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2012年06月09日

警察官がキリスト教カトリック教会に無断で立ち入り、捜査令状・逮捕状なしに、外国籍の信徒を逮捕

ヒルガオ
(※「ヒルガオ」写真は本文とは関係ありません)


2012年05月27日の日曜日、神奈川県警川崎臨港署の警察官数名が、カトリック貝塚教会敷地内に無断で立ち入り捜査令状・逮捕状なしに、フィリピン国籍の信徒男性を逮捕するという事件が発生しました。
これに対してカトリック横浜教区は、06月05日、川崎臨港警察署に抗議と謝罪等を求める申し入れを行ないました。

下に転載する『申し入れ書』にあるように、警察官による無断立ち入り・不当な職務質問・逮捕は《信教の自由という基本的人権を侵害する行為》であり《市民の平穏な生活を脅かす人権侵害行為》です。
これらの行為が「法治国家・日本」において許されないことは言うまでもありません。

また、日本の大切な隣人であり友好国であるフィリピン共和国は国民の約90%がカトリック教徒です。
神奈川県警による人権侵害行為は、フィリピン国民の名誉と尊厳を傷つけ、日本・フィリピン間関係を毀損(きそん)する可能性が高い、と言わざるを得ません。

さらに、キリスト教カトリックの信徒は世界に10億人以上いると言われています。
日本の警察官によるカトリック教会への強制立ち入り・不当な職務質問・逮捕は、10億人超のカトリック信徒の憤激を招きかねない、横暴かつ軽率な振る舞いだと言われてもしかたないでしょう。

日本は国際社会において──意識する・しないにかかわらず、その良いところも悪いところも──注目を集める存在なのです。
世界中の人々から「日本の警察による重大な人権侵害」と弾劾されるような行為は厳重に慎んでいただきたいと思います。
もちろん人権侵害そのものが人間社会において許されざる行為であることは言うまでもありません。

参議院議員の今野東(こんの あずま)さん(民主党)も、神奈川県警によるこの《著しく信教の自由を侵害する行為》《暴挙》をブログで批判しています。

これは、警察の横暴だ
(平和の種 参議院議員今野東のブログ)


「カトリック横浜教区正義と平和協議会」メーリングリストから転載させていただきます。

(★転載開始★)

転送・転載大歓迎

川崎臨港警察署に対する抗議の申し入れのご報告

 さる5月27日(日)、川崎臨港署の警察官6名が、捜査令状、逮捕状無しにカトリック貝塚教会敷地内に立ち入り、非正規滞在の容疑のある外国籍信徒に対し職務質問を行い、その場で現行犯逮捕を行う、という事件が発生しました。
 今回の件の、警察官による教会施設内への立ち入り捜査等の行為は、信教の自由・宗教活動の侵害であり、また警察官職務執行法にも違反する行 為であるとし、6月5日、カトリック横浜教区は、川崎臨港警察署に抗議と謝罪等を求める申し入れを行いました。
 申し入れ当日は、神奈川県警本部の立ち会いのもと、川崎臨港警察署長が対応し、後日、正式に回答を行うことを約束しました。
 今後、川崎臨港警察署からの正式な回答を待ち、今回のような警察によるすべての宗教施設への立ち入り捜査等が二度と起こらないよう、カト リック教会としてさらなる取り組みを検討していく必要があると思います。みなさまの今後の取り組みへのご関心とご 協力をお願いいたします。

 カトリック横浜教区 貝塚教会主任司祭 本柳孝司
<お問い合わせ> TEL: 044-222-3075 (カトリック貝塚教会)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2012年6月5日

神奈川県川崎臨港警察署 署長 本山 巌 殿


宗教法人カトリック横浜司教区 代表役員  梅 村 昌 弘

同カトリック貝塚教会 主任司祭(教会管理者) 本 柳 孝 司


【本件連絡先】
カトリック貝塚教会 主任司祭(教会管理者) 本 柳 孝 司
〒210-0014 川崎市川崎区貝塚1丁目8-9 TEL/FAX 044-222-3075


