【お勧めの本】深尾葉子『魂の脱植民地化とは何か』青灯社(2012) 更新!

« 「あなたもつくれる3分ビデオ」受講者募集中!(再掲) | メイン | 「渋谷・宮下公園ナイキ化問題」に関するツイート(8) »


2011年01月04日

『かもめ食堂』荻上直子監督(2006)

『かもめ食堂』予告篇


映画『かもめ食堂荻上直子監督(2006)の感想文です。

(※以前、別の場所で書いた文章を一部修正して再アップロードします)


ストーリーフィンランドの首都ヘルシンキで食堂を経営するサチエ小林聡美)。
目を瞑《つぶ》って世界地図を指差し、たまたま指の先が行ったフィンランドに来たミドリ片桐はいり)。
病気がちだった両親の介護を終えて、ひとり旅にでたマサコもたいまさこ)。
サチエ・ミドリ・マサコ、3人の女性を中心に織り成される物語。
フィンランドの人たち ─日本贔屓の青年、夫に去られ傷心の中年女性、コーヒー好きの謎の中年男、口さがない熟年女性たち─ との交流など「かもめ食堂」の日常が淡々と描かれます。


感想》なんと言っても小林聡美さんのたたずまいが美しい!
そして、片桐はいりさんともたいまさこさんが実にチャーミングです。
鑑賞中「素晴らしい映画監督の腕前だ!」と感心することしきりでした。

小林聡美さんのことはデビュー作である大林宣彦監督『転校生』(1982)のころから知っていました。
小林聡美さんは十代にしてすでに大変に「上手い」女優さんでした。
でも、私(喜八)は正直にいって小林さんが少し苦手でした。
上手すぎて「ちょっと嫌味」に感じてしまうのが理由だったと思います。

ところが…。
2003年に日本テレビ系で放映されたドラマ「すいか」をたまたま観て、小林聡美さんが上手いだけでなく、非常な存在感のある演技者であることを再発見したのです。
そして、にわかに「小林聡美ファン」となってしまいました(自分はときどきこういうことがあります)。

映画『かもめ食堂』の小林聡美さんは登場する総ての場面で「絵になっています」。
ふきんでテーブルを拭く、包丁でトンカツを切る、コーヒーを淹れる、プールで平泳ぎ、合気道の「膝行」をする。
それらの総てにおいて、所作・たたずまいが美しい…。
これは大変なことだとつくづく思います。

片桐はいりさんが素晴らしい。
日本贔屓のフィンランド青年トンミ・ヒルトネンから「僕の名前を漢字で書いてください」と頼まれ「豚身昼斗念」と書く(大喜びするヒルトネン青年)。
ヨガのポーズ「咲いたばかりの蓮《はす》の花」でのけぞる。
サチエから「父とおにぎり」の話を聞いてホロッとする。
この人も存在感があって上手くて素敵な女優さんだと思う。

もたいまさこさんもまた素晴らしい。
ある意味で、快演にして怪演です。
映画に重みと(あえていえば)ホラー味を添加しています。
鑑賞後に「もしかしたら、もたいまさこさん演ずるところの《マサコ》は、この世の存在ではないのかもしれない」と思い至りました。
なんとも不思議な味わいをかもし出しています。
ちなみにもたいまさこさんは荻上直子監督作品の常連メンバーだそうです。
麗《うるわ》しく素敵な女優さんです。

かもめ食堂』は、調理・食事・掃除・挨拶・買い物など日常の何でもないような動作に秘められた「美」を的確に切り取って見せた映画です。
観終った後にとても豊かな気持ちになれる作品でした。
そして「もし、明日地球が消滅することになったら、自分は誰といっしょにご飯を食べたいのだろう?」ということを考え込んでしまいました…。

(『かもめ食堂』荻上直子監督、2006)


スポンサードリンク


関連ページ


郵政民営化凍結TBP

郵政民営化凍結!

郵政民営化凍結」TBキャンペーンをよろしくお願いします。

(※上の猫画像は「ImageChef イメージクリエーター」で製作しました)


Amazon : 荻上直子


投稿者 kihachin : 2011年01月04日 08:00

« 「あなたもつくれる3分ビデオ」受講者募集中!(再掲) | メイン | 「渋谷・宮下公園ナイキ化問題」に関するツイート(8) »



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://kihachin.net/klog/mt-tb.cgi/4264

このリストは、次のエントリーを参照しています: 『かもめ食堂』荻上直子監督(2006):

» 2011年の謹賀新年 from 小路のヲタク草紙
[画像]  どうも。少しばかり遅くなってしまいましたが、2011年・新年の挨拶をさせていただきます。    新年あけましておめでとうございます。  今年も... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2011年01月04日 18:30