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2012年12月04日

石原慎太郎《憲法を無視して超法規的にことを行う》発言

石原慎太郎 (日本維新の会代表・前東京都知事)


石原慎太郎 (いしはら しんたろう/日本維新の会代表・前東京都知事)氏発言(「産経新聞」2004年01月05日掲載「言葉への妄執の愚かさ」)の一部を引用します。

より多数の市民の安全のためにテロによる被害下、憲法を無視して超法規的にことを行うのは、行政を担当する者の責任に他なるまい。

この石原慎太郎都知事(当時)発言には「テロ対策を口実としたクーデター扇動」を疑われてもしかたない危うさがあります。
「国の最高法規」日本国憲法の第99条に《天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》とあります。
石原発言は、《憲法を尊重し擁護する義務》を放棄し、悪意をもって憲法を蹂躙(じゅうりん)するもの。
そう疑われてもしかたありません。
特に《超法規的》の文言は心証悪いですね。
ましてや、石原氏これまでの言動の数々と関連させるなら、容疑はより濃厚なものとなるでしょう。
重要な立場にある政治家がこんなことを言ったら、大方の国では一発罷免、もしくはムショ行きではないでしょうか。

とはいえ。
石原慎太郎氏はおそらく無思慮になんとなく「勇ましい」ことを言ってみたのでしょう(笑)。
そういう人だと思います。
政治家として、言葉が決定的に、軽い。
また、誰もが「石原慎太郎などにクーデターができるわけない」と思っているのでしょう。
それで、彼が上記のような憲法無視・超法規発言をしても、誰も真面目に相手にしない。
結果として「おとがめなし」になるのかもしれません。
もっとも、それではいけませんが。

繰り返しますが、重要な立場にある政治家がこんなことを言ったら、「普通」の国では罷免、悪くすれば刑務所行きでしょう。
少なくとも当局による取調べくらいはあるだろうと思います。
石原《憲法を無視して超法規的にことを行う》発言のとき、そういうことはあったのでしょうか?
もしかしたら、まったくの「おとがめなし」ですか?
だとしたら、日本は「法治国家」とは言えないかもしれません。
そして「法治国家」でないのなら、「近代国家」とすら呼べない、得体の知れない「何か」なのか…。

わたし(中村順)は「国家は暴力を内包した、本質的にとんでもないものだけれど、少なくとも現時点では、また予測可能な未来において、人間は国家なしではやっていけない」と考えます。
一言でいえば「国家は必要悪」ということです。
だからこそ、法による統治が絶対的に必要なのです。
憲法は「国の最高法規」です。
同時に「国家による暴力」を拘束する機能を持っています。
権力者が好き勝手なこと(戦争・内戦・虐殺・拷問・強奪・人権抑圧など)をしてはいけない。
わたしたちの「いのち」と「暮らし」は憲法によって安全を担保されています。
だからこそ「憲法」は厳格に守られなければなりません。

日本国憲法第99条:天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

憲法を尊重せず、擁護せず、蹂躙する政治家・官僚は「悪」そのものではないか。
彼らの欲しいままにさせておいてはいけない。
彼らはわたしたちの社会・国家をより危険な状態に導びきかねない、絶対的な「悪」ではないだろうか。
少なくとも、そのような疑惑をもって見たほうがいい。
「憲法原理主義者」たるわたしはそう思います。

独裁者たち──ヒトラースターリンナポレオンも──おおむね滑稽な人物でした。
にもかかわらず、彼らはきわめて危険な政治家であり、多くの人々の「いのち」と「暮らし」を破滅させました。
そもそも「独裁者」というのは、滑稽であるにもかかわらず危険である、という特徴をもつのかもしれません。


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投稿者 kihachin : 2012年12月04日 12:00

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