『申し入れ書』

 貴署は、2012年5月27日12時30分頃、カトリック貝塚教会敷地内において、フィリピン国籍の信徒に対して職務質問を行った上、同敷地内において旅券不携帯ないし常時携帯提示義務違反の罪により同人を現行犯逮捕しました。
 しかし、本件職務質問及び現行犯逮捕については、カトリック教会における司牧活動に重大な支障を及ぼすものであり、信教の自由という基本的人権を侵害する行為であると言わざるを得ません。また、本件職務質問は、警察官職務執行法にも違反し、さらには憲法35条の適正手続にも違反する違憲・違法な教会敷地内への立入行為であって、市民の平穏な生活を脅かす人権侵害行為です。

 そこで、私たちは、貴署に対し、
1 今回の違法な立入行為に強く抗議し、謝罪を要求いたします。
2 今後、教会敷地内へ違法な立入及び職務質問を実施して、信教の自由という基本的人権を侵害することがないよう、強く要請いたします。
3 今後、教会施設付近において、教会を訪れる人を対象として、非正規滞在の捜査を目的とした職務質問は控えて頂くよう要請いたします。


理   由

1 信教の自由との関係

(1)教会には、国籍を問わず、祈りや礼拝等を目的として多くの信者、未信者が訪れます。そして、教会は、教会を訪れる人々に対し、魂への配慮として司牧活動を行っています。
   教会を訪れる人々の中には、罪を犯してしまい、神の赦しを求めて来る者もおります。そのような場合、カトリック教会は、聖霊のはたらきのもとに回心する人間に対して、キリストの名によって罪の赦しを与え、償いを定めます。この罪の赦しは、カトリック教会の秘跡の一つとして重要な宗教活動となっています。
   以上のような宗教行為は、憲法20条により、基本的人権の一つである信教の自由・宗教活動の自由として保障されているものです。

(2)カトリック教会は、罪を犯した人も含めて、すべて重荷を負った者が安心して教会を訪れることができる場所を目指しています。安心して訪れることができる場所でないと、適切な司牧活動を行うことができないからです。例えば、「教会を訪れたところ、警察官から職務質問を受け、逮捕されてしまう」ということが行われてしまうと、罪を犯した人は魂の救済を求めて教会を訪れることができなくなってしまいます。
   今回の職務質問及び現行犯逮捕は、教会を訪れる者に対し、大いなる恐怖を与える結果となりました。「教会は安心して訪れることができない場所である」「教会は警察による監視下に置かれている」と不安に思ってしまった信徒も多くいます。これでは、教会は適切な司牧活動を行うことができなくなります。
   本件職務質問及び現行犯逮捕は、教会における信教の自由を著しく侵害するものであり、強く抗議するとともに、謝罪を求めます。

(3)また、仮に教会施設の敷地外であったとしても、警察官が張り付くなどして、教会を訪れる信徒に対して職務質問を行うようなことがあるとすれば、信徒の信教の自由は侵害されるおそれがあります。殺人事件の捜査など、事案によっては緊急に職務質問などの捜査の必要性が認められることもあるかもしれませんが、少なくとも、非正規滞在の捜査を目的とした職務質問については、あえて教会施設付近で行う緊急性・必要性は乏しいと考えます。むしろ、教会施設付近で行うことによる弊害が著しいため、信教の自由に配慮して頂くことを要請いたします。


2 警察官職務執行法との関係について

(1)今回、貴署の警察官らは、捜査員6~8名を伴ってカトリック貝塚教会を訪れ、同教会主任司祭(教会管理者)である本柳孝司神父に無断で教会敷地内に立ち入り、フィリピン国籍の信徒への職務質問を開始しました。その後、同神父が宗教活動の自由、信教の自由の観点から教会敷地内から立ち退くよう求めたにもかかわらず、教会敷地内への立入行為を継続し、フィリピン国籍の信徒に対して執拗に職務質問を行いました。そして、同敷地内において同フィリピン国籍の信徒を旅券不携帯ないし常時携帯提示義務違反の罪により同人を現行犯逮捕しました。しかし、警察官職務執行法によれば、このような立入行為は違法行為であると言わざるを得ません。

