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2010年08月30日

『反撃カルチャー』雨宮処凛

『反撃カルチャー』
反撃カルチャー』雨宮処凛、角川学芸出版(2010.06)

(※『反撃カルチャー』を「Amazon」「楽天」「bk1」で購入する)


雨宮処凛さん(小説家・アクティビスト)の『反撃カルチャー プレカリアートの豊かな世界角川学芸出版(2010.06)を紹介するエントリです。

反撃カルチャー プレカリアートの豊かな世界
著者:雨宮処凛
定価(税込5%):1680円
四六判
ISBN:978-4-04-621440-9
世界が動き出した! プレカリアートの多様なる文化的抵抗運動の現場に迫る
私達が模索するのは新しい生き方、そして自身の生存を肯定する言葉だ! 新自由主義下で進行する世界規模の棄民政策を検証。世界を丸ごと作り替える想像力に溢れた文化を創造する、プレカリアート運動の現場に迫る!


2006年頃から始まった「貧乏人の反乱」「労働/生存運動」「プレカリアート運動」は労働の改善と生存だけを求めているのではない。
これら一連の運動──労働組合の立ち上げ・サウンドデモ・裁判・路上での鍋会等々──は「文化運動」である。
これが『反撃カルチャー』著者・雨宮処凛さんの主張です。

プレカリアート運動の考察、「だめ連」の先駆性、メディアアクティビストたちの挑戦、麻生邸見学ツアー不当逮捕事件、サウンドデモ、年越し派遣村、若者たちの内なる新自由主義、宮下公園ナイキ化計画、「自由と生存の家」、フラッシュモブ、インディーズメーデー、レイブ、ゴス、秋葉原事件、『フリーターズフリー』、「女性と貧困ネットワーク」、フェミニズム、ロスジェネ世代の「ホームレス」体験、「キャバクラユニオン」など生存に関わる事象を cool に熱く語り続けてゆく雨宮処凛さん。
終章は社会学者・入江公康さんと雨宮処凛さんの対談です。

以前から強く感じていたのですが、書き手としての雨宮処凛さんはきわめてプロフェッショナルな方なのですね。
雨宮さんが「手抜き」に類した仕事をしているのを、私(喜八)は一度も見たことがありません。
「いい加減」「ちゃらんぽらん」といった役柄を自ら演じているように見える雨宮処凛さんですが、その実はひとつひとつの仕事に常に全力を尽くす「プロ」なのです。
本人による自己申告と実態の乖離《かいり》がこれほど大きい方はあまりいないのではないか、とも思います…。

高度なパフォーマンスを実践し続けるプロフェッショナルでありながら、雨宮処凛さんはなぜか「強者の罠」としての「新自由主義」に陥ることがありません。
弱い人(今たまたま弱っている人)やダメな人(自分をダメだと思い込まされている人)にも理解と共感の目を向ける雨宮処凛さん。
反撃カルチャー』の以下に引用する部分などは雨宮処凛さんの在り方の中心部分といえるのではないだろうかと思います(同書90頁)。

死ぬくらいだったら、絶対に人に迷惑をかけていいのだ。というより、必要な迷惑ならかけ合おう、というあるべき前提がすっぽり抜け落ちて、「迷惑をかけるな」という価値観だけが一人歩きし、多くの人を縛り付けている。その結果、多くの人が苦しみ、場合によっては自ら命を絶っている。「人に迷惑をかけるな」という前に、「死ぬくらいだったらどんどん迷惑をかけ合っていい」というメッセージを一〇〇倍くらいにして打ち出すべきなのだ。

個人的には『反撃カルチャー』の中でも、雨宮処凛さんと栗田隆子《くりたりゅうこ》さん(「フリーターズフリー」出資者兼組合員)の対談を興味深く拝読しました。
その内容については「ぜひ読んでください」としか言いようがないのですが(栗田さんはいちおう「顔見知り」ではあるので、なんだか解説が書きにくい…)。
中学生の頃、女子生徒から凄絶な苛めを受けた体験から、女性との付き合いが苦手だという雨宮処凛さんが次のような発言をするのに心打たれました(218頁)。

取材の後、栗田さんと近くで飲んだ。私《雨宮》にとって数年ぶりの「女二人飲み」は、とっても楽しい時間だった。

なお、雨宮処凛さんと栗田隆子さんは、2010年07月03日、駒澤大学でトークイベントを行ないました(「カルチュラル・タイフーン2010」)。
関係者によると「2人のトークが機関銃のように炸裂し続ける凄い展開」であったそうです。
この公開対談は書籍化される模様です。


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(※上の猫画像は「ImageChef イメージクリエーター」で製作しました)


投稿者 kihachin : 2010年08月30日 12:00

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