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2012年10月21日

「週刊朝日」の部落差別記事を批判する

週刊朝日」2012年10月26日号・表紙


「部落差別」については「そんなことをしては絶対にいけない」としか言いようがない。
理屈ぬきで「それは駄目だ!」とわたし(中村順)は思う。


大阪市長・橋下徹(はしもと とおる)氏の政策や政治家としての姿勢はいくらでも批判できる余地があるでしょう。
そもそも橋下氏は早くも「衰運期」に入ったように見受けられます。
なのに「週刊朝日」2012年10月26日号記事「ハシシタ 救世主か 衆愚の王か」は《DNA》なんか持ち出して、橋下徹氏の父親(故人)や被差別部落のことを取り上げている。
これはいったい何なのか?
わたしは差別心は誰にもある(もちろんわたし自身にも)と考えています。
出身地・国籍・肌の色・宗教・ジェンダー・セクシャリティ・障害・病気・年齢・容貌・学歴・思想・経済力などにまつわる様々な差別。
これらについて完全に「無垢」という人は、おそらく地球上に存在しないでしょう。
けれども「差別する自分」を克服しようと努力し続けることが、真に人間的な在り方なのだと思っています。
しかるに「週刊朝日」のような社会的影響力をもつメディアが、あからさまな差別記事を公(おおやけ)にする。
これはもう「なにかがぶっ壊れている」と思わざるを得ません。


わたしは「週刊朝日」編集部の姿勢にはもちろん呆れ果てましたが、ノンフィクション作家・佐野眞一(さの しんいち)氏が差別加害に連座したのにも驚きました。
わたしは佐野眞一氏の著書をおそらく20冊以上読んでいます。
佐野眞一氏は民俗学者の故・宮本常一(みやもと つねいち)への敬慕をつねづね表明しており、さらに自分(佐野)は宮本常一の志を受け継ぐ者だと自負しているようです。
宮本常一は日本全国をくまなく歩き回り、膨大な研究調査を続け、また真摯(しんし)に部落差別問題に取り組んだ人でした。
(余談ですが、わたしは最近も複数の尊敬する知人たちと、宮本常一について意見交換しました)
その宮本常一を尊敬している、自分は宮本常一の後継者であるという佐野眞一氏があのような差別文章を書いた。
もしかしたら「週刊朝日」と佐野眞一氏はともに「ぶっ壊れている」のではないか? とまず最初に思いました。


なお、わたしは橋下徹氏を──政治家として──まったく評価しません。
さらに橋下氏は織田信長のごとく《五年、三年は持たるべく候。明年辺は公家などに成さるべく候かと見及び申候。左候て後、高ころびに、あおのけに転ばれ候ずると見え申候》と予想しています。
これは僧侶で戦国大名でもあった安国寺恵瓊(あんこくじ えけい)の信長評です。
歴史が示すとおり、安国寺恵瓊の言葉は的中し、織田信長は本能寺に斃(たお)れました。
が、わたしの「政治家・橋下徹」の評価は別として、今回の「週刊朝日」差別記事はまったく酷いものです。
また佐野眞一氏も常軌を逸しているとしか言いようがありません。
皮肉ではなしに「佐野氏は病気などが原因で、通常の判断ができにくい状態なのかもしれない?」とすら疑います。
もしそうであるなら、佐野眞一氏は症例などの事実を明らかにしたほうがよいのではないでしょうか。


今回の差別記事に対して、被差別部落出身の浦本誉至史さん(うらもと よしふみ/部落解放同盟東京都連合会執行委員)が一個人の立場で「週刊朝日」編集部に「公開質問状」を郵送しました(10月19日投函)。
これに対して「週刊朝日」編集部が何と回答するか?
あるいは黙殺しようとするのか?
わたし(中村順)は浦本誉至史さんを断固支持するという自分の立ち居地を明らかにした上で、今後の経緯をしっかり見守りたいと思います。


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投稿者 kihachin : 2012年10月21日 12:00

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