(2)警察官職務執行法6条1項は、「人の生命、身体又は財産に対し危害が切迫した場合において、その危害を予防し、損害の拡大を防ぎ、又は被害者を救助するため、已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において他人の土地、建物又は船車の中に立ち入ることができる」と規定しており、人の生命・身体等の危害防止上の緊急の必要がある場合に限って、警察官に強制的に立ち入る権限を与えています。
   しかし、本件職務質問は、非正規滞在の容疑に基づく職務質問を目的としているに過ぎませんから、人の生命・身体等の危害防止上の必要性は全く認められませんでした。また、教会外において職務質問を行うことに何ら支障は存在しなかったのですから、立入を行う緊急の必要性もありませんでした。
   したがって、本件立入が同法6条1項の要件を満たしていないことは明らかですから、施設管理者の意思に反した強制的な立入は認められていない事案でした。

(3)同条2項は、「多数の客の来集する場所の管理者又はこれに準ずる者は、その公開時間中において、警察官が犯罪の予防又は人の生命、身体若しくは財産に対する危害予防のため、その場所に立ち入ることを要求した場合においては、正当の理由なくして、これを拒むことができない」と規定しています。
   しかし、本件では、教会敷地内において、新たな何らかの危害が発生する抽象的危険すら存在していなかった事案でした。
   また、同項は、あくまで任意手段の範囲内の立入要求に止まるものであり、相手方の拒絶によって何らかの法的効果を生ずるものではないと解釈されています。その意味で、相手方の応諾義務については訓示規定に止まるとされています(田宮裕・河上和雄編「大コンメンタール警察官職務執行法」(青林書院)361頁)。そして、立入要求に対して正当な理由の示された場合に、なお要求を続けることは違法とされる場合があると解釈されています(同書同頁)。
   今回、カトリック貝塚教会主任司祭(教会管理者)である本柳孝司は、教会を訪れた警察官らに対し、「警察のような国家権力が教会の敷地に入り、捜査することは、宗教活動の侵害になり、信教の自由を侵す行為である」旨を伝え、教会敷地から立ち退くことを求めました。それにもかかわらず、警察官らは、執拗に職務質問を行った上、教会敷地内で現行犯逮捕しました。
主任司祭(教会管理者)が宗教活動の自由という正当な理由を告げて立入を拒否していたのですから、そもそも立入要求を続けること自体違法でありますし、まして、意思に反して立入行為を行うことも重大な違法行為であると言わざるを得ません。

(4)同項3項は、仮に、立入が正当化される場合であっても、「立入に際しては、みだりに関係者の正当な業務を妨害してはならない」と規定されていますが、貴署の警察官らは、長時間にわたり執拗に職務質問を行い、当日の教会活動を妨害いたしました。この点においても、警察官らの立入行為は問題があったと言えます。

(5)犯罪捜査のために個人の住居に強制的に立ち入ることは、被疑者を逮捕する場合のほかは、裁判官の発する令状によらなければならないことが憲法で規定されており(憲法35条)、犯罪捜査の目的で、警察官職務執行法上の立入のり権限を行使することは許されていません(田村正博「全訂警察行政法解説」232頁)。
   本件立入行為は、警察官職務執行法に違反する行為であり、憲法35条にも違反する違法・違憲な立入行為であって、市民の平穏な生活を脅かす人権侵害行為であると言わざるを得ません。


3 まとめ
  以上から、カトリック教会として、私たちは貴署に対し、今回の違法な立入行為に強く抗議し、謝罪を求めると共に、今後、教会敷地内へ違法な立入及び職務質問を実施して、信教の自由という基本的人権を侵害することがないよう、強く要請いたします。また、信教の自由への配慮の観点から、教会施設付近において、非正規滞在の捜査を目的とした職務質問は控えて頂くよう要請いたします。

                                 以 上

(★転載終了★)


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投稿者 kihachin : 2012年06月09日 19:00

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