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2012年06月05日

生活保護行政:「身体で稼げばいい」──カネの奴隷の思想

わたしたちの声をきいてください!!


2012年05月30日に行なわれた緊急記者会見「どうなる? 生活保護」(主催: 生活保護問題対策全国会議)第二部は当事者発言でした。
DV(ドメスティックバイオレンス)被害に遭い、かつて数年間生活保護制度を利用したことがある女性の言葉を紹介します。

生活保護ケースワーカーの中には、女性利用者に対して《身体で稼げばいい》と言い放つ者がいる。
そういうケースワーカーは、けっして少なくない。
女性の生活保護ユーザーなら、みんな知っていること。

生活保護行政の中でこのような発言が行なわれていることは、これまでも何度か「伝聞」のかたちで聞き及んでいました。
けれどもこの日、当事者発言を直(じか)に聞いたための、強いショックがわたし(中村順)にはありました。

まず、担当ケースワーカーによる《身体で稼げばいい》発言は明白な「セクシャルハラスメント」「パワーハラスメント」「モラルハラスメント」でしょう。
さらに──言うまでもなく──「犯罪」に該当する可能性があります。
こういった「密室での犯罪」を許してはいけません。

と同時に、個々のケースワーカーだけの問題ではないかもしれない、とも思います。
わたしたちの社会には「女性がおカネに困ったら、身体で稼げばいい(性風俗サービス業で働けばいい)」というような誤った認識が広く見受けられるのではないでしょうか。

「おカネがない」ことすなわち「罪」という、間違った考え方。
「『貧困』という罪を犯した者は、罰せられなければならない」といった「倒錯した倫理(=反倫理)」が存在するように思います。

そのため、おカネがない人間は──女性なら「身体で稼げばいい」──男性なら「福島第一原発に行って働け」に類した意見が少なからず見い出される。
生活保護制度利用者をあたかも「罪人」のように見做して(誤認して)、見下し、バッシングする。
次期選挙「票集め」目当ての「憎悪の政治家」たちが劣情まるだしで拙劣な謀略を仕掛ける。

けれども、当たり前の話ですが、生活保護制度利用者は「罪人」などではありません。
また「特別な人」でもありません。
たまたま、それぞれの事情(病気・障害・怪我・失業・孤独な生い立ち・DV被害・犯罪被害・差別被害など)により、「生活のためのおカネが不足している」人であるにすぎません。

「おカネが不足している」ことを決定的な理由のように見做して(誤認して)、他者を見下し、差別するのでしょうか?
もしそうであるなら、それは究極の「拝金思想」「カネの奴隷の思想」と言わざるを得ないとわたしは思います。


写真の《わたしたちの声(こえ)をきいてください!!》バナーは2011年08月10日に行なわれた生活保護利用者当事者デモの際にデビューしたものです。
「いまどき当事者の声も聞かずに政策を決めるなどありえない」
「政治家・官僚はまず最初に当事者の声を聞いてください」
という気持ちを訴えています。
ちなみに未(いま)だ「完成品」ではなくて、これから仕上げられる予定だそうです。


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投稿者 kihachin : 2012年06月05日 12:00

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