサ モーリス‐スズキ、岩波ブックレット(2007.09) ※喜八の解説《オーストラリア国立大学教授テッサ・モーリス-スズキさんによる「愛国心」の考察。前半は碩学《せきがく》がコンパクトにまとめた教科書的記述で大変に勉強になります。後半に入ると、英国生まれのテッサさん自身が「自分は(オーストラリア)の愛国者だった」と気づいたきっかけとなった「クロヌラ暴動」の記述など、読み応えがどんどん増していきます。愛国心・パトリオティズム・ナショナリズム・ジンゴイズムを考える上で外せない1冊です》 posted at 2010-06-09 16:33:18
  • 《06/12駒澤大学ワークショップは》英語での講演ではありませんでした。人数も少なかったし「英語でディスカッション」なんて展開になったら、もう仕方ないから腹をくくろうと思っていました。なにはともあれ、テッサ・モーリス-スズキ教授を間近で見ることができて大満足しました…。 posted at 2010-06-12 17:42:19
  • (※メモ)テッサ・モーリスースズキ「戦争の語りを考える 暴力を語ることは可能か」 『岩波講座アジア・太平洋戦争(1) なぜ、いまアジア・太平洋戦争か』岩波書店(2005.11) http://bit.ly/aklQRw posted at 2010-06-19 12:34:21
  • このごろは東京大学で綾屋紗月さん・熊谷晋一郎さんの研究発表、駒澤大学でテッサ・モーリス-スズキ教授の講義、宮下公園大学で稲葉奈々子教授の講義とにわかに「お勉強」な日々の私。いずれの場でも素晴らしい「学び」がありました…。 posted at 2010-06-25 20:06:17
  • @kuriryu 《過剰姉妹》イマノキヨコさん(に似た方)はハンサムな女性ですよ。なお、好かれようと思ってゴマをすっているわけではありません(笑)。事実を事実として淡々と述べています。最近お姿を拝見した方ではテッサ・モーリス-スズキ教授がとびきりハンサムな女性でした…。 posted at 2010-07-04 20:08:45
  • @kuriryu テッサ・モーリス-スズキ教授のお姿を拝見したのは06月12日に駒澤大学で行なわれた講演会です。参加者が20名ほどだったので「講演」というより「授業」という感じでした。私は正面2列目の席にいて事実上の最前列でした。このときのことはブログに書かなければ…。 posted at 2010-07-04 21:18:38
  • @kuriryu まがりなりにも私がデモや集会に参加したり関連ブログを書いているのも、テッサ・モーリス-スズキさんと姜尚中さんの『デモクラシーの冒険』集英社新書に強い影響を受けたためではないか、と思っています。 posted at 2010-07-04 21:22:34
  • @qianbianwanhua テッサ・モーリス-スズキ教授によると、戦後の日本では米軍人は外国人として登録されない。外国人登録の外側に位置するから統計上は存在しない。在日外国人が語られるとき在日米軍人は入らない、そうです。『天皇とアメリカ』集英社新書(2010.02)124頁 posted at 2010-07-16 21:53:26
  • @qianbianwanhua もちろん《Uemaさんが指摘されているように「在日米軍」とはきわめて》「特権」《的な存在》だと思います。ただ「在日米軍人は統計上は存在しない」という興味深い事実をお伝えしたかったのです。テッサ・モーリス-スズキ教授の講義に私が参加できたのもUemaさんのツイッター情報のおかげですし…。 posted at 2010-07-16 22:55:22


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投稿者 kihachin : 2010年07月17日 08:00

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